がちゃS・ぷち

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No.1239
作者:らくだ
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2006-03-10 01:27:10
萌えた:8
笑った:8
感動だ:8

『リリアン名物』

気がつけばもう桜の季節。
薔薇様方は卒業され、晴れて祐巳も二年生へと無事進級できたのである。
そして、晴れて紅薔薇の蕾へと昇格したわけだ。今自分が去年の祥子様の地位にいるなんてちっとも実感が湧かない。
「まぁ、祐巳さんはそのままでいいんじゃない?」
こちらは黄薔薇の蕾、そして晴れてクラスメイトになれた由乃さん。
「そうかなぁ、あっ!志摩子さん!」
「ごきげんよう、祐巳さん。由乃さん」
「ごきげんよう、志摩子さんも薔薇の館に?」
「ええ」
そう言ってお弁当を掲げて見せた志摩子さん。こちらも晴れて白薔薇様に昇格。
「あっ、ちょっと待って」
「どうしたの由乃さん?」
「ミルクホールに寄っていいかしら?あそこのジュースに新しい種類が増えてたのよね」
そういうとすぐさま回れ右し、早足で逆戻りしていく由乃さん。由乃さんの青信号、本日も快調なり。
「いきましょうか」
「うん、待ってよ由乃さ〜ん」

「とまぁ来て見たものの、なんなのかしらこの人盛り」
ミルクホールに入るなり、信じられないといった感じで言う由乃さん。
「あれ?由乃さんミルクホール初めて来たの?」
「そんなわけないじゃない。ここに一年もいるんだから一度と言わず十回以上は来てるわよ」
じゃあ何で?って聞こうとしたが、祐巳にも異常さが分かった。たしかに今日に限って異様に人が多いのだ。
「見たところ一年生の方が多いようだわ」
「それにもう一つ。私と同じ新作ジュース狙いの群集もいるわけだ」
なるほど。高等部へ進学したての一年生には、ミルクホールの存在が珍しくてこぞって来ているようだ。たしかに祐巳もそうだったから。それによく見ると自販機の周りに異様に人盛りが出来ている。
「今日の所は諦めたほうが良さそうね」
「そうだね、並んでたらお弁当食べる時間がなくなっちゃうし」
「駄目!私は逃げない!行って来る」
帰ろうとした祐巳達に一瞥くれてから、由乃さんは戦場へと足を踏み入れた。
「しょうがない、行こうか」
「そうね」
仕方なく祐巳達も、戦場へと足を踏み入れた。

「思ったよりすぐ買えたわね。」
5分かそこらで、自販機から少し距離をとって待っていた祐巳達の元へ上機嫌な由乃さんが帰ってきた。
「良かったね」
「まぁ私が本気になればこんなもんよ」
別に列に並んで順番に買ってただけだけど。嬉しそうな由乃さんにそんなツッコミは出来なかった。
「ねぇ、せっかくだし今日はここで食べない?あそこ席が空いてるようだし薔薇の館に行ってたら食べる時間が短くなってしまうし」
ナイス志摩子さん。ということですぐさまその案は可決となり、本日はミルクホールでランチを頂く事となった。

「それにしても」
十分ぐらい経っただろうか。ほとんどお弁当の中身も無くなった頃、由乃さんが口にした。
「そっか、私達ももう蕾なわけね。それに薔薇様も加わればこうなるのも当たり前か」
「やっぱりまずかったかしら」
「そんな事ないわ。志摩子さんの案は適切だったわ」
あの、お二人さん?全く話が分からないんですけど。
「何祐巳さん?分からないの?まぁあれだけ近所の犬の話に夢中になってたら気づかないか」
由乃さんだって喜んで犬の話聞いてたくせに。
「ふぅ、周りを見てごらんなさいな」
「えっ?、、、ぎょえ!」
祐巳の目にした光景は、まさに鮮烈だった。祐巳達を囲む人、人、人。
「な、なんで、、」
と口にしたものの、すぐさま理由は分かった。答えは簡単。自分たちは山百合会幹部だったからだ。
おそらく周りにいる子達はほとんど一年生だろう。中には席が無く、立ちながらパンを食べている集団もある。
「さっ、早く食べて帰りましょう」
「そうね」
それからは終始無言で残りのお弁当を頂くことになった。動物園の動物達の気持ちが少し分かった気がする。

