がちゃS・ぷち

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No.3457
作者:杏鴉
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2011-02-17 19:27:23
萌えた:6
笑った:9
感動だ:2

『フラグを立てようパラレルワールド』

これは、マリア様がみてるとサクラ大戦のクロスオーバーとなります。
というか、ただのネタです。





時は太正12年。
――帝都・東京。

ここ上野公園では、満開の桜に目を奪われている者が多い。
そんな中、桜を見上げるどころか、舞い落ちる花びらに心動かされた様子もない者がいた。
真新しい白の軍服に身を包んだ少女だった。
少女はまだ幼さが残る顔を強張らせ、直立不動の姿勢で立っている。
その立ち姿だけは軍人っぽいといえなくもないが……、
正直、軍服はまったく似合っていなかった。

少女の名前は福沢祐巳。
つい先日、海軍士官学校を卒業したばかりの正真正銘の海軍少尉だ。

祐巳に下された配属命令。それは、
陸軍きっての猛将と謳われた佐藤聖中将の配下となり、大帝国劇場に勤務すること、であった。

祐巳はまだ知らない。
帝都存亡の危機に命を懸けて戦う己の未来も、
共に戦うかけがえのない彼女たちとの出会いも――。



◇それぞれの出会い◇


――花組隊員・有馬菜々の場合。


「あの、あなたは福沢祐巳少尉でしょうか?」

約束の時間ぴったりに、桜色の着物に赤い袴といういでたちの少女が祐巳に声をかけてきた。
形の良いオデコと、好奇心の強そうなまなざしが特徴的な少女だった。

佐藤聖中将の迎えと聞いていた祐巳は、てっきり陸軍の人間が現れるのだろうと思っていた。
しかし少女は民間人にしか見えない。
戸惑う祐巳は少女からの質問に返事できずにいた。

「あれ? 違いましたか?」
「い、いえ。福沢祐巳は自分で間違いありません」

なぜか嬉しそうな少女に、祐巳は慌てて言った。
黙っていたらすぐにでも『福沢祐巳』を捜しに駆けだしかねない勢いだった。

「あー……やっぱりあなたが福沢祐巳少尉ですか」

なんだかとてもガッカリされた。
ため息までついている。

「あの……?」
「いえね。そっちの方がおもしろいかなと思ってわざと写真を見ずにきたんですけど、軍服姿だからすぐに分かってしまったんです」

あどべんちゃあ≠ノなりそうだったから案内役を買って出たのになぁ、と少女はぶつぶつ言っている。
心底残念そうな少女の様子に、うっかり申し訳ない気持ちになってしまう祐巳だった。




――花組隊員・藤堂志摩子の場合。


「それにしても立派な劇場だなぁ」

大帝国劇場。略して『帝劇』は外観もそうだが内装もまた豪華だった。
祐巳は感嘆のため息をつきながら玄関ホールでくるくる辺りを見回している。
その姿は田舎から東京見物に来た子にしか見えない。
軍服の持つ威圧感も、祐巳が身に着けると限りなくゼロになるようだ。

ちなみに上野からここまで案内してくれた菜々ちゃんはすでにいない。
帝劇に到着した途端に見失ってしまった。
ここに来るまでの会話で有馬菜々という少女の人柄をおおよそ掴んでいた祐巳は、たぶん何か面白そうなものでも見つけたんだろうな、とひとりで帝劇に足を踏み入れていた。

「やっぱり、どこからどう見ても劇場だよね……?」

自分は確かに大帝国劇場に配属された。
だからここは軍の拠点のはず。
しかしとてもそんなふうには見えない。

(ひょっとして諜報活動の場なのかな)

だとすれば祐巳もこの配属命令に納得がいく。
祐巳は軍服を着ている時でさえ、うっかりすると民間人に間違われるような人間だ。
民衆にまぎれこむのは簡単だった。
ただ思っていることが顔に出やすいので、敵中に潜入することにはまったく向いていなかったが。

