がちゃS・ぷち

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No.2991
作者:パレスチナ自治区
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2009-07-24 17:04:19
萌えた:2
笑った:5
感動だ:0

『かなりヤバい醒めない夢』

ごきげんよう。昨日今日と時間が余っているので、今までためていた妄想を消費したいと思います。
今回は【No:2854】「暴走!暴走!大暴走!」の続きです。
前回以上に暴走したいですね。
祥子様はこんなんじゃないという方々、かなりの危険物質なのでご注意を。

某県の片田舎にある小笠原グループの科学研究所。
ここで再び科学の歴史に革命の1ページが刻まれようとしていた。
「ふふ…ふふふふ…あはははは!!」
「祥子様、気持ち悪すぎですよ…」
祥子様は涎まで垂らして下品とも邪悪ともとれる薄気味悪い、いや、最悪に気持ちの悪い笑みを浮かべている。
かつてリリアンの女の子たちに『紅薔薇様』と崇められ、皆の尊敬を集めた絶世の美少女だったとは到底思えない。
何日もまともに食事をしておらずかつ睡眠時間もほとんどない彼女は、眼の下にはクマ、美しいはずの豊かな黒髪はぼさぼさ、まともに風呂に入ったのはどれくらい前の事なのか…
「出雲ちゃん、上司に対して失礼でしょ?フニャフニャのメタメタにしちゃうわよ?」
「すみません、すみません。それだけは勘弁してください」
はあ、いいアルバイトがあるわって、ここに連れてこられて早数か月、小夜子様と遊びに行くために少しお小遣いが欲しかっただけなのに…
はあ…小夜子様に会いたいです…
「わかればいいのよ、わかれば」
「………」
「はあ…我ながら天才だわ。高速がだめなら空を飛べばいい。なんて素晴らしい発想なのかしら…これで祐巳は私にメロメロ……うふふふ…あーーはっはは!!」
「………気持ち悪いな…やっぱり」(小声)
例に漏れず前回同様研究員たちは怯えている。
可哀そうに…無理やりここに連れてこられて(ていうか誘拐・監禁ですよ)、寝る間もなく働かされて、終いには怯えさせられて…時給が半端じゃなく多いのがせめてもの救いですね…
「出雲ちゃん、トロトロのヘロヘロにされたい?」
「……!!!いいえ滅相もないです!!何も言っていません!!」
この人なんでこんなに地獄耳なんだろう!!
あ、みんな私の事を憐れむような目で見ている…よかった私は一人じゃない!
「……それで」
「うん?何かしら?」
「前回同様実験は祥子様が?」
「ふふふ、何をおっしゃるうさぎさん。何のために今回はスポーツカータイプにしなかったと思って?」
やな予感です…
「あのう…まさか…」
「ええ、そのまさかよ!みんなでタイムトラベル出来たら最高じゃない!!祐巳に内緒なのが残念なのだけれど」
「そんな…私は……」
「出雲ちゃんが私の夢の実現のために頑張ってくれたのだもの。当然ご褒美をあげなくてわね」
イヤーーーーー!!
死んじゃうかもしれない!!だって今回は…
「あ、あのう…私は遠慮します」
「何言ってるの?強制よ」
「それじゃあご褒美じゃありませんよ!!」
「うふふ、遠慮しないで。さあ『ユミリアン』新型機のお披露目よ!!」
相変わらずネーミングセンスがないです…皆無です…

じゃーん!!(ババーン!!の方がよかったかな?)

