【2714】 花は散り  (通行人A 2008-07-21 21:19:55)


マリア様のなく頃に
〜狂始め編〜


『ひぐらしのなく頃に』のクロスシリーズです。


このSSシリーズは乃梨子主役のダークSSです。
暴力的なシーンが含まれます。
苦手な人はご注意ください。


 【No:2670】→【No:2698】→【No:2711】→【No:2713】の続編です。


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〜時始め編〜


第1部【No:2477】→【No:2479】→【No:2481】→【No:2482】→【No:2484】
  →【No:2487】→【No:2488】→【No:2490】→【No:2492】→【No:2499】
  →【No:2503】→【No:2505】→【No:2506】→【No:2507】


第2部【No:2527】→【No:2544】→【No:2578】→【No:2578】→【No:2587】
  →【No:2643】→【No:2648】


第3部【No:2656】→【No:2670】


企画SS
 【No:2598】


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あなたのそばを離れない。
あなたへの想いを思い出してしまったから。

あなたにそばを離れてほしくない。
他の誰かと居るのを見たくないから。

あなたをそばから離さない。
動けなければ離れない。

noriko  nijyou



第1部   抑えきれない想い


最終章   狂始め





最終話   煉獄の炎





圭兄はお昼頃やって来た。
私も圭兄も昼食を食べてないので2人で自炊することになった。
まあ慣れない事はするものではなく、
私は手を切ってしまった。
それを見た圭兄は、私の手を掴んで蛇口の水を私の指にあてる。
それから、消毒をして、バンドエイドを貼ってくれた。
圭兄の手の感触が暖かい。
だけど、この暖かさは無限ではない、
梨花が帰ってきたら終わってしまう有限の幸せ、
渡さない、梨花に圭兄は絶対に渡さない
圭兄は私のもの
この手の暖かさは私のもの。
伝わってくる体温も私のもの。
心地よい声も私のもの。
聞こえてくる心臓の音も私のもの。
圭兄の体も心も魂も
過去も、現在も、未来も、
圭兄に関わるすべてが私のもの。
視線の先にいていいのも私だけ。
何ひとつ、
誰にも渡さない。
私だけにもの。
全部私の、
私だけの圭兄なんだから。
梨花なんかに渡さない、
私のモノなんだから。
私のもの、私のもの、私のもの、私のもの、私のもの、私のもの、
私のもの、私のもの、私のもの、私のもの、私のもの、私のもの。
私のもの、私のもの、私のもの、私のもの、私のもの、私のもの、
ワタシノモノ、ワタシノモノ、ワタシノモノ、ワタシノモノ、
ワタシノモノ、ワタシノモノ。ワタシノモノ、ワタシノモノ、
ワタシノモノ、ワタシノモノ、ワタシノモノ、ワタシノモノ。



圭兄の手が離れるとすごく寂しい気持ちになる
あはは、そうだ、なら返さなければいいんだ。
私はまな板の上に置いてある包丁を見る。

乃梨子「アリガトウケイニイ、
    ヤッパリデマエニシヨウカ
    フタリトモリョウリデキナイシアブナッカシイシ、
    フタリトモラーメンデイイヨネ?」

圭一「ああ」

乃梨子「ワルイケドケイニイハワタシノヘヤデマッテテ」

圭一「ああ、わかった。
   悪いな。」

乃梨子「ウウン、
    アッ、ヒトリダカラッテシタギトカアサッチャダメダヨ」

圭一「するかっ!!そんなこと!!」

乃梨子「フフフ」

圭一「まったく」

そう言って、圭兄は私の部屋に行った。
すぐに行ったら圭兄に警戒されるかもしれないので、
私は、1〜2分時間を空けて部屋に向かう事にした。
もちろん包丁を持っていくのを忘れずに・・・
空いた時間に私はストーブ用の灯油をぶちまけた。
うちは未だに電気ではなく灯油を燃料とするストーブを使っている。
私は玄関と私の部屋の中間地点でぶちまけた。
私の部屋は玄関まで家の中で1番遠い
だから入り口付近で火をつけて
こっちまで火が回る前に消される可能性もある。
私はマッチに火をつけ灯油の上に落とす。
もう後戻りは出来ない。



