【2578】 ロサ・ドリール  (通行人A 2008-03-30 11:06:45)


マリア様のなく頃に
〜時始編〜

ひぐらしのなく頃にのクロスシリーズです。
第1部【No:2477】→【No:2479】→【No:2481】→【No:2482】→【No:2484】→【No:2487】→【No:2488】→【No:2490】→【No:2492】→【No:2499】→【No:2503】→【No:2505】→【No:2506】→【No:2507】
第2部【No:2527】→【No:2544】の続編です。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

第2部 夏


第3章〜綿流し1日目〜下





第5話  エンジェルモートの攻防(乃梨子視点)




魅音さんたちの叔父様が経営しているらしい店に入った。
私たちが店に入って最初の感想はウェートレスの制服がおかしい。
客層が濃い。
の2つに統一された。
潔癖症の祥子様は固まった、いや、一部を除いてほかの面々もそれぞれ唖然としている。
その沈黙を破ったのは、どこかで見た気がする、丸刈りの男性の叫び声だった。

丸刈りの男性「K〜〜
         お久しぶりです。」

その人は、圭兄のことを『K』と呼びこっちへ来た。
圭兄達がその男性を『亀田君』と呼び、何か会話をしている間、由乃様が亀田さんを思いっきりジロジロ眺めていたと思ったら、
突然、

由乃「あ〜〜〜〜!!!」

と、亀田さんを指差して叫んだ。
と思ったら、亀田さんのところに詰め寄って、

由乃「プロ野球選手の亀田幸一さんですよね?」

と言う質問でようやくどこで見たのか思い出した。
確か前に、大リーグからの破格の待遇でのスカウトを蹴って日本に留まったことでテレビで一時期話題になったような話しを
中学時代、クラスの男子が話していたのがかすかに記憶にあった。

私は、野球にあまり興味が持てなかったので、気付けなかったが、スポーツ観戦が趣味の由乃様なだけあって、
よく気付けたと思う。

亀田さんは、2言3言由乃様と話した後、圭兄に挨拶をして、自分の席に戻っていった。
それにしても、今日知っただけで、お金持ちのお嬢様(祥子様,瞳子)、神様に野球選手ときた。
昔から圭兄の友好関係は謎だ、圭兄は誰とでもすぐ仲良くなる。
圭兄のこういった姿を見るのは、本当に久しぶりだ。
圭兄は昔から頭が良く、いろいろなことを教えてくれた。
と言うより、口先が達者だ、圭兄の解説は、まるで手品を見ているようだった。
私の仏像好きも、元をたどれば、圭兄の口先マジックが発端だった。
もっとも、仏像について調べてくうちに6割がた嘘だということがわかったが・・・。
でも、ある時期を境に、圭兄は変わった、他人に興味を示さなくなり、見下すようになった。
そして、6年前、あの事件を起して数ヵ月後、圭兄は雛見沢に去っていった。
私は、雛見沢に圭兄が行って、寂しかったが、今になって思えば、これでよかったようにも感じられる。
すると突然、

詩音「あれ?もうこんな時間じゃないですか、申し訳ありませんが、病院の手伝いがありますので、
私はここで失礼させていただきますね?それでは皆さんまた明日。」

そう言って私たちの挨拶も聞かず、すごいスピードで去っていった。
私たちは、店員の人に案内されて、一番奥にある3つの6人がけのテーブルに案内された。
圭兄たちは、店員の人とほかの客席を見ながら何かを話していた。
  
魅音「それじゃあ計画通りいくよ〜〜」

その掛け声と共に、それぞれ、
圭兄はスタッフルームを通って正面玄関の前に、
梨花と羽入様はトイレに、
魅音さんはどこかに電話をし、
沙都子さんは厨房に、
レナさんはその場から動かなかった。
いや、レナさんの舌がカメレオンのごとく伸びているように見えるが、気のせいということにしておこう。
それと先ほど話をしていた店員がおぼんにケーキを乗せてフラフラとした足取りで、問題の客の前を通ろうとした。
私たちは黙ってみていると、
そのとき、客の一人が、誰がどう見てもわざと足を出して転ばせた、いや転ばせようとしたが出来なかった。
なぜなら、そのとき真横に居たはずのレナさんが一瞬で、ウェートレスの子の後ろに回りこみ、
片手で倒れそうなその子を支え、もう片手で落としそうになったおぼんを支えつつ、出された足を蹴り飛ばした。
それからレナさんは、その子が体制を立て直すと、蹴った男以外で邪魔をしたことを怒って睨み付けていた男共を、
ひと睨みした後、蹴った男に近づいて下から見上げるように、
顔をあと1,2センチくらい近づけたらキスになる距離まで迫って片手で相手のあごを押さえつけた。
遠くから何も知らない人が見たら、レナさんがキスを迫っているように見えるその行為は、
怖い、
普通に怖い、
普通、美少女の上目遣いはかわいいものだと思うが、レナさんの青白い瞳とものすごい威圧感は、店中の空気を凍らせた。
マリア祭のときの祥子様がレナさんじゃなくて本当によかった。
もしそんなことを私がされたら、私は全校生徒前で大泣きしたんじゃないかと思う。
皆はどうしたのだろうと思い、振り返ると、祐巳様が半べそをかき、ほかの皆は顔を強張らせて固まっていた。
そんなことを考えていると、レナさんがそのままの体制で