「………」
「ふふふ…素晴らしいわ、最高だわ…ねえ出雲ちゃん?」
「………ええ、そうですね」
「嗚呼、カッコいいわ…」
確かにカッコイイと思うんだけど、ベースになった乗り物が…
「ふふふ、貴女の名前は『ユミリアン スカイジェット どきどきマックスハート零U』よ!!」
「はい?」
「だから『ユミリアン スカイジェット どきどきマックスハート零U』よ。出雲ちゃんも復唱して?さんはい!」
「ゆ、ゆみりあん スカイジェット ど、どき…どきま、まっくすはーとぜろつー…」(最後の方は消え入るように)
恥ずかしい!!何この名前?!ネーミングセンス零だよ!
「なによ、出雲ちゃん。そんなに恥ずかしい名前かしら?お母様は喜んでらしたのに…」
清子おばさま、何祥子様に賛同しているんですか?!貴女がこの人を止めないでどうするんですか!!おじさまは既に祥子様に怯えていて何の頼りにもならないっていうのに!!
もしかして祥子様がこんななのは遺伝なのかも…それじゃあダメか…ハア…
さて話を「ユミリアン スカイジェット どきどきマックスハート零U」の方に戻しましょう(本当に嫌な名前…何がどきどきマックスハート零Uだよ)
もうお気づきの方が多いと思いますが、今回はベースが飛行機です。小型旅客機です。
本当はセスナ機にしようという案があったのですが、タイムトラベルに必要な140キロはセスナ機でなくてもいいのではという意見があり、自我が強い祥子様にしてはあっさり折れてくださいました。
その理由がみんなでタイムトラベルしたいなんてとんちきな考えだったなんて…そもそもこの人飛行機操縦できるのかな…
我儘な祥子様の事だ。きっと操縦は私が…て言うに違いない。
……死ぬ前に小夜子様にもう一度会いたかったです…
研究員の人たちはやっぱり呆然と私たちを見ている。ごめんなさい、ごめんなさい。
このばk……人を止められる人は水野蓉子様しかいないんです…

数日後…
はあ…今日が私の命日ですか…さようならキセルさん、綾菜さん、直美さん、お母さん…貴女たちの事は心の底から愛していました。
そして小夜子様…あともう一度貴女にギュッとしてもらいたかったです。
今日の祐巳様は瞳子様とベイユ様を連れて遊園地だそうです。
祐巳様のせいではないのですが、なんだか納得できません。

待ち合わせ場所は小笠原邸。「みんなでタイムトラベル」というのが気になる。
そして…
「あら、出雲、久し振りじゃない」
「あ、由乃様!」
なんで?
「祥子様に誘われてね、昔のよしみってやつで」
「はあ…」
「令様もごきげんよう」
「うん、ごきげんよう。はあ…祥子があんなに嬉々としているなんてきっとロクなことじゃないよな…」
「令様…(御名答です。でも正解だって教えてあげません。旅は道連れ…ですから…)」
すでに遠い目をしている令様。今まで相当苦労しているんでしょう。そして今回何が起こるか本能的に予知できているんですね。そんな能力を身に付けて…お可哀そうに…
しばらくして志摩子様、乃梨子様、佐藤聖様がやって来た。
「久し振りね、出雲ちゃん。元気にしてた?」
「…ハイ。ぼちぼちです…」
「?あんまり元気じゃなさそうだけど…まあ、小夜子も最近出雲ちゃんに会えなくてさみしそうだったよ」
「そうですか?それは嬉しいです」
それだけがせめてもの救いです…
「いーずもちゃん!!」
「ひゃう!」
「あはは〜。可愛い反応♪」
「何をするんですか?!」
「何ってスキンシップだよ。う〜ん祐巳ちゃんみたいに柔らかい♪」
「やめてくださいよ〜」
「出雲ちゃんって本当に白薔薇家?抱き心地とか反応とか紅薔薇っぽいけど」
「うう〜…嫌です〜」
「いいじゃん、いいじゃん」
だ〜れ〜か〜た〜す〜け〜て〜
「聖様!!出雲から離れてください!!これ以上触ると爪という爪をはぎ取って貴女にそれを飲ませます!!」
「小夜子様!!」「さ、小夜子ちゃん」
「「「「………」」」」
さらっと恐ろしいことを言った小夜子様をみて聖様以外は声を上げることが出来ない。
「小夜子様どうしてここに?」
「どうしてって最近貴女が祥子様に拉致されてるって噂を耳にしてね、今日お姉ちゃんたちが祥子様の家に行くっていうからこっそりついてきたの」
「小夜子様…」
私の事を抱きしめてうっとりとそんなことをいう小夜子様。幸せです。
「お姉ちゃん、どうして私に黙っていたの?」
「ご、ごめん小夜子…内緒にしてくれって祥子様が…」
「……あの女…」
私を抱きしめながらどすの利いた声で呟く小夜子様…今までで一番怖かった…

