がちゃS・ぷち

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No.1016
作者:くま一号
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2006-01-03 09:23:38
萌えた:4
笑った:23
感動だ:1

『リリアン女学園風の妖精くま一号が』

 †  †  †

 2005年1月1日 イン ライブラリーの前まで、プレミアムブックを除く既刊はすべて家にあった。ところが、私、ことくま一号はまだ手をつけていなかった。一年先の事なんて、わかりっこないわけだ。

 †  †  †

 2005年1月2日

 瞳子は、小笠原邸にお泊まりの、優お兄さまや祥子お姉さまからおみそになって、自邸でプンスカしていた。妹が一緒だという。最近、祥子お姉さまはなかなか瞳子を誘ってくれなくなった。今年こそは。高等部へ入ったらお姉さまと同じ薔薇の館で…

 女子校ばかりに出願して、一番成績の良さそうな、そして男なんかいらない学校リリアンにターゲットを絞った。高等部に入れば、本当に夕子先輩がそうだったような、可南子をかわいがってくれる先輩がいるんだ、いるに違いない。

 リリアン以外の受験料と旅費を全てつぎ込んだ、京都行きはまだ二ヵ月近く先。敦賀湾から吹き込む風が関西から中部に大雪をもたらし、関ヶ原を中心にほぼ鉄道麻痺になることをそのとき乃梨子は知るよしもなかった。例年通りの、平和な正月だった。


 有馬道場の稽古始めで汗を流す菜々の姿があった。もはや姉たちを押しのけ、中学二年とはいえ師範代格で稽古をつける菜々の今年の目標はもちろん決まっていた。
「打倒、支倉令」
その令さまの妹さまと大激突することになるとは、この時もちろん菜々は知らない。

 笙子は、敦子さんや美幸さんと一緒に初詣に行った。瞳子さんもさそったらしいけれどなんだかプンスカしていてこない、と美幸さんは言っていた。お姉ちゃんも来ない。「神頼みなんかしているヒマがあったら、その分勉強すればいいのよ」 あいかわらずだなあ、そんなことしてまで大学へ行ってなにするんだろう、と笙子は思う。
 おみくじは「小吉」。想いは通ず、しかしなお前途多難。ふーん、それもおもしろそうじゃない?


 †  †  †  †  †

 2007年1月2日

「あけましておめでとうございます、瞳子さん」
「おめでとうございます、みなさま」
 瞳子は、金彩の手描き友禅の蝶の振り袖。これ、いくらするんだろう、というのは考えないようにしよう。『祐巳さまと対になるのですわ』ってことは同時に誂えたんだろうけど、いくらになるかってやっぱり考えないようにしよう。うん。

「可南子さんは、変わった着方だよねえ?」
「江戸風なのよ。最近はやりなんですって」
「ふーん、同じ着方の振り袖ばっかりのなかでは、めだっていいわねえ。」
「要するに『つったけ』なのですわね。身丈が足りないからお端折なしで着るのですわ。あー、身幅も反物の幅ぎりぎりまで出してありますわね、なかなか手のいい仕立てですわよ」
「あー、瞳子さんにはわかっちゃうわねえ。これじゃなきゃ着られないのよ。しょうがないじゃない」
「別に悪いとは言っていませんわ」
「はいはい、そこで喧嘩しない」
「そういう乃梨子さんはまた、古風な……」
「あ、これ? 菫子さんのを奪ってきた。えへへ」
「渋いですわねー。薄墨色に桜ですか。やっぱり桜ですのね。」
「そうそう。志摩子さんも桜のはずだもん」

「その志摩子さまたち、薔薇さま方は先に行っていらっしゃるのですか?」
「うん、先に小笠原邸で待ってるって。なんか、あれも来るらしいんだけど」
「あれって?」
「佐藤聖」
「ちょっと乃梨子さん、呼び捨てなの?」
「だってあのエロ親父」
「そうですわ。おかげでこの一年、祐巳さまの妹として身も細る思いをしてきましたもの」
「天然たらしに、あのエロ親父に鍛えられたんだから無敵だよねえ」
「それは祐巳さまの魅力というものですわ。本当なら薔薇の館の住人じゃない私や笙子さんや、桂さまとか、一年生なんて名前も覚えられないくらい寄ってくるのも祐巳さまのお人柄ですもの」
「最初にたらされた可南子が言っても説得力ない」
「どういうことですかしら?」
「そういうことですわ、可南子さん」
「ふーん、おととしのクリスマスの時なんか『私、どうしたらいいのかしら』って泣いてすがったその口でそういうことを言う?」
「あーー、それを言うのは卑怯ですわ」

