がちゃS・ぷち
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No.3155
作者:bqex
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2010-04-06 13:07:56
萌えた:1
笑った:6
感動だ:4
『令にそんなこと言われても』
もしも桂さんが勇者だったら
※今回は『マリア様がみてる 私の巣』のネタバレのようなものがありますが、重要なネタバレではありません。(たぶん……)
最初から【No:3054】
->セーブしたところから【No:3060】【No:3063】【No:3070】【No:3073】【No:3081】【No:3085】【No:3098】【No:3104】【No:3114】【No:3116】【No:3118】(黄)【No:3119】(白)【No:3120】(紅)【No:3124】【No:3136】【No:3140】
【これまでのあらすじが暴走気味なので祐巳さんが軌道修正に来たようです】
桂さん、蔦子さん、真美さん、ちさとさんは勇者としてリリアンを救うため山百合会と戦い、敗北してしまったため、逆行して一年前の世界で我がお姉さま小笠原祥子さまを倒すため助っ人を集めて、さあ、対戦というところです。
ん? 何? 由乃さん。……え? 令さまの事忘れてないかって? や、やだなあ。そんなことないよ。
そ、そんな、「黄薔薇はいらない子」だなんて、被害妄想だよ。『私の巣』の事は忘れて、バトルしよう。ね?
薔薇の館前。
「わかっているでしょうけれど念のために言っておくわ。私たちは昨年残念なことに、我が偉大なお姉さまである水野蓉子さまに苦杯をなめてしまったけれど、私たちは今日までの間、臥薪嘗胆の思いで我が身を省み、必死に訓練を積んできたのよ。もう、私たちは水野蓉子さまのいないあなたたちでは簡単に勝てるような相手ではなくってよ!」
祥子さまが言う。
「ぶっちゃけ、負けたペナルティでレベルを下げられたので、一からデータを組み直して、レベルアップし直したんだよね」
祐巳さんが言う。
「祐巳っ! そういうことを言うのはおよしなさい!」
「す、すみません。お姉さま」
祥子さまに睨まれ、祐巳さんはペコペコと謝る。
「みんな、行くわよ! まずは『温室に呼び出し』で『いたっ!』発動! 『カマドウマの領域』さえ展開してしまえばこちらのものよっ!」
祥子さまが動く。
「隠しクラス『大叔母』のスキル『金輪際許さなくってよ』使用! このスキルは指定したスキル自体を一日一回だけなかったことにできる! 指定スキルは『いたっ!』。これで、どちらの陣営も『カマドウマの領域』は展開できない!」
環さんがすかさず宣言した。
「そ、そんな横暴なスキルが許されてたまるもんですかっ!?」
祥子さまは動揺した。
「『大叔母』なんてそんなもんですよ……」
乃梨子ちゃん、百ちゃんが目を伏せながらハモる様に呟いた。
「ちょっとおっ、私に不満があるのっ!?」
環さんが百ちゃんをじろりと見る。
「ま、まさか!」
百ちゃんが慌てて手と首を振る。
乃梨子ちゃんが小さく「気の毒に」と呟いていた。
「『黄薔薇真剣勝負』で攻撃力上昇!」
「『銀杏の中の桜』! これで魅了状態に!」
薔薇さまたちは戦闘前行動で予定通りのスキルを使ってきた。
淡々と一同は抵抗する。
「『ファーストブレイク』で先手をとる!」
ターンの最初に割り込めるスキルを多数の者が宣言したがパラメータの関係で桂が最初に行動することになった。
「勇者スキル『頼むぜ!』使用! このスキルを使用する時に自分のパーティーメンバーを指名する! 指名されたメンバーは通常のターンにとれる行動をとることが出来る。行動後、『頼むぜ!』を使用したものは行動済みになるが、指名されて行動したものは行動済みにならない! このスキルで指名するのは……百ちゃん!」
ふふ、と笑って百ちゃんは前に出た。
「な、何を……」
百ちゃんはアイテム『おにぎり・梅』を出した。
「あああっ!!」
