マリア祭も終わり、ぽかぽか陽気に包まれた薔薇の館で山百合会のメンバー達は紅茶を片手に談笑していた。
と、そこへ、
バンッ
「リリアンかわら版、フォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!」
黒のボンテージ、蝶をかたどったサングラス、そして広げられた両手と残像が残るほどの腰の動き!
「どーもー、ハードレズでーす。皆さんごきげんようフォーーーーーーーーーーーーーーッッ!」
吹いた、みんな吹いた。運悪く口に含んでいた紅茶を惜しげもなく。
もう紅茶吹きを令のお家芸とは言わせない。
「ちょっと真美さぁーーん! 一体ナニを!?」
「セイセイセイ、待ってくれ祐巳さん。私はただ、リリアンかわら版の記事にするインタビューをしにきただけだフォーーーーーーーーーーー!!!」
――いやいや、あんたの方が記事にされるの早いと思うよ?
そこにいた人間全員がシンクロ率400%でそう思った。
その後も彼女がいないかのごとく事務をこなしていたが、その日の作業効率は平日の50%にも満たなかったそうだ。
なぜなら、その間も真美の奇行は止まらなかったからだ。
「オゥケ〜イ。いいね〜、あぁ、いいですよ〜祐巳さん」
祐巳に腰を擦り付けるように動かす真美
「志摩乃梨姉妹成立フォーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!」
腰を振る
「んー、その青信号具合、ハードですよ〜〜〜」
まだ振る
「ミスターリリアンフォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!」
まだまだ
「セイセイセイ、110番は反則でしょう紅薔薇さま〜〜〜、ハードさが足りませんよ、ハードさがぁ」
日が暮れても、何かある度に振り続ける真美だった。
翌日のリリアンかわら版はハードに鉄製だった。
おまけ
「ふふふ、この薬も成功ね。協力ありがとうね、三n・・・・・・ポニーさん」
「いえいえ、江r・・・・・・凸さまのおかげで今回もリリアンかわら版は増刷するほどの大盛況で」
「それにしても、ネタのためなら妹も売る。面白いわ」
「それは光栄です」
「「ふふふふふふ・・・・・・」」