「帝劇に何かご用?」
「え?」

いつからいたのか、祐巳の背後にふわふわ髪の美しい少女がいた。
祐巳だって士官学校で鍛えられた軍人の端くれだ。
その軍人相手にまったく気配を感じさせずに現れたこの少女に、祐巳は目を剥いた。

(うわー。綺麗な人だなぁ。西洋のお人形さんみたい)

……そこでいいのか驚くところは。

「ふふっ。はじめまして福沢祐巳少尉」
「あ、どうも。はじめまして」

微笑む少女にぺこりとおじぎしてから祐巳は、はてと首をかしげた。
自分はまだ名乗ってはいない。
どうしてこの少女は自分のことを知っているのだろう。
不思議そうな祐巳に少女は音もなく近づくと、そっと頬にふれてきた。

「あ、あの。なにを……?」

少女は何も答えない。
ただ、じぃっと祐巳の目を覗き込んでいる。
何もかもを見透かすような、そんなまなざしで。
まったく敵意や害意を感じないから、祐巳は少女を振り払うことができないでいる。
西洋的な美しさを持つ少女に至近距離で見つめられ、妙にドキドキしていた。

(この人って日本人……だよね?)
「両親共に日本人よ」
(そうなんだ。でも、こんな綺麗な人初めて見た。帝劇の関係者みたいだし、やっぱり女優さんなのかなぁ)
「えぇ。私も舞台に立っているわ」
(そりゃそうだよね。あれ?でもここは軍の拠点だから、劇場は諜報活動をするための単なる隠れ蓑じゃないの……?)
「……」
(ひょっとして、この人も軍属なのかな?)

西洋人形のような少女は、すっと祐巳の頬から手を離した。
少女から微笑みが消えている。

「私、戦争は嫌い」
「……え?」

少女の瞳が悲しげに揺れている。
この少女には何か戦争にまつわる悲しい記憶があるのかもしれない。
軍服姿の自分を見て、その記憶がよみがえってしまったのだろうか。
だとすれば申し訳ないことをした。
何も事情が分かっていないにも拘わらず、祐巳はどうやって少女を慰めようかと必死に考えている。

「でも、あなたのことは好きになれそう」

祐巳が焦っていると、何故か少女はふわりと笑った。

「私の名前は藤堂志摩子。よろしくね、祐巳さん」
「へ?あ、はい。よろしく」

舞台の準備があるからと、志摩子さんは去っていった。
祐巳はやわらかそうな髪がふわふわ揺れるのを、見えなくなるまでぼんやり眺めていた。

「あれ?私あの人と会話してた……よね?」

自分がほとんど口を利いていなかったことにようやく気付く祐巳。
祐巳が志摩子さんの能力を知るのは、もう少し後のお話。




――花組隊員・小笠原祥子の場合。


「福沢祐巳少尉ですね。先ほどから佐藤支配人がお待ちです」

祐巳が振り向くと、そこには長い黒髪の女性がいた。
今しがた二階から下りてきたらしい。
黒髪の女性は玄関ホールから奥に進んだところにある階段の踊り場に立っていた。

ゆっくりと階段を下りてくるその女性に祐巳は見蕩れてしまっている。
彼女が現われた瞬間から、場の空気が変わった気がした。
喩えるならばそれは冬の朝。
身を切るような冷たさでありながら、震えることを忘れるような澄み切った冬の日の朝だ。
無意識のうちに祐巳はぴんと背筋を伸ばしていた。

「あなたは?」
「小笠原祥子です」

ようやくしぼり出した祐巳の質問に黒髪の女性――祥子さまは答えた。
それは斬り捨てるような口調だった。
余計なおしゃべりなんてする気はないと、彼女の顔と態度が言っている。
祐巳は士官学校時代の教官を思い出した。

「佐藤中将閣下はどちらにお出でですか?」
「支配人室でお待ちです。……それと福沢少尉。ここでは佐藤さまのことは『支配人』とお呼び下さい」
「は、はい。了解致しました」

祐巳はつい上官に対するような返事をしてしまった。
本当はどうして佐藤中将を『支配人』と呼ばなければならないのか聞きたかったのだが、質問を受け付けてくれるとは思えなかったのでやめておいた。

