がちゃS・ぷち

[1]前  [2]
[3]最新リスト
[4]入口へ戻る
ページ下部へ

No.722
作者:篠原
[MAIL][HOME]
2005-10-12 04:01:18
萌えた:17
笑った:5
感動だ:0

『内藤笙子、凶器攻撃』

 部室のドアを開けた蔦子はその場で固まった。

 え? これは何? いったい何事?

 思考がパニくる。
 何故か目の前には笙子ちゃんが立っている。いや、それはいい。写真部に入部しているのだから。
 問題はなぜ頭に犬耳が付いているかということだ。ついでに言えば後ろに尻尾も見えている。しかもぱたぱた動いてるし。

「ごきげんよう、蔦子さま」
 はっ!
「ご、ごきげんよう、笙子ちゃん」
 落ち着け、写真部エース武嶋蔦子ともあろうものが、こんな被写体を前にカメラも構えず固まっているとは。
 あらためて目をやれば、いつものようににこにこと見上げてくる笙子ちゃん。プラス犬耳。プラス尻尾。

 ぱたぱた

 尻尾が嬉しそうに振られている。
 ……っく、これは。いや、だから落ち着け。背後にいる連中はわかってるのだ。まさかこっちに飛び火してくるとは思わなかったが、笑われたのを根に持ってるな。
 とはいえ結構前の話だ。確か【No:4】とか、【No:14】とか、【No:15】とか、それくらい古い話だぞ。
 って、今はそんなこと考えてる場合じゃない。
「ちょっ、ちょっと離れて……」
「え?」
 途端に、哀しそうな顔になる笙子ちゃん。

 ぐふぅ

 力無く垂れた耳と尻尾が哀愁をさそう。ああもう、なんて無駄に高機能。
 だから上目使いにそんな捨てられた子犬のような目で見ないでちょうだい。
 そ、そうだ、見えるからいけないんだ。うん。眼鏡を外せば。冴えてるぞ、私。
「蔦子さま?」
「いや、ちょっと目が痛いだけだから」
「大丈夫ですか?」

 ぐぱっ

 近眼なんてものともしないくらいの至近距離に笙子ちゃんの顔がっ!(しかも心配そうな憂い顔!)
「蔦子さま!?」
「あっ!?」
 仰け反った瞬間、足を滑らせ視界が回る。

 ゴンッ!!

「蔦子さまっ! 蔦子さまっ!!」
 泣きそうな顔でしがみついている笙子ちゃんの頭にはやっぱり犬耳が揺れていて、ちょっと頭を撫でてみたいなんて思いつつも、薄れてゆく意識の中で蔦子が最後に思ったことは、これで萌え死にの汚名だけは被らなくて済むなということだった。


(コメント)
篠原 >懐かしの獣耳シリーズ。No.4, No.14, No.15 の続き?(No.3393 2005-10-12 04:01:37)
くま一号 >ぶわあ、がちゃS初連作を持ってきますかあ。(あのころ修正機能なかったからいろいろ指摘されたの直してないんだよなあ) ついでにあのころ蔦子さんはメガネ外したら超絶美形で見た者はみな悶絶、というデフォ設定があったような(No.3395 2005-10-12 07:55:45)
マリみて放浪者 >脳内では夏師さまの笙子で耳に尾が付きました。(No.3398 2005-10-12 08:16:23)
joker >超絶美形の設定、作ったの、ワタシだ…。(No.3400 2005-10-12 10:03:02)
M.O. >一種の地雷型タイプの連作ですね。忘れた頃に発動するという(No.3403 2005-10-12 12:06:20)
M.O. >次の犠牲者?は誰だろう(笑)(No.3404 2005-10-12 12:07:03)
ROM人 >懐かしい……と思うほど古いことでもないはずなのですが、他にも続きが見たい作品いっぱいありますね。 しかし、このシリーズはいいです。 絵が浮かんできては萌え転がります。(No.3447 2005-10-13 02:15:21)
篠原 >次は新聞部あたりを期待したいところですね。しかし過去ログは諸刃の剣だな。(No.3448 2005-10-13 02:46:00)

[5]コメント投稿
名前
本文
パス
文字色

簡易投票
   


記事編集
キー

コメント削除
No.
キー


[6]前  [7]
[8]最新リスト
[0]入口へ戻る
ページ上部へ