悲鳴をあげて、頭を抱え込んで祐巳さんがしゃがみ込んだ。
「あれは白薔薇スキル『授業時間を犠牲に』で特殊効果を無効に出来ないペナルティを与えるアイテムっ!!」
乃梨子ちゃんも気づいたらしく、真っ青になった。
「由乃さん! アルケミストのスキルであれを止めてっ!」
「ごめん! 他のスキル取らなきゃいけなかったんであのスキルはハズしたの……」
がっくりと落ち込む由乃さん。
「あ、アイテムも回避できる『ビスケットの扉前』を!」
志摩子さんがスキルを使用しようとする。
「駄目ですよっ! まだ、アイテムの使用宣言がなされていません!」
乃梨子ちゃんの指摘で志摩子さんが「あっ」と声を上げた。
それほど焦っていたということになる。
「アイテム『おにぎり・梅』をアルケミストのスキル『エキストラクリエイト』で使用効果を複数に書き換えます!」
百ちゃんが宣言する。
「『お蔵入りパン事件』で『エキストラクリエイト』は取り消し!」
動揺して祐巳さんはここでスキル打ち消しスキル『お蔵入りパン事件』を使用した。
「その『お蔵入りパン事件』は私の『お蔵入りパン事件』で取り消すわね」
ちさとが宣言する。
「『黄薔薇☆絵日記』で──」
令さま、由乃さんがスキルを使用するが、『お蔵入りパン事件』を持つシーフばかりの勇者パーティー相手にかなうわけがなかった。
「まだ諦めてはいけないっ! 全員、何が何でも抵抗するんだっ!」
令さまが激励する。
「では、山百合会パーティーに『おにぎり・梅』を……使用!」
百ちゃんは宣言した。
「うわあああっ!!」
「『おにぎり・梅』。このアイテムは使用した直後はHPが満タンになる。しかし、誰かが行動するたびにHPが10ずつ減少し、しかもその回復は『おにぎり・梅』以外では回復できなくなるという中毒性のある恐怖のアイテム! そして、アイテムへの抵抗は『器用値』で行われるっ!!」
環さんが解説する。
「まあ、これらの効果の持続期間は一日しかありませんけどね」
百ちゃんが補足する。
「『ビスケットの扉前』!」
「『お蔵入りパン事件』!」
乃梨子ちゃん、脱落。
「実際の器用さと『器用値』の違いを見せてあげるわ! 強さの証『黄薔薇ポイント』全て使用し、アイテムに対抗するためのスキル『マイスター』使用!」
「『お蔵入りパン事件』」
由乃さん、撃沈。
「もう、『お蔵入りパン事件』は使いきったはず。知力値で判定する『ウィズダム』を使用! これならなんとか」
「『お蔵入りパン事件』!」
「い、一体何人がそのスキルを持ってるのっ!?」
祥子さま、ガッカリ。
「スキルを使えば消されるようね。でも、『白薔薇ポイント』すべて使用で……ああっ!」
志摩子さん、アウト。
「『紅薔薇ポイント』すべて使用! 器用値で判定なら何とか……ぎゃあっ!! 1P届かなかった!」
祐巳さん、沈没。
「アイテム『ぬか漬け』使用! このアイテムは『おにぎり〜』とつくアイテムを使用する時に同時に使用することでHP回復以外の効果を食い止めることが出来るっ!」
令さま、回復のみで留まる。
「よくもまあ、そんなシブいアイテムを持っていた事」
祥子さまが言う。
「うちのモモッチも常備してますけど?」
環さんが言う。
「……」
これで、令さま以外がアクションを起こす度にHPが10P減るという展開になる。
次は同じく『ファーストブレイク』で割り込んだ美冬さまの番である。
「勇者スキル『みんな行くぜ!』使用! これから同時に使用するスキルを持つものは『行動済み』『未行動』の区別なく私と同じタイミングでスキルを使用でき、なおかつ『行動済み』にならないっ! 使うスキルは『シャドウ』!」
美冬さまが隠密スキルを使用した。
桂、蔦子、真美、ちさと、笙子ちゃん、三奈子さま、日出実ちゃん、可南子ちゃん、そして瞳子ちゃんまでもが姿を消した。
「こ、こんな状況で……」
令さま以外のHPが一気に100P減った。
更に、割り込んできた蔦子さんの番になる。
「どうしようかな〜……全員の攻撃力を上げようかと思ったんだけど、一気にカタをつけるなら、全体攻撃をひたすら繰り返せば、回避されてもこっちと山百合会の皆さまが行動する回数分HPが減るよね」