「みんな、集まったわね」
「祥子…危ないことをするんじゃないだろうね?」
「あら、令。そんなはずないじゃない。小笠原に不可能はないわ」
何処から来るんだろう、その自信…
「んで祥子、今日はなにするの?」
「ふふふ、聖様よくぞ聞いてくれました。今日は世紀の大実験に立ち会っていただくためにみなさんに集まってもらったの」
「世紀の大実験?」
「ええ…タイムトラベルの実験よ!」
「「「はあ?!」」」「「ええ?!」」「……ばかばかしい…そんなことのために私の出雲を…」
前三人は聖様、令様、乃梨子様。真ん中は志摩子様、由乃様。最後の闇のオーラマックスは小夜子様。
「…今変な科白が聞こえた気がするけど…まあいいわ。みんな車に乗って頂戴!実験会場に向かうわ」

リムジンに乗って小笠原のプライベートエアポートに向かう。
「ああ!ブランコですよ!中日の!サイン欲しいな〜」
「はあ?!出雲ってば中日ファンなの?信じらんない!!野球は三振かホームランよ!!近鉄最高!!」
「ブランコだって三振かホームランじゃないですか…それに近鉄はオリックスと合併して消滅しましたよ、由乃様」
「フン!それがどうしたっていうのよ!!近鉄は永遠に不滅よ!!」
はあ…この人とは、興奮し始めたこの人とはどうしても会話が成り立たない。
そういうところは確かに「バファローズ」っぽい。こんなこと本人には言えないけど…
「それより由乃ちゃん、その黒い包みは?」
私はあれを見た事がある。あの中には日本刀が入っている。軽いトラウマです。
「この中ですか?この中には私の愛刀「村雨ジュニア」が入っているんですよ」
「ジュニア?じゃあその前のはどうなさったの?」
キョトンとした表情で志摩子さまも質問に加わる。
「ええ、ジュニアの前にも刀を持っていたわ。だけど「村雨一世」以前は「村雨」って呼んでたんだけど、ためしに鉄板を切ろうとしたら折れちゃってさ」
「なんでそんなことしようと思ったの…?」
「なんでってやってみたかったからよ」
「そりゃそうだけどさ」
「それでね、悔しくて悔しくてそれはもう必死に修行したわ。もう一回挑戦したら今度はうまくいったわ。最高の気分だったわ。それでこの子に「村雨ジュニア」ってつけたの」
「あのう、一世はどうしたんですか?」
「あの子は大事に道場に飾ってあるわ。この子以上に大切だもの。私をさらなる高みに導いてくれた子だもの」
いいお話なんですが…
「どうしてそれを持ってきているんですか?」
「よくぞ聞いてくれたわ!タイムトラベルして過去の私と家族に会ってさっさと手術するように言うのよ」
「由乃!それを使って脅すの?!」
「はあ?何言ってるのよ令ちゃん。脅すだなんて、説得するだけよ」
「それを脅しだって言ってるの!馬鹿な真似はやめなさい!」
「フーン、今日の令ちゃんはいつにもまして強気ね。でもさ、私が元気になるのがそんなに嫌なわけ?言ってみなさいよ!!」
「村雨ジュニア」に手をかけて令様を睨みつける由乃様。かちゃりと嫌な音がした。
っていうか「村雨ジュニア」ってセンスの悪い…山百合会の人たちってみんなこう?
でも小夜子様はそんなことないし、咲様だって…そういえば咲様こんな人と私と出会う前から付き合っていたんだ…咲様もかわいそうな人だな…
「ま、まあ、百万歩譲ってそのやり方が説得だとして、どうして由乃ちゃんは過去の由乃ちゃんに手術させたいの?」
「百万歩ってどういう意味ですか?まあいいわ。早く手術して早く元気な体を手に入れておけばもっと強くなれるでしょ」
みんな絶句していた。これ以上強くなってどうするんですか?由乃様。

