がちゃS・ぷち
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No.217
作者:joker
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2005-07-13 22:41:01
萌えた:1
笑った:1
感動だ:12
『明日』
薔薇の館、ビスケット扉を開けると、祐巳さまが泣いておられる様子がいきなり飛び込んできた。
「ゆ、祐巳さま?いったいどうなされたのですか?」
私は慌てて祐巳さまに駆け寄ると、祐巳さまは泣き腫らした目で瞳子を見上げて、
「と、瞳子ちゃ〜ん。」
と言って私に抱きついてこられた。
「ゆゆゆ、祐巳さま!?本当に、どうなされたのですか?」
私が困惑していると、祐巳さまは私から離れて一冊の本を取り出した。
「あのね、令さまから小説を借りて読んでたんだけど、余りにも悲しい小説でね。」
そう言って祐巳さまは、私に、読んでみて、と本を渡される。
その本の題名は『リバーズ・エンド』。全6巻からなる小説で、悲しい運命を受け入れた少女と、過酷な運命を背負う少年の淡いラブストーリーである。透明感のある独特な文体が特徴的であった。
「私ね、それを読んであの雨の日を思い出したの。」
「祐巳さま……。」
かつて自分が引き起こしたしまった事件の事を言われ、心が軋む。
「それでね、この男の子の気持ちに共感しちゃて……。
おかしいよね。お姉さまはもう卒業されたのに、こんな事を思い出すなんて。でもね、もうあんな事、起こって欲しくないから、きっと思い出しちゃうのかもしれない。」
そう淡々と語る祐巳さまに、私はお借りした本を祐巳さまに手渡す。
「瞳子ちゃん?」
「私は、ずっと祐巳さまの側にいますわ。断られてもずっといますから。明日も明後日も…ずっと……。」
私の言葉に、祐巳さまは優しい笑みで浮かべて、私を抱き締める。
「ありがとう、瞳子ちゃん……。」
〜川の終わりは海の始まり〜
〜絶望の終りは希望の始まり〜
つむぐ明日に思いをたくし……。
(コメント)
joker >シリアス・セカンド!結局分かりにくいネタを使ってしまう………。(No.750 2005-07-13 22:44:00)
joker >シリアス・セカンド!結局分かりにくいネタを使ってしまう………。(No.752 2005-07-13 22:54:22)
mim >その後、「半分の月」で彩子おばあさまを看病する祥子さまの気持ちを思ってしまう祐巳であった。(No.770 2005-07-14 12:40:26)
joker >お、おお〜!分かってくれる人がいた!ついでに、レイジング・リバーも分かって欲しいと「黒い三連星のうちが一人」は思う。(No.797 2005-07-15 13:45:42)
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