「まったく、私達は見世物しゃないんだから」
怒りながら教室へ向かう由乃さん。
「でもちょっと有名人になった気分で楽しかったな」
「ふふ、そうね。私のあそこまで見られたのは初めてだったわ」
「まぁこれで得られたものはただ一つ。私達も山百合会幹部として認識されてるってことね。だから祐巳さん、もっと自信持っていいんじゃない」
「でもこれで下手な行動は出来なくなったわね」
あぁ、そっか。私でも皆の注目を浴びる存在になったって事か。だったらちやほやしてはいられないな。
もしかして、歴代の薔薇様もこうして磨かれていったのかもしれない。
「リリアン名物、「山百合会動物園」だね」
「ぷっ、何それ祐巳さん?ネーミングセンス無さすぎ」
「祐巳さんったら、ふふふ」
「もう、そんな笑わなくてもいいじゃない」
でもこの三人なら来年薔薇様となってもきっとやっていける。誰もが認める薔薇様に成ってやるんだから。









(コメント)
らくだ >処女作です。駄作です。すいません。。(No.7816 2006-03-10 01:35:16)
らくだ >処女作です。駄作です。すいません。。(No.7817 2006-03-10 01:40:24)
投 >どこが駄作ですか!?数箇所だけ気になるところがありましたが、いいと思います。なので、感動に入れました〜。ただ最後の締めの部分は改行したほうがいいかな?と思います。文章が繋がっていると、ちょっと弱く感じてしまいます。私だけかも知れませんが・・・(No.7822 2006-03-10 02:20:34)
琴吹 邑 >初めてなら、十分だと思いますよ。突っ込みどころ少ないですし。(No.7825 2006-03-10 02:40:47)
らくだ >マジっすか!嬉しいです!ではまた書いてみたりしちゃうかもですw(No.7826 2006-03-10 03:59:34)
らくだ >実は本文の長さが限界あると思っててはしょって短く終わらせたっていうのもありまして。。それに誤字もありますね。(No.7827 2006-03-10 04:01:23)
にゃ >……「ランチ」を頂く事となった……うにゃぁ〜。 ランチ違い……ついでに、くしゃみで変身もしません。(No.7829 2006-03-10 04:21:21)
らくだ >頂くって可笑しいですよね。見直ししてないんで(出来なくて)誤字脱字が酷い。汗 気をつけます。。原作の雰囲気は壊さないようにってのがモットーなんですがどうなんでしょ?汗(No.7830 2006-03-10 05:14:10)
ひろっぴ >っていうか、ごめんなさい。書いてはいるんですけど、どうも書きはじめたところで詰まってしまって全然進行しないんですよ。こういうコメントにする小ネタならいくらでも出てくるんだけど……トホホ。(No.7834 2006-03-10 07:59:55)
ひろっぴ >……あれ?、コメントこっちに入っちゃった。↑のコメントって実はNo.7831の続きで、春霞さまのコメントNo.7812へのレスだったのですが……。safariの操作、間違ったかな……。(No.7835 2006-03-10 08:05:18)
ひろっぴ >削除パス、入れずにさらす、赤っ恥。……トホホ。(No.7836 2006-03-10 08:10:20)
まつのめ >設定改変系SSばかり書いてるせいか、こういう本編のサイドストーリー的なのを読むと和みます。 あと、別に直さなくてもいいと思いますがミルクホールには中等部生も来るという描写が、たしか「涼風さつさつ」の中にありましたよ。(私も最近知って「げっ」と思いましたが)(No.7837 2006-03-10 08:42:33)
天晴 >良い話です。ただ1箇所。「ちやほやしてはいられない」は違うと思います。あえていうなら「ぼやぼやしてはいられない」?「ちやほやする」はもてはやして甘やかすような意味の他動詞なので。(No.7838 2006-03-10 08:45:36)
