がちゃS・ぷち

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No.1158
作者:朝生行幸
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2006-02-21 19:54:15
萌えた:1
笑った:17
感動だ:1

『瞳子気がつけば』

 いつものように、放課後の薔薇の館。
 山百合会の助っ人、演劇部所属の松平瞳子が、サロン兼会議室にただ一人。
 今日は掃除も部活動もなかったので、早めに来過ぎたかなと思っていたら、案の定誰もいなかった。
 取り合えずザっと掃除して、お茶を淹れるために湯を沸かす。
 手持ち無沙汰なので宿題に手を付けたところに、階段を上がる軽快な足音。
「ごきげんよう、黄薔薇のつぼみ」
 ドアが開くと同時に現れた、ロサ・フェティダ・アン・ブゥトンこと島津由乃に挨拶する瞳子。
「ごきげんよう瞳子ちゃん。今日も縦ロールが決まってるわね」
「はぁ、ありがとうございます」
 いきなりの誉め言葉に、困惑する。
「ところで、一人だけ?」
「はい、由乃さま以外は未だ誰も」
「そう」
 そのまま由乃も、瞳子と同じように宿題に手を付けたところで、階段を上がる豪快な足音。
「ごきげんよう、黄薔薇さま」
「令ちゃん」
 ドアが開くと同時に現れた、ロサ・フェティダこと支倉令に挨拶する瞳子、由乃。
「ごきげんよう瞳子ちゃん。今日も縦ロールが良く似合ってるよ」
「はぁ、ありがとうございます」
 いきなりの誉め言葉に、困惑する。
「ところで、二人だけ?」
「はい、お二人以外は未だ誰も」
「そう」
 そのまま令も、瞳子、由乃と同じように宿題に手を付けたところで、階段を上がる規則正しい足音。
「ごきげんよう、白薔薇さま」
「ごきげんよう志摩子」
「ごきげんよう志摩子さん」
 ドアが開くと同時に現れた、ロサ・ギガンティアこと藤堂志摩子に挨拶する瞳子、令、由乃。
「ごきげんよう瞳子ちゃん。今日も縦ロールが弾んでいるわね」
「はぁ、ありがとうございます」
 いきなりの誉め言葉に、困惑する。
「ところで、三人だけですか?」
「はい、今のところ、この人数です」
「そう」
 そのまま志摩子も、瞳子、令、由乃と同じように宿題に手を付けたところで、階段を上がる大人しい足音。
「ごきげんよう、乃梨子さん」
『ごきげんよう乃梨子ちゃん』
「乃梨子」
 ドアが開くと同時に現れた、ロサ・ギガンティア・アン・ブゥトンこと二条乃梨子に挨拶する瞳子、令、志摩子、由乃。
「ごきげんよう瞳子。今日も縦ロールが麗しいね」
「はぁ、ありがとうございます」
 いきなりの誉め言葉に、困惑する。
「ところで、四人だけ?」
「はい、今のところ、この人数です」
「そう」
 そのまま乃梨子も、瞳子、令、志摩子、由乃と同じように宿題に手を付けたところで、階段を上がる静かな足音。
「ごきげんよう、紅薔薇さま」
「ごきげんよう祥子」
『ごきげんよう祥子さま』
 ドアが開くと同時に現れた、ロサ・キネンシスこと小笠原祥子に挨拶する瞳子、令、志摩子、由乃、乃梨子。
「ごきげんよう瞳子ちゃん。今日も縦ロールが美々しいわね」
「はぁ、ありがとうございます」
 いきなりの誉め言葉に、困惑する。
「ところで、これで全員?」
「はい、今のところ、この人数です」
「そう」
 一応ある程度の人数は集まったので、そろそろ仕事に移ろうと書類を準備し出したところに、階段を上がる落ち着いた足音。
「ごきげんよう、可南子さん」
『ごきげんよう可南子ちゃん』
「ごきげんよう可南子さん」
 ドアが開くと同時に、現れた同じく山百合会の助っ人細川可南子に挨拶する瞳子、祥子、令、志摩子、由乃、乃梨子。
「ごきげんよう瞳子さん。今日も縦ロールが素晴らしいわね」
「はぁ、ありがとうございます」
 いきなりの誉め言葉に、困惑する。
「遅くなって申し訳ありません」
「大丈夫よ、始めたばっかりだから」
「そうですか」
 そのまま可南子も、仕事に参加したところで、階段を上がる落ち着かない足音。
「ごきげんよう、祐巳さま」
「ごきげんよう祐巳」
『ごきげんよう祐巳さん』
「ごきげんよう祐巳ちゃん」
『ごきげんよう祐巳さま』
 ドアが開くと同時に現れた、ロサ・キネンシス・アン・ブゥトンこと福沢祐巳に挨拶する一同。
「ごきげんよう瞳子ちゃん。今日も縦ロールが目立っているね」
 その祐巳の誉め言葉を最後に、
「もう、さっきから何なんですか?人の『ドリル』を縦ロール縦ロールって!?」
 とうとう瞳子がキレた。
「私のトレードマークと言うべき麗しの『ドリル』を、縦ロール呼ばわりされるなんて迷惑ですわ!」
『………』
 全員、瞳子の言葉に絶句した。
「あのー、瞳子ちゃん?」
「何ですか!?」
 見かねて祐巳が確認する。
「ドリルじゃなくて、縦ロールだよね?」
「ですから、縦ロールではなくドリルと言ってるではありませんか!」
 その言葉に、
『逆だよオイ』
 全員、突っ込まずにはいられなかった。

 あまりにもドリルドリルと言われ続けたが故、いつの間にか認識が逆転していた瞳子だった。


(コメント)
朝生行幸 >うーん、オチが弱い…。修正するかも。(No.6802 2006-02-21 19:54:46)
沙貴 >朝生さまの連ボケ(?)シリーズは読み進めるのが本当楽しいです。(No.6804 2006-02-21 20:46:14)
OZ >は!!そういえば・・・普通に「ドリル」になってます。 これは、サブリミアルなのか!!(No.6808 2006-02-21 21:17:55)
投 >ドリルの名称はきっとデフォルトです(No.6813 2006-02-21 22:37:58)
ラッツ >聖様もドリルと言ってたし。(No.6822 2006-02-21 23:45:11)
にゃ >なんて言ったっけ……インプリンティング? いや〜、テンポがあって面白いなぁ〜。(No.6827 2006-02-22 01:45:23)
六月 >怒李鏤とは古代中国の武器であり、防御用の盾狼鏤と対を成し歴代皇帝を守護してきた神器であると言われている。民民書房刊「兵器の変遷史」(No.6920 2006-02-22 23:48:46)
ちょい >1セクションごとのテンポの良さが、そのまま読みやすさに繋がっていていいな、と思うのです。  六月さん、それは民民書房じゃなくて民明書房では?(No.6925 2006-02-23 00:12:46)
六月 >_| ̄|○ (No.6927 2006-02-23 00:39:29)
朝生行幸 >つまり瞳子は、攻防一体ということですな(笑)。(No.7844 2006-03-10 11:31:03)

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