「ぎゃ〜っ!!」
「じゃあ、それで行こう。闇属性攻撃魔法『ダークストーム』を魔術強化スキル『マジックサークル』で強化、それを魔術効果全体拡大スキル『ブラスト』で山百合会の皆さんに!」
「『白ポンチョ』でダメージをなかったことに!」
同じく割り込んできた勇者パーティーの面々が全体攻撃を繰り出していく。
「ダメージ増大スキル『スマッシュ』を『バーサーカー』で全体に!」
「白薔薇スキル『白ポンチョ』!」
「モンクの全体攻撃スキル『毘沙門』をモンクの『自分応援団』で強化して発動!」
「白薔薇スキル『羊の中の狼』でダメージを全て消す!」
「『サモン・ピグマリオン』で召喚獣召喚! 追加スキル『静かなる夜のまぼろし』で八体召喚可能!」
「ストップ! その場合、ルール的にどうなるの?」
由乃さんが確認する。
「今のは私の行動ですから、普通に消費HP10Pです。しかし、これからスキルを共有する召喚獣の行動が始まります。八体分」
瞳子ちゃんが答える。
「召喚されたら合計170P減って、更に80P……」
「し、仕方ない。回数限定スキル復活のスキル『リベンジ』で『お蔵入りパン事件』を復活させて瞳子ちゃんの『サモン・ピグマリオン』を取り消す!」
祐巳さんが瞳子ちゃんのスキルを消した。しかし。
「すみません、今のでHPがなくなりました。HPが0になった時に強引に行動出来るスキル『推理小説同好会』があれば反撃できたのに、取ってませんでした」
乃梨子ちゃん、戦闘不能。
「乃梨子がいなくなったら『可愛い乃梨子が側にいる』の効果が切れてパラメータが全て10も下がってしまう」
志摩子さん、心配どころはそこでいいのかい?
「ごめんなさい、私も次でHPがなくなるわ」
祥子さまが目を伏せた。
「次は私の番よっ!」
割り込んだ由乃さんの番になる。
「最後の賭けに出るっ! アルケミストのスキル『びっくりチョコレート』を錬金術拡大スキル『グレートマテリアル』で山百合会パーティー全員に! ちなみにこれはアイテムに対するスキルだから、減るHPは10に留まる!」
「なるほど! 『びっくりチョコレート』の効果で武器にHP増大効果やHP減少効果を止める効果が加われば、危機を回避できるっ!」
「しかし、これはスキルを使う者はスキルの効果が選べないから都合のいい効果が出るとは限らない……」
「たしかに、賭けね」
由乃さんのスキルの効果が現れた。
祥子さまの武器『おがさわら【さちこ】ですが、なにか?』(という名のゴージャスなロッド)への効果『攻撃力上昇』
「魔術攻撃がメインの私の武器に『攻撃力上昇』が来ても意味がなくってよ!」
祥子さま、ご機嫌斜めどころではない!
令さまの武器『草薙の剣』(とマジックで竹刀に書かれているだけにしか見えない剣)への効果『攻撃効果を魔術扱いにできる』
「微妙……」
令さま、困惑。
志摩子さんの武器『乃梨ちゃんパペット』(乃梨子ちゃん型のパペットに棒がついてる昔イベントでもらえたようなあれ)への効果『攻撃力増大。ただし、誰か行動するごとにHP5P減少』
「あと3人行動したら、私は終わるのね……」
志摩子さん、死期が早まる。
祐巳さんの武器『御伽騎士・祥子』(どう見てもパラソルにしか見えない西洋槍、無双な長政が持っていそうなあれ)への効果『ダメージを与えると追加で相手のMPを減らせる』
「はは、私の攻撃ターンまで持つかなあ……」
祐巳さん、笑えない。
由乃さんの武器『銘刀・梅鶯毒』(とマジックで竹刀に書かれているだけにしか見えない剣)への効果『攻撃属性が【光】になる』
「ごめん。皆さん、本当にごめんなさい」
由乃さん、平謝り。
と、ここで祥子さまのHPが0になる。
「ここで『推理小説同好会』を発動させて一矢報いるわ! 強力攻撃魔術『ヒステリックサンダー』を『マジックサークル』で強化……でも、全体攻撃にするとこちらが死んでしまうので対象は……勇者、美冬さん! 紅薔薇スキル『イン ライブラリー』で習得していないスキル使用! 使用スキルは『剣道交流試合の日』でこの攻撃を回避不能にする!」
美冬さんはスキルを発動した!