レナ「どうして足をかけようとしたりしたのかな、かな?」

男「そ、そそそ、そ、そんなことしておらぬ」

と言った。
嘘着け

レナ「本当に?」

男「も、もちろん」

レナ「そう」

レナさんがそう言ってにっこり微笑むと、男はホッとし、男の仲間たちは立ち上がり、レナさんに文句を言おうとした。
その瞬間



レナ「嘘だっ!!!!!!!!!!!」



レナさんの顔が鬼のように怖くなり、青白い瞳には、昔絵に書いた鬼や、猫のような鋭い形の瞳孔が浮かび上がった。
私はその目を『鬼の瞳』と呼ぶことにした。
いやいや、そんなことはどうでもよくって、それより問題は今の大声で、窓ガラスにひびが入っているんですけど、
声だけでガラスにひびって本当にはいるんですね。
いや、それもどうでもよくて、ああ、私なんかすごく混乱しているな〜と考えつつ、
聞きたいけど、言ったら多分無事じゃすまないことを考えた
レナさんあなたは本当に人間ですか?
普通の人間って瞬間移動も出来なけりゃ、目に見えないパンチも放てないし、舌も伸縮自在じゃありません。
まあ声で、窓にひびは出来るかもしれませんが、スピーカーなしでは無理だと思います。
あなたは、某宇宙からやって来た怒りで髪の色が変わる猿ですか?
それとも、某学園の渋めの魔法使いのおっさんですか?レナさん女ですけど。
伸縮自在って、怪物の国の王族の方ですか?(古っ、作者まだ生まれてないし)
  
〜〜〜〜〜〜今さらですが著作権的にギリギリなので作者の都合により一部のみとさせていただきます〜〜〜〜〜〜
  
とか言ったら後が怖そうだ。
レナさんは鬼の瞳のまま、薄ら笑いを浮かべてまだ相手を見ていた。
すると、ウェートレスの制服を着た魅音さんがレナさんを羽交い絞めにして

魅音「申し訳ありませんでした。」

そう言って、スタッフルームまで引きずっていった。
それと入れ替わりに、ウェートレスの制服を着た沙都子さんが問題の男たちに、

沙都子「お詫びにパフェをお一つずつどうぞ。」

そう言って問題の客たちに配って、こっちに戻ってきた。

乃梨子「どうしてあんなことを?」

沙都子「あら、あの人たちを懲らしめる為でしてよ。」

そう言って沙都子さんは小さな小瓶を見せた。

瞳子「どういう事ですの?」

沙都子「すぐに分かるでございますことよ。
    会則第2条勝つ為にあらゆる努力をすること。
わたくし達を敵に回した以上死なない程度に懲らしめて差し上げますわ。」

  そのときパフェを食べた人たちが一斉に立ち上がり、トイレにダッシュした。
  が、『故障中』という張り紙が男子トイレの入り口に張ってあった。
  それを見た男共は、私たちが見ているにも関わらず迷わず女子トイレのドアを開けた。
  だがそこには、梨花と羽入様が立っていた。
  羽生様はあうあうと泣いて、梨花は涙目を浮かべていた。
  羽入様はともかく、梨花は絶対嘘泣きだと思う。

  梨花「ボクが外のトイレまで案内してあげるのですよ☆にぱ〜☆」

  梨花が狸モードってことは何か企んでいるのか。

  〜〜20分後〜〜

男たちが戻ってきたが店の前に圭兄が立っていてかれこれ5分その場にいる。
ここからでは何を喋っているのか聞き取れないが、おそらくまた圭兄の話術でも披露しているのだろう。
私がこっそりそこに行くと、