「あけましておめでとうございます、皆さま」
「おめでとうございます 笙子さん、菜々ちゃん」
「あけましておめでとう」

「さて、これでそろったかな、行こうか」
「ちょっとまってください、瞳子さま。美崎は?」
「祐巳さまに取られた。先に手伝いに来てって(プンスカ)」
「あー、またかよ」
「それは美崎ちゃんの身があぶないわね」

「お姉さまを、エロ親父と一緒にしてはいけませんわー」
「どこが違うのよ」
「少なくともいきなり耳に指入れて『キミは不感症か?』なんていいませんわ」
「いきなり首筋に息ふきかけられて『キミは不感症か?』って言われましたけど」
「菜々ーーーー。殺す。今年こそ殺す」
「まあまあまあまあ」
パシャ
「笙子さん! 何を撮ってるんですか何を」
「瞳子さんと菜々ちゃんの仲むつまじいじゃれあい。タイトルは『今年こそ』」
「はああ、デジカメラちゃんって呼ばれるんだって? 最近」
「そうなんですよぅ。誰が名付けたんだか知らないけど」
「そりゃあのエロ親父よ」
「もう大学2年でしょうに、あの方は」
「祥子お姉さまとにらみ合う時は、ゴジラ対キングギドラとか言われてるそうですわ。はあ」
「あの祥子さまとにらみ合うんですか。こわあぁぁぁっ」

「ほらほら薔薇さま方が待ってるから」
「とにかく本殿でお参りしていきましょう」

それぞれ何を祈ったかは、一年後になるまでわからない、ということで


……表掲示板までこのキーワード入れたのだれやねん。
出ちゃったら書くしかないやんか。……わけのわからないものができたorz


(コメント)
ひろっぴ >・・・・これは・・・・。瞳子が祐巳の妹で、沢村美崎嬢が瞳子の妹というのは『がちゃS』ではデフォルト、ということですな。・・・・なんつって、ウソぴょん♪(No.5465 2006-01-03 10:16:38)
ひろっぴ >まぁ、それは置いといて、ちょっとメタフィクション入ってて面白かったです。マジで(No.5466 2006-01-03 10:18:43)
良 >キャラの貸し出しOKですのでバンバン使ってやってください(笑)(No.5472 2006-01-03 11:08:16)
春霞 >色々混ざっていて面白いけど、小笠原邸訪問は2日にしないと… (No.5478 2006-01-03 12:09:13)
くま一号 >2日にお直し。書いてて日出美を加えた1年生ズ+菜々の全員が、聖と面識があるのに気が付いた。やっぱり「白き」再演はあるのか(No.5488 2006-01-03 22:51:04)
くま一号 >良さま、春霞さま、いろいろお借りしました(No.5489 2006-01-03 22:55:16)
春霞 >楽しく料理して頂いて光栄です。 またのご利用をお待ちして居ります。 <春霞食材店 (No.5491 2006-01-03 23:55:35)
良 >いえいえ、どんどん使ってやってくださいな。 (笑(No.5493 2006-01-04 00:17:23)
沙貴 >がちゃSらしいというか、お祭りSSと言う感じで良いですね。(No.5524 2006-01-04 10:07:24)
くま一号 >「祐巳さま、時系列ツッコミの連続」 「……はい」 「匿名希望のいつものノリコスキーさまからですわ。公立校の受験が一月中頃ってのはありませんわね。それから祐巳さまが『おめでたくも』何にも考えずに私にロザリオ差し出したのはおととしのクリスマスイブです、おーとーとーしー」 「ねえ、ノリコスキーさまや春霞さまってくまのこと好きだと思う?」 「おめでたいっ! 良さまと正月と盆とマリア祭が一緒に来たくらいおめでたいですわー」(No.5534 2006-01-05 08:33:03)
良 >わたしゃーおめでたいのですか??くま一号さま。(No.5535 2006-01-05 11:41:06)
くま一号 >いへいへそうではなくて、突っ込まれると愛されてるなーと思う同類だあ、ということなんだけど、瞳子ならこのくらいの攻撃はくるよね(No.5541 2006-01-06 03:01:48)
良 >そうですね〜きそうですね〜でもちょっと構ってもらえて嬉しく感じてる部分もありです(笑(No.5542 2006-01-06 06:59:36)

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