ここは祥子の別荘、当然祐巳ちゃんも一緒。
最近まったく雨も降らず、庭の草木からも悲鳴が聞こえそうな今日この頃・・・
庭(という広大な庭園)のお散歩中
「お姉様・・・アツイデスネ・・・」ふにゅ ふら
祐巳ちゃんは白いワンピースに麦わら帽子(初めて祥子の別荘に行来たとき仕様)はっきり言ってカワイイ!!
しかし、いつも元気な祐巳ちゃんが散歩途中に珍しくバテ始めたのだ。
いつもよりちょっと遠くまで来た事も原因だと思うのだが、最初に『草木が悲鳴』なんとか言っていたように、すでに気温は35度超、
まさかの祐巳ちゃんも熱中症に?大丈夫?
祥子といえば
「まったく!! 私なんか祐巳といるとき普通に体温は45度はゆうに超えていてよ?」
「祐巳の熱は私が請け負います!! バカ太陽!!」拳をプルプル
自分の頑丈さ(祐巳ちゃん絡みではまったく強くなったもんだ)は頭に無いようですが祐巳ちゃんのことはすごく心配、
しかし太陽にバカって・・・
「お姉様・・・なにぶつぶつ言ってるですか?」
「うえ?・・ああなんでもないわ、とりあえず車を近くまで呼んだから、とりあえず家に戻りましょう。
「すみません、いつになってもお姉様のご迷惑ばかりお掛けして」
家に帰った祥子と祐巳ちゃん。
「祐巳、とりあえずゆっくり寝ていなさい」
「はい、すみません。」
祥子は祐巳ちゃんのおでこに冷えたタオルを置き、微笑んだ
祐巳ちゃんもすごくうれしそう。
・・・・・
「あの・・・」
「なあに?」
「少し休みたいのですが・・・」
「そうね、ゆっくり休みなさい」
・・・・・・
「あの、休みづらいのですが・・・」
「なぜ??」
「その、お姉様にずっと寝顔を見られていると言う事と、お姉様の真っ赤な目と、なんか興奮した鼻息が・・・」
「あ、そうね、じゃ、気配を消すわ、そうすれば気にならなくってよ。付き添うのはあくまで祐巳が休むまで、ね?」
気配を消す?「・・・はい、とりあえず、それでいいです・・・」
祐巳ちゃん妥協したね、大人になったもんだ。
祥子の「はあはあ」いう鼻息も疲れには勝てず祐巳ちゃんは可愛く寝息をたてた。
その後、朝日が昇り、小鳥たちのさえずりが心地よく目覚めを即してくれる。
祐巳ちゃんといえばどっしりとした重みを感じ、まったく起き上がれない。
「な・なん?」
祐巳ちゃんがびっくりするのもわけないよね、だって、祥子ががっちり祐巳ちゃんに抱きついているんだら。
「おおお、お姉様!!! なにを!!!」
「祐巳が寝たのよ・・・だから私も寝たの・・・」
「とりあえず起きてくださいよ!」
祥子は ぽけ〜としつつ
「いや!!このぷにぷには、わたくしのだから!!」 ぐ〜〜〜
「ちょっ!!ぷ、ぷにぷにってなんですか!! 離してください!!」
「祐巳がすきなの!!」がば、ぐ〜〜〜
「うぐ!! なんと言うか・・その・ほんと・・もういいです・・・」
結局このまま祐巳ちゃんは寝ている祥子をぎゅっと抱きしめ、低血圧の祥子の起きる昼過ぎまでずっと一緒にすごしました。
祐巳ちゃん、ホントいい子だねえ。
ぜひとも私にも、て、あは。
その後、起きた祥子はまったく覚えていないようだったけどね、本当かな?
END
【リリアン女子大視聴覚室】
「どう?三奈子さん、ナレーションなんて初めてだったけど結構うまくいけたんじゃない?」
「良いも何も、最高です!!聖様!!」
「カメラアングル(隠し)も絶妙だったね!!」
「ですよね、結構苦労しました!!」
「これは絶対うける!!今度の学際は我が手中にありです」
聖と三奈子は きゃあきゃあぴょんこぴょんこしている
「本当に良かったですね」
聖・三奈「ええ、ほんとに って・・・」
「うああ!! 祐巳ちゃん!!」「祐巳さん!!」
「あの、私としてはお姉様との淡いメモリーなんです、そっとしておいてくれませんか?」
「しかし、報道の自由とゆう・・・」
祐巳ちゃんの背後に鋭いドリルが見えた
結局、聖と三奈はいじいじ
「祐巳ちゃん・・・ロサキネンシスになって、貫禄付いたね。」
「ですね。」
「あんなにかわいいのにね」
「まあ、ですね。」
「ほんと、三奈子さんや真美ちゃん、蔦子ちゃんがはまるのもわかる。」
「どうしてですか?」
「三奈子さんはともかく、蔦子ちゃんは高等部1学年の祥子の妹候補になる前から祐巳さん見ていた、真美ちゃんも。」
「そのようです・・・」
「やっぱり祐巳ちゃんのかわいさは不思議」
聖様は、そのあと、浮気の罪滅ぼし(?)なのか、いかに志摩子さんが素晴らしい妹なのかを延々と私に語ってくれた。
その後、たぶん私は感化されたのだろう、真美の声が聞きたく電話してしまった・・・