男「だからどうして店に入れないんだ。」

圭一「さっきから申し上げているでしょう。店の入り口にも中にもこの張り紙がしてあったでしょう。」

そう言って指した紙には、

『本日イベントデーにつき再入店は禁止とさせていただきます。』

と書いてあった。
男たちは、「「横暴だ」」と叫んで抗議をしていたが、それを割って入った声がした。

?「これは何の騒ぎだ」

その声と共に、そのスジの人が数名立っていた。

圭一「葛西さん、お久しぶりです。」

葛西「前原さんもお元気そうで。」

私は、圭兄のとこまで寄って、

乃梨子「圭兄、こちらの方は?」

圭一「ああ、こちらは葛西辰吉さん、園崎組のNO2で散弾銃の辰の異名を持つ極道の人だよ。
   葛西さん、この子は俺の従兄弟で二条乃梨子ちゃん。」

葛西「ほぉ、前原さんのご親戚ですか、どうも葛西と申します。以後お見知りおきを。」

私は、あっ、どうも。と言いつつ握手をしたが内心パニックだった。
園崎組ってあの園崎組だよね。全国でも指折りの広域指定暴力団の、あれ?
確か魅音さんと詩音さんの苗字も確か園崎だったような、うん、偶然だよねと自分に言い聞かせることにした。

圭一「葛西さんはなぜここに?」

葛西「魅音さんに来るようにいわれたのですが、この騒ぎはいったい?」

私の望みはこの二人の手によって崩れ去った。

圭一「この張り紙のことでちょっと。」

と言ったところで、店の中から店長らしき人が出てきた。

店長「総支配人!!ちょうどよかった、そいつら食い逃げ犯だ!!!」

男「俺たちは食い逃げなんてしてない。」

圭一「再入店出来ない店で、代金払わずに出たら立派な食い逃げだろ」

葛西「うちの系列の店で食い逃げたぁいい度胸だ、ちょっと事務所まで来てもらおうか」

そう言って男たちを黒塗りの車に乗せて葛西さんは、去っていった。
その後、私たちは、張り紙はトイレに行っている間に圭兄が作った偽者なので店の中に戻り、かなり遅い昼食を食べた。
昼食後、私たちは圭兄たちと部活をやることになった。何でも、道具も罰ゲーム用のアイテムもここに置いてあるらしい。
ちなみに、男たちはというと、食い逃げはでっち上げなので、料金は払ったものの、
ウェートレスの痴漢行為は本当なので、警察に突き出され御用となった。





第6話  部活(瞳子視点)



不埒な輩を退治した後、私たちは昼食後、空いたテーブルや椅子をくっつけて、部活というものをやることになりました。
人数が多いので、4組のトランプを混ぜてやることになりました。どれも柄が違うけど、
ゲーム上得に問題はないらしいのですわ。
最初に、白紙の紙とペンが配られました。そこに罰ゲームを書いて袋に入れるらしいです。
私は、横目で隣の祥子お姉さまと黄薔薇様を覗き見ると、

祥子・令「「えへへ〜祐巳(由乃)のメイド服で肩もみ、膝枕〜」」

などと、不気味にニヤニヤしておりました。
そりゃぁ、私だって祐巳様にしていただきたくないといえば嘘になりますが、だからといって、
それに祥子お姉さまたちは失念しています。
下手をすれば、自分がやることになったり、別の人がやることになるかもしれませんわよ。
ここは無難に、『何もなし』と書いて、折り目をつけとくのが1番の得策ですわ。
いざ書こうとしたとき、

梨花「『何もなし』と書いて折り目をつけるというのは禁じ手にしましょう。」

その一言で、書くことが出来なくなってしまった。
なので私は、無難に『腹筋20回』と書きました。
書いた紙を、袋の中に入れ、
1枚抜いて、1人10〜11枚配られました。
まずは、オーソドックにジジ抜きだそうですわ。
部活メンバーはやけに抜いたカードを注視するので、もしやと思い反対隣の魅音さんに、内緒話をするときのように話した。
もし私の考え通りだとしたら、わざわざ教える必要はございませんわ。
『会則第2条勝つ為にあらゆる努力をすること。』ですもの、
魅音さんの返事は、私の予想通りのものでございましたわ。
ずるいと抗議しようと思いましたが、言ったところで、
会則第2条の事を言われ、圭一お兄様に丸め込まれるのが関の山ですわ。
あの人に口論で勝てるのは、私の知る限り、小笠原のお爺さまぐらい名ものですわ。
それからゲームが始まりました。
順番は並び順で、
黄薔薇さま
レナさま
由乃さま
蓉子さま
圭一お兄様
乃梨子さん
志摩子さま
梨花さん
祐巳さま
聖さま
沙都子さん
蔦子さま
真美さま
魅音さん

