がちゃS・ぷち

[1]前  [2]
[3]最新リスト
[4]入口へ戻る
ページ下部へ

No.843
作者:朝生行幸
[MAIL][HOME]
2005-11-12 13:30:57
萌えた:1
笑った:26
感動だ:0

『ドラマチック人生』

「祐巳、今までありがとう。これからは私、新しいパートナーと共に過ごして行くから」
「いいえ、こちらこそありがとうございました。お幸せに」
「でも、私とあなたは、ずっと姉妹ですからね」
「はい、もちろんです」
 ここは新婦の控え室。
 純白のウェディングドレスで美しく着飾った小笠原祥子を、涙を浮かべて見つめる祐巳。
 祥子は、祐巳をそっと抱いてやった。
「祥子、ここにいたのか」
 新婦を迎えにきた新郎。
 彼の姿は、坊ちゃん刈りに眼鏡という、今では滅多に見かけない優等生ルック。
「正念さん」
「へ?」
 驚いた祐巳。
 そう言えば、相手の名前を聞いていなかった。
 てっきり銀杏王子とばかり思っていたのに、現れたのは意外な人物。
「あ、祐巳ちゃん。来てくれたんだね」
 弟の祐麒と同級生だった、小林正念。
 彼が祥子の結婚相手とは、これは夢か?夢なのか?
「あれ?祐巳ちゃん聞いてなかったのかな?」
「私、正念さんと結婚するのよ」
「なななななんですとー!?」
 あたふたする祐巳。
「私、今日から小林を名乗るのね」
「そうだね祥子。君は今日から小林…」
「止めてーーーーー!!!!」
 控え室に、祐巳の絶叫が轟いた。

「はっ!」
 でろーと涎を流しながら、身を起こした祐巳。
 ここは薔薇の館。
 一人だけだったので、誰かが来るまで待っている内に、どうやら寝入ってしまったらしい。
「ああ、やな夢見たなぁ…」
「どんな夢なの?」
「お姉さまが、小林君と結婚する夢です」
 寝ぼけているのか、周りの様子に気付いていない祐巳。
 祥子以外も、みな興味津々と聞き耳を立てている。
「ふ〜ん、それで?」
 こめかみに血管を浮かべ、冷たい声音で問う祥子。
「それでお姉さま、名前が変わってしまうんです」
 オチは既に祥子にも読者にも見え見えだが、書かないわけには行かない。
「どんな?」

「こばやしさちこ」


(コメント)
朝生行幸 >あり得ないけど、あったら面白い…こともないなぁ。(No.4505 2005-11-12 13:31:49)
一体 >個人的には、この後祐巳がどのようなおしおきをこばやしさちこさまから受けるのか気になります(笑)(No.4524 2005-11-13 10:37:11)
朝生行幸 >そりゃ祥子さま(派手な衣装での)独唱を気が済むまで…。(No.4676 2005-11-16 23:27:55)

[5]コメント投稿
名前
本文
パス
文字色

簡易投票
   


記事編集
キー

コメント削除
No.
キー


[6]前  [7]
[8]最新リスト
[0]入口へ戻る
ページ上部へ