数時間して空港に着きました。
はあ、悪夢です。
「へえ〜これがタイムマシン」
「はい、聖様。『ユミリアン スカイジェット どきどきマックスハート零U』ですわ」
「は?ぷっ…あはははは!それこれの名前?!センス悪〜!あはははは!!」
「ほんと!センス悪すぎですよ祥子様!!」
由乃様、貴女も人の事は言えませんから…
「もう!二人ともひどいわ!お母様も出雲ちゃんも賛同してくれたのに!!」
!!!?私は賛同していません!みなさんそんな顔して私を見ないで!!
「出雲、貴女それは…」
「小夜子様、違います!!私はこれの名前を聞いたとき、頭が痛くなったんですから!!本当です!!信じてください!!!」
「ええ…わかったわ」
「……っほ。よかった…」
「出雲ちゃん、今度レロレロのロリロリにしちゃうから」
「ええ?!」
「祥子様!出雲を監禁しておいてまだそんなことするつもりですか?!そんなことしたら爪という爪をはぎ取って……」
「わ、わかったわ。私が悪かったわ…」
ふぅ…今日の小夜子様はちょっと過激です。

「さあ、もうすぐ夢のような体験が実現するわ♪」
嬉しそうな祥子様。やっぱり操縦は彼女がすることに…

デスフライトの始まりです…

滑り出しは順調でしたが、だんだんエンジンが変な音を立てて…
「祥子様!!いったいどんな改造を?!」
「速度がもっと出るようにしたんだけど、なんかへんね」
「当たり前です!!すでに小型旅客機が耐えられない速度が出ています!!速度を抑えてください!!」
「無理よ!!操縦不能だわ!!」
「ふざけんな、馬鹿祥子ーーーーー!!!」
「なんですって?!出雲ちゃん!!」
「祥子!左のウイングが!!」
墜落するーーーーーー!!

ぎゃーーーーーーーーーーーーー!!!!

がばっ!!
はあはあ…夢落ち?夢落ちなの?
周りを見渡せばクジラさんやクマさんが優しく微笑んでいる。
そしてなぜか私の横には幸せそうに眠る小夜子様…ああそうか…小夜子様が泊まりに来ているんだ…
小夜子様がせっかく夢に出てきたのに、なんて夢なんだ…
しかし、夢でよかった…
安心して眠ろうとした、その時…

ぴぴぴぴ…
携帯電話が鳴った。
相手は祥子様。
こんな時間になんだろうと恐る恐る電話に出ると…

『出雲ちゃん、こんばんわ。あのねついに「ユミリアン スカイジェット どきどきマックスハート零U」が完成したの!今車を出雲ちゃんちに向かわせているから早く来て!』
ぷっ…つー、つー

ウソでしょう?


戯言
夢落ちっていうやつをやってみたかったです。だから満足です。
自治区的には前回より暴走できたと思っています。
なお「出雲シリーズ」とこのお話は関係あるようでありません。本篇で使ったエピソードが出てきてはいますが…
あんまり科白は無かったですけど伝説の三薔薇初登場です。
白薔薇家が好きなので白薔薇家フル出場です。わかりにくいですけど…
飛行機の速度など矛盾点があるのは分かっていますが、そこはコメディーということで勘弁してください。
そういえば、がちゃS、もうすぐ3000話ですね。
凄いです。



(コメント)
LAND > 3000話目はだれが書くのでしょうね、楽しみです。(No.17788 2009-07-24 19:44:48)
パレスチナ自治区 >私も楽しみです。(No.17791 2009-07-24 22:28:38)

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