祥子お姉さま
の順になりました。
私は、1回目は勝負を捨て、傷を覚えることに集中しました。


――――第1戦――――


勝敗は
トップは魅音さん
最下位は祥子お姉さま
でした。
祥子お姉さまが引いた罰ゲームは
『カレーの悪口を叫ぶ』でした。
は?
私たちリリアンメンバーは皆頭に?マークを浮かべていた。
私はこれは『何もなし』のように自分の保険用のものだとだと思いましたが、
部活メンバーの様子がどうにもおかしい
すると、

魅音「ちょ、ちょ、ちょと誰こんなの書いたの。」

レナ「祥子ちゃんもう一度引きなおしてもいいんだよ、だよ。」

沙都子「今回ばかりは許して差し上げますわよ。」

梨花「さあ引きなおすのですよ〜☆にぱ〜☆」

祥子「いいえ、このまま引きます。引きなおすというのが罠に違いないわ。
   『会則第2条勝つ為にあらゆる努力をすること。』でしたわね。
   梨花ちゃんが私に親切にしてる時点で罠ということは明白
   詰めが甘くてよ、梨花ちゃん。」

私たちリリアンメンバーも祥子お姉さまの言う通り別の罰ゲームを引かせる為の罠だと思った。
どう見ても、たいしたことない罰ゲームだ。
でも何かが引っかかった。
さっき、あの不埒な輩たちを退治したときとは比べ物にならないお粗末な作戦だった。
だが、祥子お姉さまの最後の一言を言ったとき、私は見てしまった。
梨花さんの口の端がニヤリと笑うのを、
それですべて悟った。
この罠は、部活メンバーの慌てぶりから見て、
梨花さんが単独で仕掛けたこの罰ゲームをやらせる為の罠だということを

梨花「では、本当にやるのですね?」

祥子「ええ」

梨花「ちっ!!しょうがないですね。本人がやるといっているのでやってもらいましょうなのです。」

舌打ちがメンバー全員に聞こえリリアンメンバーのほとんどは、作戦失敗の為だと思った。
それは祥子お姉さまも同じで、

祥子「ふふふっ残念だったわね。梨花ちゃん。
   さて、」

祥子お姉さまは、大きく息を吸い込み、

祥子「カレーなんてジャンクフードの最たるものよ〜!!!
   カレーの×××!!!」

祥子様はどうだといった感じで梨花さんを見た。
すると
梨花「あら、本当に言ったのね、せっかく忠告したのに残念だわ。くすくすくす。
   次の祥子様には期待しているわ」

黒梨花モードでそういうと梨花さんはテーブルの下に潜った。
よく見ると、ほかの部活メンバーもテーブルの下に潜っていた。
ただ圭一お兄様だけは、メンバーが女子だらけなので、潜らずに、頭を伏せ手で後頭部を押さえていた。
いうなれば地震を想定した防災訓練のときと格好を座ったままやっていた。
私は嫌な予感がしたので例に倣って、テーブルの下に潜ろうとした。
そのとき、私の真横、祥子お姉さまの顔すれすれを何かが窓ガラスを突き破って通過した。
私たちは、通過した先を見た。
そこには、長剣が刺さっていた。
あそこにあんなオブジェありましたかしら。
と、現実逃避をする間も無く、剣が飛んできた窓を、突き破って、女性の方が突入してきた。
その方は祥子お姉さまの肩を掴むと、

女性「あなた先ほどカレーの悪口言いませんでしたか?」

声は荒げず静かな物言いですが
はっきりいって怖い、
さっきのレナさんの『嘘だっ!!!!!!!!!!!』発言とどっちが怖いかと聞かれると
おそらくこっちのほうが怖い。
なんで、剣を街中で振り回しているのかとか、
ここ3階なのに窓を突き破って入ってこれたのか、など気にならないほど怖い。
それは、祥子お姉さまも同じのようで、