「支配人室はあちらです。では、私はこれで」

自分の役目は終わったとばかりに祥子さまは背を向けた。
長い黒髪がふわりと揺れて小さな風が祐巳にぶつかった。いい匂いだなぁ、と祐巳は思った。
颯爽と去っていく後ろ姿を祐巳がぽーっと見ていると、急に祥子さまが振り向いた。
ビクッとなってしまった祐巳の方へ足早に戻ってくる祥子さまは、なんだか不機嫌そうだ。
まさか変な事を考えていたのがバレたのかと祐巳はおどおどしている。

「桜」
「……へ?」
「桜の花びらがついているわ」

言いながら祥子さまは祐巳の肩についていた花びらを取ってくれた。

「……ど、どうも」

祥子さまは不機嫌な顔のまま、黙って立ち去った。
と思いきや、数歩も歩かないうちにまた戻ってきた。

「髪の毛が乱れているわ」

失礼があってはいけないと思い、くせ毛の髪を苦労して撫でつけて耳の後ろでまとめていたのだが……、
どうやら春の風にイタズラされてしまったらしい。
慌てて髪を押さえる祐巳に祥子さまは冷ややかな言葉を浴びせる。

「身だしなみはきちんとなさい」
「申し訳ありません……」

祥子さまは立ち去った。
と油断させておいて即行で振り向いた。
あまりに早かったので、ただその場で回転したようにしか見えなかったほどだ。

「……まだ何か?」

祥子さまは無言で祐巳の襟元をちょいちょいと直すと、今度こそ本当に立ち去った。
初対面の人をあんなに不機嫌にさせてしまうほど自分はだらしない格好をしていたのかと祐巳は落ち込んだ。
嫌われてしまったかもしれない。
祐巳はとぼとぼと支配人室を目指した。

実は嫌われるどころかとっても気に入られていたのだと気付くのに、祐巳は数ヶ月かかった。




祐巳が初めて帝劇に来てから二年後。
花組に新たな仲間が増えることになった。




――元星組隊員・細川可南子の場合。


「私は世界中の男が大嫌いです」
「うわぁ。ワールドワイドになっちゃってる」

これは別の世界の元星組隊員よりも厄介そうだと祐巳は頭を抱えた。




――元星組隊員・二条乃梨子の場合。


階段で体勢を崩した志摩子さんを、市松人形のような少女が抱きとめた。
少女は何事もなかったかのような冷静な表情をしている。

「ありがとう」

身を離してお礼を言う志摩子さんを、少女は無言で見つめている。

「この子が元星組の二条乃梨子ちゃんだよ。仲良くしてあげてね」

近くにいた聖さまがにこやかに少女を紹介してくれた。
一連の出来事に、ぼーっとなっていた祐巳は慌てて自己紹介をする。

「初めまして、福沢祐巳です。花組の隊長をしています」
「二条乃梨子です」
「よろしくね。乃梨子ちゃん」
「よろしくお願いします」

乃梨子ちゃんは実にクールな子だった。
ほとんど表情を動かさず、必要な事だけを淡々と話すその姿はやはり人形を連想させる。

「あれ?乃梨子ちゃんどこ行くの?」
「命令があるまで自室で待機します」
「あのね。これから乃梨子ちゃんの歓迎会をやろうと思ってるんだけど、出てくれないかな」
「それは命令ですか?」
「えぇ!?そうじゃないけど……でもせっかくだから出てほしいなぁ」

乃梨子ちゃんは黙って考え込んでいる。
本人がどうしても嫌なら無理強いはできない。
けれど、

「乃梨子ちゃん。歓迎会に出たくないならそれでもいいよ。でもね。花組隊長として……ううん、人としてこれだけは言わせて」
「……」
「その鼻血は止めた方がいいよ。一緒に医務室に行こう。ね?」

