この作品は、百合要素が含まれてます。
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目の前の光景を見て、
今日、私は人生最高の日を迎えていることを実感した。
事の始まりは、志摩子さんに冬休みの宿題を見てもらうという約束だった。
急に都合が悪くなったと言ってドタキャンされたが、代わりの人が向かったと言っていた。
ただ最後に「がんばって」と言っていたがどういう意味だろう?
その答えは、すぐにわかった。
インターホンの音を聞き、玄関を開けると祐巳様が立っていた。
どうやら志摩子さんに隠し事は無理らしい事を悟った。
祐巳様を部屋まで連れて行き、こたつに入って宿題を始めた。
祐巳様は私の部屋を眺め「仏像グッツってこんなにあったんだ」と言っていた。
こたつの中で足が触れ合うたび祐巳様のシャンプーの香りがするたび、私の顔が赤くなるのをかんじる。
祐巳様に「顔赤いけど大丈夫?」と言われ、こたつの熱にあたってと答えた。
それから私は問題をただただ解いていた。
祐巳様がやけに静かなので、そちらに目をやると、祐巳様は寝ていた。
だが問題は、寝相で服を乱し、こたつの熱で頬を赤くして無防備に寝ていた。
好きな人がこんな格好をしているなんて目に毒だ。
私は、いけないとわかりつつも、意を決し、両手を祐巳様の両肩の隣においてそれを支えに身を乗り出し、唇を近づけた。
すると
カッ
と祐巳様の両目が開き、「どうしたの?」とたずねた。
私は驚いてバランスを崩し、私の唇は真下にあった祐巳様の唇に落下した。
私は、必死に謝った。
嫌われたくない、嫌われたくない。
そう思うたびに涙が止まらなかった。
すると祐巳様がやさしく抱きしめて「私嫌じゃなかった、むしろうれしかったよ。
私のこと軽蔑する?」と言ってくれた。
私は首を横に振り「軽蔑なんてしません。」と言った。
すると祐巳様は「今度はちゃんとやってね」と言って目を閉じた。
ああ、私は、今人生の中で最高に幸せだ。
こたつの事故で実った恋をどこぞの神様に感謝した、冬休みの一日だった。
あとがき
ひぐらしクロスの合間に作ったこの作品、一話かぎりの単体SSを作ったのは初めてなので、いかがだったでしょうか。ご意見・ご感想を書き込んでいただけたらさいわいです。