祥子「い、いい、言いました。」

と、素直に答えた。
それを聞いて、

女性「そうですか、ではちょっと来てください。」

にこやかにそう言うと、祥子お姉さまを連れてトイレに入っていった。
私は意を決して

瞳子「梨花さん、あの方はどちら様ですの?」

梨花「雛見沢は人口が少ないから小中合同一クラスの雛見沢分校に通っているのだけど、
   あの人は雛見沢分校唯一の先生知恵 留美子先生。」

瞳子「あの方教師なんですの?」

魅音「うん、ダム戦争時代、国が雛見沢は潰すんだから学校は必要ないって言って、
教師を誰も遣さなかったんだけど、知恵先生は教育委員会の反対を押し切って雛見沢に来て
教師をやってくれたんだよね。
ただ、カレーに命を懸けていてたまにああなっちゃうんだけどね。」

瞳子「すごい方なのですのね。でもバラバラの学年を教えていて勉強のほうは大丈夫だったんですの?」

魅音「まあね、授業がない間は自習で問題集とかやっていたしね。おじさん優秀だし。」

瞳子「それは、すごいですわね。」

真面目にすごいと思った。

圭一「み〜お〜ん〜!!どの口がそれを言う!!」

魅音「あ、あははははは」

圭一「はあ〜、俺がいったいどれだけ苦労したと思ってやがる。
   大体お前、俺より1つ年上だろ?」

乃梨子「もしかして、圭兄が勉強教えていたの?」

レナ「うん、私もたまに他の子達に教えていたけど、圭一君ほどたくさんの子には教えてなかったかな、かな。
   私自身もよく圭一君に教わっていたし。」

梨花「私たちの受験勉強見てもらったとき、圭一涙流して喜んでいたわね。
雛見沢の学力は思ったより高かったって、
   魅ぃ、あなたいったい何やらかしたの?」

沙都子「まったくですわ、高校受験の勉強なのに小3の算数の教材を素で持ってきていましたわよ。」

魅音「まあ、ちょっと。」

圭一「ちょっとじゃねえ、中三の夏になっても一桁の割り算でつまずいていたじゃねえか。
     がんばっていたのは認めるが、いい加減卒業しろ、何年高校生やる気だ。」

聖「あれ?魅音さんってまだ高校生なの?」
  
梨花「お姉さまと同じ高二なのですよ〜☆
   このスピードだと、僕たちのほうが先に卒業してしまうのです☆にぱ〜☆」

圭一「梨花ちゃん、それ、リアルすぎて笑えない。
   部活を見る限りだと頭は悪くないんだけどな〜」

そこに、祥子お姉さまと知恵先生が、帰ってきた。

レナ「20分か、意外と早かったね」

知恵「カレー万歳!!」

そう言って、知恵先生は去っていった。

乃梨子「早いほうなの?」

圭一「ああ、俺の知っている限りで最長で4時間、カレー講義をされた。」

魅音「あれは圭ちゃんが、罰ゲームとはいえ言い過ぎたんじゃない。」

乃梨子「なんて言ったの?」

圭一「いや、それをここで言ったら先生がまた来るから。」

4時間も説教する内容の悪口ってどんなのなのでしょう。
  

  ――――第2戦――――

  
ジジはさっき覚えたスペードの3。
私の手札にはジョウカーは無い。
勝敗は
トップは私
最下位は佑巳さま
罰ゲームは、イヌミミ、イヌシッポ装備。
なんでこんなとこに置いてあるの等とツッコミはさておき、佑巳さま可愛すぎます。
松平瞳子15歳今日出血多量で死ぬかもしれません。
祥子お姉さま
志摩子さま
由乃さま
聖さま
も似たようなもの。
レナさまに至ってはすでに鼻血を出してかぁいいモードが発動中。
  
レナ「ははは、はう〜祐巳ちゃんかぁいいよ〜、お〜もちかえり〜〜」

祐巳「!?!?!!?」

祐巳さまが涙目の百面相で助けを求めているが、
  すみません祐巳さま瞳子まだ死にたくありません。
  そんなレナさまに立ち向かう勇者が1人
  
祥子「レナさん、祐巳に抱きつかないで下さい。
   魅音さん離してください。」

祥子さまは魅音さまに羽交い絞めにされて、動けなかった為、レナパンを受けずにすんだ。
その後5分、祐巳さまはレナさまに頬ずりなどをされ、解放された。
が、すぐ別の人物に捕まった。
  
祐巳「ぎゃう」

聖「大変だったね〜、お姉さんがなぐさめてあげるからねー」

それに反応したのは祥子さまではなく、志摩子さまでした。
とてもとてもどす黒いオーラを出して、

志摩子「お・ね・え・さ・ま〜、今・何を・しようとしましたか?」

聖さまはすぐに祐巳さまから離れ、

聖「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい
  ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい
  ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・」