乃梨子ちゃんはさっきから鼻血をダクダク流していた。
志摩子さんを抱きとめた時に流れだして、今もまだ勢いが治まっていない。
服なんてもう血みどろで、知らない間に刺されたんではなかろうかと疑うほどのありさまだ。
早急に止血しないと命に関わる。
刻一刻と死に近づいているというのに未だクールな表情を崩さない乃梨子ちゃんはそうとうの大物か、よっぽどのアレだ。

たぶん後者なんだろうなぁ、と祐巳は頭を抱えた。




◇おまけ1◇


大帝国劇場・お風呂場。
そこはうかつに踏み込めば信頼度が激減してしまうデンジャラスゾーン。
にもかかわらず、行かずにはおれない魅惑のシャングリラ。
それが、大帝国劇場のお風呂場だ。


――帝国華撃団副司令・水野蓉子の場合。


「あら、祐巳ちゃんもお風呂?」
「蓉子さま!?す、すいませんっ。すぐに出ますから」
「どうして?女どうしなんだから気にすることなんてないのよ」

別の世界の花組隊長とは違い、祐巳は女の子なのでお風呂場で誰と遭遇しようが怒られることはない。
……いいなぁ。

「こっちへいらっしゃい祐巳ちゃん。背中を流してあげるわ」
「いいえっ!結構ですっ!」

そしてたまにはこんなこともあったりする。
……羨ましい。

「遠慮しないの。さぁ、ここへ座って」
「は、はい」
「花組の隊長は激務だわ。疲れているでしょう?あの子たち、みんな個性が強いから」
「あはは……」

祐巳の力ない笑いに蓉子さまも苦笑を浮かべると、泡立ったタオルで祐巳の背中をやさしく擦ってくれた。
背中を洗う、くしゅくしゅという音が反響している。
恥ずかしさとくすぐったさで、祐巳は自分の膝をぎゅうっと抱きしめた。

「みんな我がままばっかり言って、いつも祐巳ちゃんを困らせているものね」
「そんな事は……」

ない、と言い切れないのが悲しいところだ。

「でもね。みんなあなたをとても信頼しているし、大切に思っているわ」
「蓉子さま……」
「だって祐巳ちゃんが帝劇にくるまで、あの子たちのあんなに楽しそうな顔、見たことなかったもの。我がままを言って困らせるのも、あの子たちにとっては一種の愛情表現なのよ」
「……はい」
「とはいえ、我がままが過ぎた時には私がちゃんとあの子たちを叱るわ。それと、愚痴を言いたくなったら、いつでも私のところへいらっしゃい。だから――」

蓉子さまはそこで手を止めると「あの子たちのこと、受けとめてあげてね」そう言った。
広いお風呂場で反響したその言葉が、祐巳の心にじんわりと沁みこんでくる。
「はい」と返事した祐巳の声は小さかったけれど、きっと蓉子さまには聞こえただろう。
だってここはお風呂場だから。
蓉子さまは「はい、おしまい」と背中の泡を洗い流してくれた。

「頑張ってね。隊長さん」

人さし指で祐巳のおでこを、つんとした蓉子さまはとてもやさしい顔をしていた。
みるみるうちに祐巳の顔が真っ赤になっていく。
それもそのはず、蓉子さまは今、祐巳の正面にいる。
さっきまでは背中側にいたから、祐巳は蓉子さまの姿を直接見てはいなかった。
だからまだ持ちこたえられていた。
しかし、今は祐巳の視界にばっちり入っている。
ここはお風呂場。当然ながら二人とも何も身に着けていない。

蓉子さまの美しい黒髪はほどよく湿り、ところどころ素肌に張り付いていて実に色っぽい。
白い肌の上を流れ落ちる雫をうっかり目で追えば、しなやかな肢体が自動的に祐巳の視界にジャストインするわけで……。