「ここで『チョコレートコート』発動! 単体攻撃の対象者と任意の誰かと入れ替わる! その任意の誰かは祐巳さん!」
美冬さんが指名した瞬間祥子さまは真っ青になった。
「祐巳、抵抗を──」
言いかけて、祥子さまは止まった。
何かが聞こえてきたのだ。
──お姉さま、がんばってください。応援しています。絶対、大丈夫です。私、信じていますから。ファイト!
急に乃梨子ちゃんの声で怒涛の応援が聞こえてきた。
「志摩子のアイテム『白薔薇応援タスキ』が発動した!? HPが1/10を切った……そういえば、あと一人行動したら志摩子のHPは0になるんだったわっ!」
祥子さまは動揺する。
一矢報いようとしたばかりに、仲間の死期を速めてしまったのだ。
「ならば、これを生かします! 祐巳さんは何もしないで! 私が『カバーリング』でかばって、ダメージを白薔薇スキル『あんた、その前に謝れよッ!』で弾けばいいだけの事!」
志摩子さんが前に出る。
「ちょ、ちょっと志摩子! あなたがはじいた攻撃は私が受けるのよっ!」
「祥子さま、どうせ私も祥子さまもHPは0。今さら痛くもかゆくもない攻撃で、何を焦っておいでなのですか?」
志摩子さん、真っ黒。
「あなたという子は……前から思っていたけれど、人のロザリオ断るわ、あなたのお姉さまが人の妹にちょっかい出してるのをスルーするわ、生意気な後輩を連れてきて妹にするわ、その生意気な後輩が人の真似をしてるの見て、『似てねーよ、もっとヒステリックだろ?』とか思ってるわ、年がら年中ギンナン臭いわ、本当に腹立たしいのよっ!! 薔薇さまスキル『ハートの鍵穴』でそれを阻止する!」
「変な言いがかりはやめてください。『リベンジ』で『羊の中の狼』を復活させて使用!」
「リアクション無効スキル『勝手にしりとり終了』使用!」
──お姉さま、がんばってください。応援しています。絶対、大丈夫です。私、信じていますから。ファイト!
祥子さま、志摩子さん、いろいろあったがとにかく戦闘不能。
「……って、二人とも、人を巻き込まないでよっ!」
由乃さんは二人がもめて余計なスキルを使われてしまったがために、行動がカウントされて、HPが0になった。戦闘不能。
(たぶん、由乃さんのスキルで死期が早まったから祥子さまと志摩子さんが復讐したんじゃないかな……)
と皆思ったが、後が怖いので黙っていた。
割り込みをする者がいなくなり、祐巳の番になる。
「令さま、この私のターンで私のHPは0になります。申し訳ありませんが、後は……」
「ああ、私に任せて」
令さまはうなずいた。
「姉妹スキル『ごきげんよう、お姉さま』使用! このスキルは姉妹の最大HPと同じダメージを攻撃に付与する! そして、『イン ライブラリー』で『バーサーカー』使用! 190Pの固定ダメージを勇者パーティー全員に!」
「ダメージ軽減スキル『プロテクト』! アイテム『守りの指輪』の効果で全体をカバー! 更に、神秘の力『並薔薇ポイント』を全部使って……よし! 全部防ぎきった!」
真美さんの防御で勇者パーティーは無傷で終わる。
祐巳さん、戦闘不能。
「令さま、お一人でこの人数には勝てないでしょう。降参してください」
ちさとが説得を始める。
「いいや、私は降参なんかしない。かかってきていいよ」
令さまが武器を構える。
凛々しい、正にミスターリリアン、正に騎士、正に黄薔薇さま。
桂のお姉さまの攻撃!