くま一号 >こうやって薔薇さまは薔薇さまになってゆく、いいなあ。一投稿の長さの限界は文庫本が何冊も入るくらいあるです。(No.7839 2006-03-10 09:04:19)
沙貴 >ほのぼのとして、良いですね。このシーンが目に浮かぶようです。でも「適切だった志摩子さんの案」ってなんだったんでしょう……?(No.7840 2006-03-10 09:55:38)
らくだ >まつまめさん>はい、自分は原作の短編でありそうなのが書きたくて、、その通りです。たしかに涼風さつさつでありましたね汗 まぁここは一つ、昼休みにミルクホールで買い物出来るのが初めてだったということで汗 天晴さん>ですね。言葉に気をつけます^^;くま一号さん>それを聞いて安心しましたw沙貴さん>一応ミルクホールで食べようって案の事です、、汗(No.7856 2006-03-10 15:13:05)
joker >初作品、この短さでこの質。才能溢れてますねー。(No.7857 2006-03-10 18:22:42)
Y. >うむー、うらやましい、処女作でこれだけとは……(No.7858 2006-03-10 18:30:45)
春霞 >初作品でこのレベル…。 私に初作品など無い!無いんだ〜! と絶叫したところで。 未来への糧という事で、突っ込みモード逝ってみよう。 (// 「晴れて」が一箇所で被り過ぎている→整理しましょう // 人盛り→人だかりか人ごみ? // 私のあそこまで→私”も”あそこまで // 幹部として認識→認知 のほうがより当っているかと // 沙貴さんの混乱:志摩子さんのアイデアは何?: 志摩子さんの台詞まわしと言葉の使い方がやや違うから、かな?) まあ、わが身も省みず色々突っ込んでおりますが、のどかな雰囲気が良く出ている良作だと思います。 特に劇的な場面が無い情景を、読者を惹き付けたまま書き上げることができるのは、十分に才能の原石が埋もれているという事ではないでしょうか。 あとは磨き上げるだけ〜(これが難しい(No.7860 2006-03-10 18:56:20)
春霞 >この板には、過去記事の編集機能が有りますから、まずは満足行くまで推敲して見ると良いのではないでしょうか。  長々と失礼しました。  おっと、そうそう。 なんかこう愛らしいものを見たという意味で、微笑みの「笑い」票を1つ、です。 (No.7861 2006-03-10 18:58:36)
春霞 >「愛らしいもの」→3人組の会話ですよ。 らくださんの作品自体を軽んじているという意味ではありませんので、念のため。 (No.7862 2006-03-10 19:00:39)
ちょい >日常のひとコマが綺麗にまとまっていて、いいと思います。  冒頭で、「蕾になった実感が湧かない祐巳」の描写をもう少し補強してくれると、その対比で最後の決意がより強調されていいんじゃないかな、と思いました(私の好みの問題ですが)。(No.7867 2006-03-10 21:27:29)
らくだ >皆さん、お褒めの言葉&ご指摘ありがとうございます。とりあえず次は、誤字脱字&言葉の用途に気をつけようと思います。この作品を書き直すのもいいのですが、皆さんに一度晒してしまったものを書き換えても味気ないでしょうからまた新たに別の作品を書いてみようと思います。モチベーションも上がりますし実はすでに執筆中だったりします、、志摩子さんの表現ですが、難しいですね汗 もっとキャラの特徴に気をつけます。目指せ原作w(No.7870 2006-03-10 22:45:21)
らくだ >ふと思い出してやってきました。もうこれを目にする人なんていないと思いますが……これが正真正銘の私の処女作なのですが、今ではライトノベル作家をしております。とても懐かしい気持ちになりました。(No.77499 2022-07-08 11:14:20)

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