「きゅぅ……」
「あら、どうしたの祐巳ちゃん?」
「も、もうダメ……です」
「大変。のぼせちゃったのかしら。しっかりして祐巳ちゃん」

花組隊長・福沢祐巳。副司令・水野蓉子の魅力の前に撃沈。




――帝国華撃団総司令・佐藤聖の場合。


「ふっふっふ。よいではないか、よいではないか」
「ぎゃぁーーー!!」

想像どおりのことしか起こらなかったので割愛。
花組隊長・福沢祐巳。司令・佐藤聖のセクハラの前に撃沈……する寸前で、蓉子さまに救出され事なきを得る。

余談だが、水野副司令に連行されていった佐藤司令は、その後作戦司令室にて小一時間ほど正座させられたそうだ。


そこはうかつに踏み込んではいけないデンジャラスゾーン。
信頼度が上がることもあるものの、それが割に合わないほどの身の危険が常につきまとう。
にもかかわらず、行かないわけにはいかない困惑のシャングリラ。
それが、祐巳にとっての大帝国劇場のお風呂場だった。




◇おまけ2◇


地中深くにある広い空洞。
命ある者が踏み込めば、二度と日の光を浴びることがかなわない、そんな闇の気配が蠢く場所。
そこが、帝都転覆をもくろむ組織、黒之巣会の本拠地だった。

ぼんやりとした灯りの中、紅い花魁ふうの着物を身につけた女が煙管を弄んでいる。
髪は結っておらず、着物の上に流れるにまかせていた。
気だるげな表情と相まって、実に退廃的な色気を醸し出している。

「江利ちゃんが悪役だなんて……!いったい何を考えているんだっ!?」

女の傍に控えていた男たちのうち、ひとりが突然憤りだした。
その声を待っていたとばかりに、他の男たちも「そーだそーだ!」と口々に叫びだす。
ちなみに全身が紅い鎧で覆われているため、男たちの顔は見えない。

「こんな暗くてじめじめした所で江利ちゃんをスタンバイさせておくなんて失礼じゃないか!」
「「そーだそーだ!」」
「舞台でスポットライトを浴びることこそ江利ちゃんにはふさわしいんだ!」
「「そーだそーだ!」」

どうでもいいが動くたびに鎧がガションガション鳴ってうるさかった。

「よし。こうなったら我々で直談判をしよう。江利ちゃんを帝劇のトップスタアにするぞ!」
「「おぉーっ!!」」

盛り上がる男たちを尻目に、黒之巣会死天王のひとり、紅の江利子はぼそりとつぶやいた。

「どうせなら首領役をやりたかったわ」





ネタが古いので、bqexさまを見習ってフォローを追加しておきます。


『サクラ大戦』
帝国華撃団・花組隊長である大神一郎が帝都の平和を護る、というお話。
プレイヤーの分身である大神の行動により隊員たちとの信頼度が上下する。
物語後半で隊員の中からヒロインをひとり選び、隊員ごとのエピローグが見れる。
恋愛ゲーム要素とアドベンチャーゲーム要素のどちらも兼ね備えたゲーム。


『帝国華撃団』
帝都を防衛する目的で設立された組織。
花組は帝国華撃団の実戦部隊で、霊子甲冑と呼ばれる機械仕掛けの甲冑に身を包み悪と戦う。
霊子甲冑を操るには強い霊力が必要で、霊力の足らない者には動かすことは不可能。

有事の際には華撃団として帝都の人々を護るために戦う花組のメンバーだが、普段は歌劇団として人々を楽しませている。
花組の隊員たちは舞台女優。大神はモギリ(入り口でチケットの確認をする人)として活躍している。


『花組隊員・真宮寺さくら』

北辰一刀流の使い手で、剣の腕前は相当なもの。
ビジュアル的には大和撫子だが、ほんのりとしたドジッ子属性の持ち主。
新人の頃、履き慣れないパンプスで舞台に上がった際、足首をグネって大道具もろとも転倒。舞台上を半壊させ、しばらく休演にした猛者。
かなりのヤキモチ焼きで、大神が綺麗な女性と仲良くしているとたいてい背後におり、信頼度を下げて風のように去っていく。

