【3767】 大声を出せる○○江利子私、初めてなの♪  (千早 2013-09-22 17:01:45)


これはオリジナルの百合小説です
登場伽羅の小さい体育教師は山田 妙子(やまだ たえこ)と高校一年生の運動神経の悪い生徒は樟葉 風子(くずは ふうこ)です
〜手のかかる子ほど可愛い〜
うちは先生なのに背の低いせいで生徒からちゃんつけで呼ばれる
昔はよく注意したがいっこうに呼び方が治らないので今は諦めてる
そんなうちにはほっととけないというか気になる生徒がいる
そいつの名前は樟葉 風子
運動神経が悪くてどんくさい癖にテニス部に毎日まじめに出てる
風子の部活の顧問ではないから口をだしていいかわからず影から見てるばかりだった
でもそんなある日風子は夜遅くまで居残りをしていたからつい声をかけた
「なんだ、居残りか?あんまりこんつめるとよくないぞ」
「妙子ちゃん…私は運動神経が悪いから人一倍練習しないといけないと
駄目みたいなんだよね…」
風子は寂しそうに苦笑いをしたのを見てうちは風子の事がが愛おしくなった
「テニスの顧問ではないが練習のアドバイスぐらいだったらできるぞ」
「妙子ちゃんが練習を手伝ってくれるの?」
「うちにできるの事はこれくらいだからな
でもあんまりきたいに答えられるとは思えないがそれでいいか?」
「うん、妙子ちゃんが手伝ってくれるのならそれで満足だよ」
「それじゃあ、まずすぶりからを少ししてみろ」
「うん、こんな感じ?」
風子が数回素振りをしたのを見てうちは風子の後にまわると風子の手を掴んで腰に
手を回そうとしたが手が風子の腰に届かなかった…
「妙子ちゃん、どうしたの?」
「いや…なんでもない…」
うちは何もなかったように風子から離れた
「もう少し全体に力をむく感じにふってみろ」
「こんな感じ?」
風子は数回少し力を向いた感じでラケットを振った
それは先ほどよりもよくなっていた
「そんな感じだ」
うちはそれからに二十分くらい風子につきっきりで指導した
それからはいつものように風子を影から見守りながらたまにアドバイスを
する日が続いた
そんなある日風子がいつものように居残りをしている時間を見計らって
風子の様子を確かめに行ったら風子が膝を抱えて泣いていた
「風子、一体何があったんだ!?」
「妙子ちゃん…顧問の先生がこれ以上続けていても上手くならないから部活を
やめろって…」
「まさか、風子はそれでやめるつもりはないだろな!」
「だって仕方がないじゃない…上手くならないのは本当の事なんだから…」
「そういう事を聞いているんじゃない!風子が続けたいかどうかだ」
「そんなの続けたいに決まってるよ!」
風子は涙をぼろぼろ流して泣いていた
「ならうちが続けられるように風子を上達させてやる!」
「本当にやめなくていいの…?」
「当たり前だ!」
「妙子ちゃん…妙子ちゃん…」
風子は泣きながらうちに抱き着いてきた
うちは子供をいやすように風子の背中を優しく背中を撫でた
しばらくすると風子は自分から離れた
「それじゃあ、今日からスパルタの特訓で行くからついて来いよ」
「はい、どんな練習でもついていきます!」
それから休日はもちろんの事ながら放課後も夜遅くまでつきっきりで特訓に付き合った
特訓のかいがあってどうにか人並みに強くなる事が出来た
そして公式の試合に出ることが決まった
「聞いたぞ、試合に出られることが決まったんだってな」
「うん、これも妙子ちゃんのかげだよ
その…この試合に勝てたら…私の恋人になってください!」
風子は凄く緊張しているらしく俯いて体を震わせていた
「いいよ、風子が試合に勝ったらうちの恋人にしてあげる」
「本当に!?」
「本当だよ、そのかわり勝てたらだぞ」
「うん、絶対勝ちます!それは確定ですから」
「それなら試合楽しみにしているぞ」
「うん」
その時は風子が勝てると思っていたでも番狂わせの事態に陥ることになる
試合五分前にうちは風子に応援の為に会いに行った
「試合前で緊張していないか?」
「来てくれたんだ…うん、緊張なんかしていないよ」
少し顔を赤らめながら話す風子に少し違和感を覚えてうちは何か言うとすると
アナウスで風子の名前が呼ばれた
「ではもう行くね、見ていてよ、必ず私が勝って戻ってくるからね」
「ああ、必ず勝って戻って来いよ」
ゲームの流れは意外と風子の優勢で進んだ
でも少し風子がふらつていたのが気になり悪い予感を感じていた
その予感は的中することになる
ゲームは6−5でまでいってうちはほぼ風子の勝ちを確信した
でも風子がラケットを握ってベンチから立ちあがろうとする瞬間に突然地面に倒れこんだ
「風子!?」
うちは風子に駆け寄り抱き上げておでこを触ると凄い熱だった
うちは急いで風子を医務室に運んだ
もちろん、試合は風子の棄権で負けになった
「う…ん…妙子ちゃん…?そうだ、試合!?」
「試合のことよりも今は自分の体を治す事に専念しろ」
「私…試合に負けたんだね…せっかく妙子ちゃんと恋人になれるはずだったのに…
私って駄目駄目だよね…」
風子は悲しそうに俯いた
「次頑張ればれ、うちはいつまでも待っていてやるからよ」
「次ってまた機会をくれるの?」
「当たり前だ、うちはいつまでも待っていてやるよ
それからこれは風子が頑張ったご褒美だ」
うちは風子の頬を触りそのまま右の頬にキスをした
「こんなのご褒美もらったら嬉しすぎて涙がでちゃうよ…」
風子は涙を流しながら微笑んだ
「よし次こっそは必ず勝って妙子ちゃんの恋人になるからね」
そしてその宣言の通りに次の試合は風子の圧勝で勝った
こうして風子とうちは恋人になった
学校の先生と生徒ってことでおおやけには公表できないけれども
それでもうちらは幸せのカップルだと思う
なぜならお互いに大好きだから…
〜終わり〜


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