「防御力無視攻撃、『ピンポイントショット』!」
「黄薔薇ポイント使用! 回避できない、ならばダメージ軽減スキル『プロテクト』! ダメージを受けるなら『リアルバウト』で攻撃力上昇!」
追加ダメージスキルもあって、令さまは58Pのダメージ。
「黄薔薇さま、もうやめましょう」
「いいや、手加減無用!」
くいっ、くいっ、とかかってくるようにとでもいうように令さまは手招きする。
友子さまの番である。
「令さん、では、一気に楽にしてあげるわっ! 『ライバルがいいの』で令さんへのダメージを倍に! ダメージ増大スキル『スマッシュ』! 更に、『並薔薇ポイント』を全部使用!」
「『ハートの鍵穴』使用! ダメージは食らうけど、そのままダメージを返す! 更に『リアルバウト』で攻撃力も上昇する!」
「でも、そんなことしたら……」
「更に、『草薙の剣』の効果発動! 1Pでもダメージを与えたら麻痺させることが出来るっ!」
「きゃあっ!」
友子さま、50Pのダメージ! 更に麻痺状態に。
「まだ半分以上HPは残っているっ! さあ、次は?」
可南子ちゃんが前に出る。
「黄薔薇さま、引導をお渡しします! モンクのスキル『弥勒菩薩』を同じくモンクのスキル『花の舞』で連続攻撃に変えて攻撃!」
「モンクのスキル『カナリア祭り浮かれてカーニバル』で連続攻撃でも全てにリアクションをとる!」
可南子ちゃんの七連続攻撃を令さまがリアクションをとりながら回避していく。しかし、地味にダメージを食らって28P削られる。
「さあ、あと何人?」
勇者パーティーでこのターンの間に行動出来るのは三奈子さま、笙子ちゃん、日出実ちゃん、瑞絵、恭子ちゃん、百ちゃん、そして環さん。
「令さん、思い切り行くわよ! 『スマッシュ』+『ご贈答用ハム』!!」
「『プロテクト』!」
防ぎきれず、令さま13Pのダメージ!
笙子ちゃん、日出実ちゃん、瑞絵、恭子ちゃんと連続でダメージを0Pに抑え込まれ、百ちゃんの番になった。
「アルケミストスキル『運転免許は持っている』使用! このスキルはレベル10以下の者の通常攻撃でダメージが1Pでも通った場合、その10倍の追加ダメージを与える事が出来るっ!」
ここで百ちゃん、クリティカル!
令さまは回避できず、そのままダメージを受ける。
「ダメージは……3P! 追加ダメージが30P!」
「底が見えてきたね」
令さまが静かに言う。
「では、いよいよ私の番だ。『令ちゃんのばか』使用! このスキルは最大HPマイナス現在のHPの値をダメージに上乗せできる。その状態で全体攻撃の『黄薔薇注意報』、混乱効果付与の『黄薔薇パニック』を使用!」
「山場だ! これを乗り切れば……」
「なお、この攻撃に『剣道交流試合の日』を付加する!」
回避不能攻撃を使ってきた令さま。
全員を混乱させればその隙に回復して、連続攻撃を連発して倒せばいいのだ。
勇者パーティー、一気にピンチか!?
