がちゃS・ぷち

[1]前  [2]
[3]最新リスト
[4]入口へ戻る
ページ下部へ

No.3721
作者:れいむ
[MAIL][HOME]
2013-03-24 17:48:37
萌えた:3
笑った:26
感動だ:3

『ギューって抱っこしてまだ本気出してない』

 暗い道を一人で歩くのはやめましょう。
 祐巳が幼稚舎の頃から言い聞かされてきた言葉だ。ただその日は急いでいたこともあってつい近道をしてしまった。
 よく利用している道だからと安心してしまったのかもしれない。それでも暗さにおびえながら先を急ぐ。
 早く行かなきゃ、そんな気持ちが先走って周囲に気を使うことがおろそかになっていたのだろう。背後に気配を感じたときにはすでに遅かった。

「うきゃあっっ」
 上げた叫び声は暗闇に吸い込まれてしまったかのように消え去った。後に残ったのは一塊の影だけ。
「相変わらず怪獣の子どもみたいな声を出すね」
 後ろから抱きしめながらうれしそうな声を上げたのは聖さまだった。
「ロサ・ギガンティア! もう、脅かすのはやめてください」
「いやあ、祐巳ちゃんを見たら抱きつきたくなちゃって。このぷくぷくした抱きごこち、一度覚えたらやめられまへんな」
 そう言いながらうれしそうに祐巳の体中を撫でまわした。逃れようとしても、少々身じろぎしたくらいでは硬く閉じられた腕はびくともしない。
「何莫迦なこと言ってるんです。もう放してください、薔薇の館に遅れちゃう・・・。って、どこ触ってるんですか」
「65のB・・・まではいかないな。65のAってとこか」
 聖さまは手の感触を確かめるようにしてつぶやいた。
「ロ、ロサ・ギガンティア、やめてください。胸から手を放して。揉むなぁ」
 必死に身をよじって祐巳はやっとのことで腕の戒めから逃れた。
「せっかく胸の成長の手助けをしてあげようというのに、どうして逃げるかなぁ。それとも祐巳ちゃんはAカップのままがいいのかな?」
「余計なお世話です。だいたいロサ・ギガンティアがなさっているのは痴漢と変わりないじゃないですか」
 おやじ女子高生に背を向けて歩き始めた祐巳に聖さまはわざとらしい声をあげた。
「まあ、なんてひどい言い草。Bだった祥子がDまで成長できたのは誰のおかげだと思っているの」
 薔薇の館へ向かおうとしていた祐巳は祥子さまの名前を耳にして立ち止まり、ゆっくりと振り向いた。
「どういう意味です。まさかロサ・ギガンティアがお姉さまの胸を・・・」
 祐巳の頭に祥子さまが聖さまに胸を揉みしだかれている姿が浮かんだ。
 表情で何を読み取ったのか、聖さまは意地の悪そうな笑いを口元に浮かべた。
「何を想像しているのか、だいたい想像がつくけどちょっと違う。わたしはロサ・キネンシスに教えただけ。でも、私が教えなかったら祥子はBのままだったかもね」
 今度は蓉子さまに胸を揉まれている祥子さまの姿が浮かんだ。
「そ、そんなのウソです」
 自らの考えを打ち消すかのように大きな声を出した。大きな声を出したとしても事実が変わるわけではないが、そうせずにはいられなかった。
「嘘だと思うのなら自分で聞いてごらん。でもロサ・キネンシスをCに育てたのはわたしだよ」
 ワキワキと両の手を握ったり開いたりしながら、聖さまは自信たっぷりに言い放った。

 聖さまの言葉が頭に残っていたせいだろう。薔薇の館で打ち合わせが始まってもみんなの胸に目が行ってしまう。
 体型の出にくい制服ではあるが、祥子さまのDを基準にできる。江梨子さまはぎりぎりCには届かずB、聖さまは抱きつかれた時の感触から間違いなくBだ。
 志摩子さんは余裕のC、由乃さんは祐巳と同じくらい。志摩子さんと由乃さんは体育の時間に着替え姿を見ているから間違いはない。
 令さまは確実にAだろう。そして蓉子さまがCなのは間違いなさそうだ。
 眺めているうちに蓉子さまの胸が聖さまの手で揉まれているさまを妄想してしまい、あわてて目をそらす。
 そらした目の先に祥子さまの胸が飛び込んできた。
 隣に座っているのだから、横を向けば目に入るのは当たり前のことである。しかし、これほど目の前に迫ってくると重量感がある塊が迫ってきたような衝撃を受ける。
 この胸が蓉子さまのあの白く滑らかな手でどのようにして作り上げられたのかと、再び妄想の世界に入り込んだ。

 そんなことをしていたものだから祥子さまからお小言をもらってしまった。
「何をそわそわしているの。もう少し落ち着きなさい」
 もちろん、祥子さまは妹をそっと注意するために身を寄せてささやいただけなのだが、結果として胸を押し付けることになったわけで、妄想で沸点に近づいていた祐巳にとどめを刺したかたちになった。

「だって、ロサ・ギガンティアがロサ・キネンシスもお姉さまもそうやって大きくなったんだっておっしゃったから」
「そんなことをまともに信じるほうがおかしいでしょう。あなた、私とお姉さまをなんだと思っているの」
 祥子さまに言われて祐巳は保健室のベッドの上でひたすら縮こまっていた。あの後、顔を真っ赤にして卒倒しかかった祐巳をみんなが大慌てで保健室に運んだのだ。
仲間に事情を話すことはかたくなに拒んだ祐巳だったが、祥子さまと二人きりになると拒みきれるものではなかった。






「ごめんなさい、お姉さま。怒ってます・・・よね」
 祐巳の言葉に祥子さまは怒りを込めて宣言した。
「もちろんよ。祐巳は隙が多すぎるわ。こんなことだからロサ・ギガンティアに痴漢まがいのことをされるのよ。いいこと、ロサ・ギガンティアには祐巳の胸に今後一切触らせません。祐巳の胸は私のものですからね!」


 ちなみに聖さまは事情を知った蓉子さまに「あなたのを育ててあげましょうか」と、延々と揉まれ続けたそうである。


(コメント)
れいむ >実際はもまれても大きくならないからね。世の男性方、変な噂にごまかされないでね。(No.20801 2013-03-24 17:50:54)
やなる哲 >最終的には揉みつ揉まれつのラストを迎えて吹きましたw 妄想たくましい祐巳ちゃんは可愛らしいですね(No.20802 2013-03-30 08:36:27)
ピンクマン >揉まれて腫れあがる→一時的に大きくなる…というのが実際のところでしょうねw(No.20806 2013-04-11 20:33:08)

[5]コメント投稿
名前
本文
パス
文字色

簡易投票
   


記事編集
キー

コメント削除
No.
キー


[6]前  [7]
[8]最新リスト
[0]入口へ戻る
ページ上部へ