【795】 やっぱり祐巳が好きユミユミ詐欺  (アヤ 2005-11-01 22:35:39)


3回のコール音のあと、祥子は電話に出た。
「はい、小笠原でございます」
「福沢と申します。祥子さまはいらっしゃるでしょうか?」
「まぁ、祐巳なの?」
「はい。あの、お姉さまに少しお話したいことが・・・」
「何かしら?」
「実は、ちょっと、事故してしまって・・・」
「祐巳は大丈夫なの!?」
「私は大丈夫なんですが、相手が・・・それで、少しお金が必要なんで、
 ○○の口座に振り込んでいただけますか?」
「わかったわ。祐巳が無事なら、それでいいわ」
    がちゃん


瞳子は、ワンコールで電話に出た。
「はい、松平瞳子ですわ」
「あ、瞳子ちゃん?私、ユミだけど」
「ゆ、祐巳さま!?」
「瞳子ちゃん、突然で申し訳ないんだけど、お金貸してくれるかな?」
「え?ええ、祐巳さまのためならっ!」
「ありがとう。じゃあ、××銀行に振り込んでおいてね」
    がちゃん

可南子の場合、男対策のナンバーディスプレイがあるので、0.03秒で出た。
「もしもしっ!細川ですがっ!」
「あ、可南子ちゃん?ユミだけど」
「祐巳さま!何か連絡が?」
「ううん。ちょっと、用事があって」
「用事?」
「あのね、今ちょっと、お父さん倒れちゃってね、家計ピンチなの。
 お金、貸してくれるかな?」
「是非!」
「じゃあ、○×信用金庫に振り込んでね」
     がちゃん









「ふー、なんとか集まりそう」

「あー!祐麒!あんたが電話持ってたの!?貸して!」

(まさか、祐巳のフィギュア作りのために、借金作ったなんて、言えないからな・・・)


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