がちゃS・ぷち

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No.1367
作者:允
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2006-04-21 23:05:26
萌えた:1
笑った:5
感動だ:30

『体育祭噂になってるドリルキラー!』

【No.1361】のつづきです。おもしろ題名は気にせず、どうぞ。



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 私の名前は島津由乃。人は私をしゃべらなければ可愛いお人形さんだという。うん、可愛いのはわかってる事だからいいのだが、しゃべらなければって・・・私これでも、黄薔薇の蕾で、しかも紅薔薇の蕾の親友なのよ!もう、失礼しちゃう!!・・・・・・。心の中で憤ってはみるものの、やはり気になる昨日の祐巳さん。祐巳さんのお姉さまである、小笠原祥子様となにかあったのだろうということはわかっていた。その事でもしかしたら、私たちは終わりなんじゃないかと思ってたくらいだ。しかし、祐巳さんは立ち直った。ううん、立ち直ろうと頑張っていた。元気にならなきゃ≠サんなことばっかり言って、作り物の笑顔で・・・笑ってた。そんな顔して欲しいんじゃないのに、いつものように、クルクル変わる表情でいつものようにドジをして、いつものように・・・。


「親友か・・・」


 私は今まで、友達と呼べる人間はいなかった。ううん、いないわけではなかったが、少なかったし、親友と呼べる人間なんていなかった。それは、私の心臓の病のせいであると言えるし、それだけではなかったとも言える。病を理由に令ちゃん以外の人間を遠ざけようとしてた。私は普通じゃない≠ナはなく、私は特別なんだ≠ニ思いたかったのかもしれない。いや、実際そうなのだろう。最近になって気づいたのだ。それは、あの、私をここまで心配させる親友のせいなのだ。私の心の中にいつのまにか入ってきて、部屋を作り、居着いてしまった親友。大事だった。いや、大事なんだ。だから、だから私が、私たちが祐巳さんを支えようと、元気にしようと薔薇の館に無理やり連れて行ったのに・・・。それがいけなかったのか、紅茶を飲む途中で少し長く目を瞑った後、薔薇の館を出て行った。一瞬、私たちを知らない人を見るような目で見てたような気がしたのは気のせいだろうか。ううん、そんなことない。祐巳さんに限ってそんな・・・。帰ってきて、そのことを考えるうち、怖くなった私は祐巳さんの家に電話をしようと思ったが手が震えてうまくいかず、結局・・・。
 
 こんなんで親友と言えるのだろうか、私の頭の中には入院中読んだ幕末関係の本の知識しかない。そのため、親友といえるものに対する接し方やこういったときに対する対処の仕方の経験値が少ない。いや、ちがう。まったく無いのだ。大事なのに!!今すぐ飛んでいって祐巳さんに抱きつき、諭したい!!でも私はそれが怖いような気がする。傷つくのが怖い。あの目で見られたくない。

「結局私は傷つきたくないだけ・・・なのかな・・・」

 結局、うまい考えも見つからず祐巳に電話することもなく朝を迎えた私は一路、学校に向かって歩いていく。昨日一緒に行くと、自分のお姉さまと約束したことも忘れて・・・・。



 朝起きたら母はいないのではないかと思ってた。朝はいつも朝食を作ったり、なんやかんやで忙しいから。その予想も外れて、幸せそうな顔で眠る私の母の顔を見ながら私は昨日の事、記憶が所々消えていることを思い出していた。そして、なぜかあの派手な顔の人と顔は見えないが髪の長い長身の女性のことを。顔もわからず、名前も思い出せないのに何故こんなにも気になるのだろうか・・・。消えた記憶の中にあるのだろうと予測はつくのだが、なぜかそこで思考は止まってしまう。涙は流したくない。母をこれ以上心配させたくないし、なにより、泣くことで大事な物が消えてしまうような気がしたからだ。
 
 人はツライ事を忘れることで生きていく。誰が言ったか知らないがそんなことを思い出していた。ツライことを忘れるのは泣けばいい。涙の成分にはストレスが混じっていると言う。泣くことでストレスを発散し、少しづつ忘れていくのだろう。しかし、私にはこの、キオクも無くなるようなツライ事が大切な物であったような気がするのだ。だから、私はもう泣きたくない。これ以上、私の大事な物を無かったことにしたくないのだ。あぁ、昨日とは違うこの思考は母の温もりのおかげだろうか。昨日寝る前のどーでもいい感じなど無くなっている。キオクはまだ戻らないが、これ以上無くなることもないだろう。それに学校に行けば思い出すかもしれない。そうすると私はやはりツライ思いもするのかなと考える。でも、そのツライ気持ちも私のものだ。消えてなくなって良い物ではないのだろう。だって、キオクが無いことがこんなにもツライのだから。泣くことさえしなければ記憶もまた戻ってくるかもしれない。きっとそうだ。そう考えているうち、どこからともなく味噌汁のいい匂いが漂ってくることに気づいた。母はここで寝ているので父か弟の祐麒だろう。こんなにも私を気使ってくれる家族に感謝しながら私はもう少し、母の温もりの中にいたいと、目を瞑りまどろんでいくのをかんじていた・・・。


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 今回はホントに笑い無し。令ちゃんを忘れるのはデフォです。エライ人にはそれがわからんのですよ!!

 っていうか前回も見切り発車で書いたため、今回は難産でした。連載って大変なんだなーと思いました。頑張って終わらせることを目指します。しかし、書くうちに狙撃された〜に繋がるのは無理なのではという思いがふつふつと・・・。うん、あっちはあっちで連載かな・・・。もうすこし考えさせてください。


(コメント)
にゃ >あなた、どこの技術者ですか〜(ちょい笑) まぁ、無理しない範囲で暴走してくださいませ(こらこら) 無理は身体によくないです〜、うん。(No.9021 2006-04-21 23:16:43)
翠 >この話から狙撃かぁ・・・って狙撃!?  別々にするのかな?どうするのかな?ともかく、頑張って下さい。(No.9037 2006-04-22 03:16:55)
砂森 月 >ああ、そういう事態なのねとここまで読んでようやく分かった人。でもこれは大変なことになりそう。。(No.9049 2006-04-22 18:33:10)

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