部屋に入ると圭兄はこっちに背を向けて、無防備に座っていた。

乃梨子「ネエ、ケイニイ」

圭一「ん?どうした?」

振り向いた圭兄を私は両肩を掴み押し倒し、唇を奪った。
圭兄が座っていたこともあり簡単に押し倒せた。
いきなり押し倒されてキスをされて圭兄はパニック状態に陥った。
その隙に右手を肩から離し
背中に隠した包丁を取り出し圭兄に突き刺した。
噴出した血に私は舌を這わす。

圭一「がああああぁぁぁぁ」

乃梨子「オイシイ・・・・チガイッパイフキダシテイル」

グサッ

圭一「ああああああああ」

乃梨子「モットタクサンミタイ、ケイニイノチヲモット・・イッパイ
    モットモットコエヲキカセテケイニイ
    アナタノヤサシイコエヲワスレタコトナカッタ
    イマデモオボエテル
    ケイニイガワタシガネルマエニ
    オハナシシテクレタコト、コモリウタヲ
    ウタッテクレタコトダッテ
    ソノヤサシイテデワタシノアタマヲナデテクレタコト・・・
    ケイニイ・・・コンナコトサレテ
    ナンデテイコウシナイノ?
    ナンデキョゼツシナイノ?」

圭一「昔・・・約束・・・しただ・・・ろ」

そう言って圭兄は私の頭を撫でてくれた。

乃梨子「ソッカ、オボエテテクレタンダ・・・
    ウレシイ・・・」

圭一「なあ、1つ聞いていいか?
   最近何かおかしなことは無かったか?」

乃梨子「キノウ・・・ネ、
   アシオトガオオクキコエタノ」

圭一「!!!
   なるほど、そういうことか・・・
   そんなに・・なるまで・・・よく・・頑張ったな・・」

圭兄は何を言っているの?
わからない・・・

乃梨子「何のことを言ってるの」

圭一「いや・・・なんでもない」

ザクッ

圭一「ああああああああ」

乃梨子「ケイニイ・・・モットイタガッテ
    ソレデワタシノカラダヲツカンデ」

ザクッ

圭一「ああああああああ」

乃梨子「モットワタシヲサワッテ
    モットフレテ」

ザクッ

圭一「ああああああああ」

乃梨子「コノアタタカイヌクモリガホシカッタ
    ミテホシカッタ・・・・アナタニ」

ザクッ

圭一「・・・・・・・・・・・・・・・・」

乃梨子「サイゴニワタシヲオモッテ!」

圭一「・・・・・・・・」

乃梨子「ニクンデケイニイ・・・」

圭一「・・・・・・・」

乃梨子「ノロッテケイニイ」

圭一「・・・・・・・・」

乃梨子「ソシテネ・・・ワタシダケヲカンガエテ●ンデ」


圭兄はもう二度と動かなくなった。



乃梨子「カッタ、カッタンダ!!!
    ワタシハリカニカッタンダ!!!
    モウケイニイハダレニモワタサナイ!!
    リカニモ!!!
    ヨウコサマニモ!
    ミオンサンヤレナサン、サトコサンニモ!!!
    ダレニモワタサナイワタシダケノケイニイ!!
    アーーーハハハハハハハハハハハハハ!!!
    アッハッハッハッハッハッハッハッ!!!!
    アーーーッハハハハハハハハハハハハハ!!!
    アーーーッハハハハハハハハハハハハハ!!!」

火はもうこの部屋まで来ていた。
火はすぐに私と圭兄の身を包んだ。
それはしいて言うなら煉獄の炎、
罪を裁く断罪の炎、
私はその炎に包まれると正気に戻るような感覚に包まれた。、
怖くなった死に対する恐怖ではない、
私がしてしまった事に対する罪の重さの恐怖だ。

乃梨子「うあああああああああああああああん!!!!
    うあああああああああああああああ!!!!!
    うああああああああああああああ!!!
    あああああああああああああああああああ!!!!
    ごめん、ゴメンね圭兄、ゴメンナサイ
    ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ
    ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、
    ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、
    ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、
    ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ
    ゴメン・・・ナ・・サ・・・イ・・・・・・・・・・」

そして、私の意識は闇に包まれた。





エピローグ【No:2715】へ続く


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