「『四つ葉のクローバー』で『両手に水道管』使用!」
蔦子がこれを一人で受けた。
さすがに蔦子は戦闘不能になる。
環さんの番になる。
「黄薔薇さま、私の攻撃が失敗しても、次にこれだけの人数が行動すれば黄薔薇さまは持ちこたえられないでしょう。どうして降参なさらないんですか?」
環さんが聞く。
「たしかに、その通りかもしれない。でも、それだけは嫌なんだ」
令さまは語る。
「私は今まで、『黄薔薇革命』でヘタレキャラが定着して以降、無条件にカッコイイと言われたのは卒業式で号泣する祥子を助けたシーンぐらい。他のメイン扱いのエピソードは他の人の方が活躍していた。実写映画化は『無印』だけど、出番はたぶん聖さまに置き換わっているような気がする。マーガレットでコミック版が再開するらしいけど、『チェリーブロッサム』のあたりからだから、『黄薔薇注意報』でヘタレてるシーンからなので全然格好悪い。もしかしたら、『黄薔薇注意報』ごとカットされるかもしれない。アニメ4期では、山百合会メンバーなのにコレクターエディションのジャケットイラストは瞳子ちゃんにとられた。由乃が『お姉さま』とほとんど呼んでくれないから、ファンからも『令ちゃん』『ヘタ令』としか呼ばれない。祐巳ちゃんが成長する前はよきアドバイザーだったのに、祐巳ちゃんの成長とともに出番は激減。スポーツキャラなのに、体育祭の出番は少なすぎ。ずっと女子校の乙女なのに『オトメン(乙女の心を持つ男子)』扱いされる。こんなそんなで、黄薔薇ファミリーがパッとしない元凶扱いされる。同人でも見た目限定でしかカップリングされないし、他の人を引き立たせるような扱いが主。かろうじてギャグで由乃か祥子にブッ飛ばされる役回りで『由乃ぉ』しか言ってない」
「うう、令さま……」
令さまファンのちさと号泣。
「それでも、それでも、私は『黄薔薇さま』なんだっ!! 黄薔薇さまのプライドにかけて、あっさり諦めるわけにはいかないっ!!」
「令さあ〜ん!!」
三奈子さままで号泣。
「対黄薔薇強力魔術『私の巣』を『マジックサークル』で強化、『並薔薇ポイント』全部使用」
「追加ダメージスキル『レイニーブルー』使用!」
環さんの攻撃に百ちゃんが加勢する。
「ちょ、ちょっと!? 二人とも今の長台詞聞いてなかったの!?」
「そんな事言われても、勝負は勝負でしょう」
あっさりと環さんが言う。
「黄薔薇ポイント全部使用! 回避不可能!? うわっ!!」
令さま、ついに戦闘不能。
「はい、じゃあ、ドロップ品を……」
《今回のドロップ品》
黒いリボン(スキル):精神値を使う判定の時に有利になるスキル。
リリアンの剣:とマジックで書かれた竹刀。攻撃力90。
とこの二つをゲットしたところで事件は起きた。
「危ないっ!!」
美冬さまの声がして、振り向くと祐巳さんが美冬さまに攻撃を決めていた。
立ち位置からして、美冬さまが桂をかばったらしい。
「えっ!?」
「瞳子、行くよっ!」
「はいっ!」
祐巳さんが瞳子ちゃんの手をとって駆け出す。
「私の事はいいからっ! 二人を追って! 行先は古い温室よ!」
桂は環さんによって復活させられた蔦子、真美、ちさととともに走り出した。
背後で美冬さまの声がする。
「古い温室についたら、ロサ・キネンシスの木の根元を掘りなさいっ!」
古い温室に四人は飛び込んだ。
「ごきげんよう」
そこにいた生徒は、確か。
「皐月さん」
「ここでは妖精の名前、『メイ』で。それより、ここを出る前にいろいろと準備をした方がいいわよ」
メイのアドバイスで、桂たちは回復とレベルアップをする。
「そういえば、ロサ・キネンシスの根元を掘れって言ってたよね?」
「この木だよ」
ロサ・キネンシスの根元を掘ると『紅いカード』が出てきた。
桂は、『紅いカード』を手に入れた。
「皆さん、準備は出来た? 私からは何も言えないわ」
メイが促す。
四人が緊張した面持ちで古い温室の扉を開くと、そこには。
「ごきげんよう」
祐巳さん、由乃さん、志摩子さん、瞳子ちゃん、乃梨子ちゃん、菜々ちゃんの現山百合会メンバーが戦闘態勢で待っていた。
->続く【No:3159】
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(コメント)
やなる哲 >祥子と志摩子の確執w そして赤裸々過ぎる令さまの告白に涙が……!(No.20904 2013-09-10 06:43:08)
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