と謝り続けた。


――――第3戦――――


勝敗は
トップはレナさま
最下位は私だった
はあ、今までの罰ゲームから考えて、あまり良い予感がしない。
引いた罰ゲームは、『変な髪形にする』だった。
この自慢の縦ロールをいじるのは嫌ですが、今までの罰ゲームに比べればだいぶマシですわ。

レナ「あー、うん、変えなくていいんじゃないかな、かな。」

瞳子「それは、どういうことですの?」

レナ「あー、うん、え〜と、・・・」

魅音「変える必要ないよ。
   そのいもむしヘッド。」

瞳子「い、い、いいいい、いいもむしヘッド〜!!?!?!!」

わたくし自慢の縦ロールをよりにもよっていもむしですって?

真美「瞳子ちゃんの髪型と言ったら、ドリルとか、巻貝とか、チョココロネ、竜巻等ならよく聞きますが、
いもむしは初めて聞いたのですが、何か由来でも?」
  
そう言って、真美さまはメモ帳とペンを持って、取材体制になっていた。
今は、いもむしのほうが気になるので聞きませんが、巻貝と竜巻は、初めて聞いたのですが、
今真美さまがお作りになったわけではありませんよね?
  
魅音「いや〜、なんかさ〜渦の大きいほうが頭で枝を上っているように見えない?」
  
そう言われて、皆さんなるほどと納得していた。
何と言うか、何で私はこんなに言われてるのでしょう。
この罰ゲームって、不本意ですが確か変な髪形にして、皆さんの笑いものになるというもののはず。
なのに何故、素の髪型がさらし者になっているのでしょう。
とりあえず軌道修正しようと思った矢先に、
  
魅音「なんかさ〜片方だけってのがまた、枝を登るいもむしのようで。」
  
あれ?
  
今、なんかムカつく言葉といっしょに、とんでもないこと言わなかった?
  
あれ?    あれ?
  
そういえばさっきから、頭がなんか軽い気がしたけど、

あれ?    あれ?    あれ?

左右の縦ロールを触ってみる、右良し、左・・・・・

あれ?

左だけ縦ロールが無かった。

祐巳「瞳子ちゃん左のドリルどこに忘れてきたの?」

瞳子「祐巳さま私の縦ロールは着脱可能じゃありません。」

辺りを見回すと、床に大量の髪の毛が散らばっていた。
こういうときは、目を瞑って、
クールになれ、クールになるのですわ松平 瞳子
目を開いて見たのは、祥子お姉さまの後ろ数メートル先の壁に刺さっている長剣だった。
後ろには窓ガラス、その直線状には私の左の縦ロールのあった場所だった。
そこから何故左の縦ロールがなくなったのか分かった。
その瞬間、私の意識が途切れた。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・


瞳子「はっ!」

私が目を覚ますと見知らぬ天井があり、布団の中だった。
私は起き上がりその部屋を出た。
すると何か良い匂いがしてきたので、匂いのほうに向かった。
台所らしきところにたどり着き、
そこには、祐巳さま・令さま・志摩子さま・乃梨子さん・梨花さん・レナさま・魅音さま・沙都子さんが料理していた。
蔦子さまは撮影中、真美さまはメモを取っていた。
そこから少し離れた、テーブルがあり、圭一お兄様が席に着いていた。
私は、圭一お兄様のところへ行き、どうなっているのか聞いた。
お兄様の話しをまとめると、

1. 私が倒れたので、部活はそのまま終了になった。
2. 気を失ってるだけなので、車に乗せ夕飯の材料を買って帰宅。
3. 料理出来る組が料理、出来ない組が1人が私の看病と1人が入浴1人が待機らしい。
今は由乃さまが入っているらしい。
4. 私が起きたとき誰も居なかったのは、おそらくお手洗いだろう。

その後、夕食をおいしく(?)いただいた。
中には変なのもあったが、銀杏の天ぷらとか、
食後、片方だけ縦ロールだと不格好なので切り落とし、レナさまに髪を整えてもらった。
令さまの髪を少し長くした感じになりました。
それから、お風呂をいただいて、寝るときの部屋割りに少しもめ、
怒涛の1日目が終わりを告げた。


  
はずも無く、
その後部活、第2ラウンドが幕を開けた。

結局私たちは夜中の3時まで遊んでしまいました。
後日、リリアン瓦版に罰ゲームでメイド姿になった祐巳さまの写真が掲載され、学園の6割(主に1年生)が、
血の海に沈んだ。


【No:2587】へ続く


一つ戻る   一つ進む