がちゃS・ぷち

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No.2177
作者:砂森 月
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2007-03-01 22:24:31
萌えた:13
笑った:1
感動だ:0

『努力を続ければグラタン甘え上手な女』

※未使用キー限定タイトル1発決めキャンペーン第12弾
 タイトルからして少しおかしいですが気にしてはいけません(何



 最近の令ちゃんは連日受験勉強を頑張っている。ならばやはり応援したりするのが妹の務めではないだろうか。
 ということで。
「令ちゃん、夜食作ってきたよ」
「あ、由乃。わざわざありがとう……って、何これ?」
「グラタンよ」
「グラタンねぇ……」
 疑いの目を向ける令ちゃん。まあ確かに由乃もこんな赤いものを出されてグラタンと言われれば首をかしげるかもしれないけれど。
「ちょっと分量間違えちゃったけど、ちゃんとしたミートグラタンよ。お母さんにも見てもらったし」
「そう。なら大丈夫ね」
「なら大丈夫って何よ」
「ごめんごめん。じゃあ早速……」
「どうぞ召し上がれ」
 そりゃ確かに由乃は料理が得意な方じゃないけれど、仮にも妹の作ってきた料理なんだから。まずは素直に一口食べてみるのが姉じゃないのとか思ったのだけれど。
「どう、令ちゃん」
「……からーい」
「ええっ……うわっ、これ失敗作の方だ」
「そ、そうだったの……」
「ごめん令ちゃん、すぐに成功した方持ってくるから」
「う、うん」
 令ちゃんの言うとおり、真っ赤なグラタンはとんでもなく辛かった。思い立ったら即行動の由乃が最初に作ったこの失敗作はお肉に大量の豆板醤を入れてしまって、成功作は見かねたお母さんに手伝ってもらってどうにか完成したのだった。どちらもお肉を大量に入れてしまったから見た目では判断が付きにくい。
「ということで今度は成功作の方よ。はい、あーん」
「ち、ちょっと由乃。恥ずかしいってば」
「どうして? 誰も見てないわよ」
「見て無くても恥ずかしいものは恥ずかしいの」
「いいじゃない、減るもんじゃないし。それとも私の作った料理は食べられないとでも言うつもり」
「そんなことないよ。食べる、食べるから」
「じゃ、あーん」
「だから、自分で食べられるってば」
「令ちゃん、私のこと嫌い?」
「そんなことないから。ああもう、分かったよ」
 怒っている風に言われても、表情を見れば照れてるのは丸わかり。なんだかんだ言ってもこういうところは可愛いんだから。
「どう?」
「うん、おいしい」
「よかったぁ」
 こっちも不味いって言われたらどうしようかとも思ったけれど、そこはお母さんパワーのおかげもあって大丈夫だったようだ。

 でもって最近受験勉強で構ってもらえないから本当はもう少し甘えたかったけど、邪魔したらいけないから食べ終わったお皿を持って早々に引き下がった。でも今日のことで不安になったのか、今後時間があるときに料理を教えてもらえることになった。これでこそ失敗作を「わざと」持って行った甲斐があるというもの。令ちゃんにもう少し甘えられると思うと、思わず顔がにやけてしまう由乃だった。だって、なんだかんだ言ってもやっぱり由乃は令ちゃんが大好きだから。


(コメント)
にゃ >ポンキッキでやってた『オムレツ上手は愛情上手さ♪』って言うの思い出したなぁ。したたかよしのんに萌えっ(No.14597 2007-03-01 22:34:50)
風 >甘いグラタン(笑) 由乃んかわいい。(No.14600 2007-03-02 00:36:01)
砂森 月 >コメントどうもです☆ やっぱり由乃は策士じゃないと(ぇ 何だかんだ言っても寂しいと思うんですよね〜(No.14610 2007-03-03 01:08:30)
キリヤ >黄薔薇家は好きですね〜。特に江利子さまに令に由乃の三人は見てて飽きませんからw でも一番好きなのは白薔薇家(ぉ(No.14611 2007-03-03 07:07:33)
クゥ〜 >由乃が確かに可愛い。でも、令なら冷凍品でも喜びそうだ(笑(No.14616 2007-03-04 00:08:40)
YHKH >大量の豆板醤ですか…身体は温まるでしょうけどね(苦笑)(No.14622 2007-03-04 03:05:08)
沙貴 >ふと思い出しました。黄薔薇は安泰。揺ぎない感じが素敵です。(No.14679 2007-03-11 10:20:24)

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