『繰り返される悪夢。
逃げ場のない袋小路。
変えようのない運命という残酷な現実。
世界を創造したという神様は私を見てさぞにやけているだろう。
何度挑戦してもダメだった。
だからこそ――
―――挑戦する価値があるのではないのだろうか』
今始まるのは漆黒の狂いし宴――
――1つが狂えば全てが狂う。
『信じるだけじゃあ…だめなんだよ』
『まだ頑張るの?…いいわ、相手になってあげる』
『何度も何度もそうして、あなたは飽きないの?』
『…冷たいことを言うようだけど、あなたじゃ役者不足なのよ』
『わ…わたしに勝つ?…っ…下らない!そんなの妄想よ!』
策を十重二十重に張り巡らす――山百合史上最悪の心理戦。
『私の知恵をすべて出し切った作戦…それをあなたは…軽々と超えたというのね』
渦巻く陰謀、信じていた仲間の中にはユダ[異端者]がいる。
『…そ、そんな…まさか…あなたがユダ…』
『残念だったわね志摩子。さあ、幕引きにしましょう』
決して覆らない運命(そして、聳え立つ壁)、少女たちはそれでも駆け抜ける(誰より速く)。
今一度あの人の笑顔を取り戻すために(今度こそは}―
誰を疑い、誰を信じ、そして誰のために為すのか―
交錯する思いの中でやがて(冷静で)残酷な鉄槌が振り下ろされる。
『全てが予定されたとおりに動いている…まさか初めから誰かがシナリオを描いていたとでも言うの?』
やがて、少女たちは八方塞[袋小路]に追いやられる。
与えられた(狂いし)選択の少女の答えは―
『選ばせてあげるわ。諦める?それともここで終わらせる?』
『………わ…私は…』
頬を伝う涙は悲しみ[悲劇]から、しかし口元を(弧を描いて)歪める[喜劇]その訳[理由]とは――
統べての思惑が浮かび上がりしときその歪な調べはやがて(美しく)狂おしい狂詩曲[ラプソディー]を織り成す。
『…わかった。このシナリオの終着点が…!…まだ、まだ今なら!』
神は常に人に試練[隔てる壁]を与え続ける。
しかし、これはまるで――
―――生き地獄…
『最初は小さな波だった。それが今では…あなたはいったい何をしたの!?』
『……解からないのですか―――
―――それこそが伏線なのですよ』
(『第一次福沢祐巳争奪戦』、2008年5月上映決定)
[出演]
水野蓉子 鳥居江利子
佐藤聖 小笠原祥子
支倉令 藤堂志摩子
島津由乃 福沢祐巳
[キャスト]
武嶋蔦子 山口真美