このSSにおいては有馬菜々が彼女の役割を果たしている。


『花組隊員・アイリス』

本名はイリス・シャトーブリアン。大富豪でありフランス貴族でもあるシャトーブリアン家の娘。
花組最年少で、第一作目開始当時9歳。花組の中で最も霊力が強い。
シャトーブリアン家はいわゆる超能力者と呼ばれる者が多く生まれる家系だった。
その中でもアイリスは歴代最強のチカラを持っていて、瞬間移動や物体浮遊、読心術など、あらゆる超能力を使える。
アイリスは赤ん坊の頃からそれらの能力が発動しており、幼すぎてチカラの制御ができずにいた。
世間の好奇の目から護るため城に幽閉され、帝国華撃団にスカウトされるまでずっとその状態がつづいていた。

花組隊員となってからは、自分と同じようなチカラを持つ仲間と出会えたことで無邪気な笑顔を見せるようになる。
子供あつかいすると怒るが、言動は子供そのもの。

このSSにおいては藤堂志摩子が彼女の役割を果たしている。


『花組隊員・マリア・タチバナ』

ロシア人の父親と日本人の母親とのハーフ。
プラチナブロンドの髪にエメラルドグリーンの目という日本人要素ゼロの容姿をしている。
元ロシア革命軍の闘士。アメリカでマフィアの用心棒をしていた時に、帝国華撃団にスカウトされた。
花組結成当時からの隊員で大神が着任するまでは隊長を務めていた。
実戦経験のない大神をなかなか隊長とは認めてくれなかったが、心から大神を信頼するようになってからは良き副隊長として大神をサポートしてくれている。
長身なこともあって舞台ではもっぱら男役を演じ、若い女性からの黄色い声援を浴びている。

後に巴里華撃団や紐育華撃団が設立されるが、隊員同士の結束の強さでは帝国華撃団には敵わない。
それはヒロインになるならないに拘わらず隊員をまとめてくれるマリアの存在が大きいだろう。

このSSにおいては小笠原祥子が彼女の役割を果たしている。


『元星組隊員・ソレッタ織姫』

イタリア名門貴族の娘。日本人の父親とイタリア人の母親とのハーフ。
花組が結成される以前に試験的に作られた部隊、星組の元隊員。
自分と母親を捨てた父親を憎むあまり、日本人の男すべてを嫌っている。
そのため、日本男子である大神への信頼度はなかなか上がらない。
大神のとりなしで長年誤解していた父親と和解してからは、まともに信頼度が上がるようになる。
しかしそれはヒロイン決定のほんの少し前というタイミングであるため、他の隊員に嫌われるくらいのプレイをしないと織姫を親密度ナンバー1にするのは難しい。

国民的アニメに登場する丁寧すぎるしゃべり方の幼児タ○ちゃんと、ひと昔前の女子高生を足して2で割ったような言葉遣いをする。
ちなみに、生粋のイタリア人である母親の方が織姫よりも美しい日本語を使っていた。
織姫が誰に言葉を習ったのかは未だに謎。

このSSにおいては細川可南子が彼女の役割を果たしている。


『元星組隊員・レニ・ミルヒシュトラーセ』

ドイツ出身。名前の「ミルヒシュトラーセ」は英語だと「ミルキーウェイ」、つまり天の川を意味している。
花組が結成される以前に試験的に作られた部隊、星組の元隊員。
当初は男の子だと思われていたが、大神にプールで裸を見られるか、お風呂で裸を見られるか、温泉で裸を見られることで女の子ということが判明する。
戦時中に行われていた非人道的な研究の生き残り。レニはその研究で人間らしい感情を排除され、戦うためだけのマシーンとして育てられた。
戦後保護され、星組の隊員となった後もレニの感情は戻らず、基本的に無表情でいることが多い。

失われた子供時代を刺激されるのか、大神に心を開く前からアイリスに対してだけは他の隊員とは違う反応を示していた。
登場してからずっと無表情だっただけに、後半で見せるはにかんだような表情や輝くような笑顔に心を奪われたプレイヤーは多いに違いない。
私は奪われました。

このSSにおいては二条乃梨子が彼女の役割を果たしている。


『帝国華撃団副司令・藤枝あやめ(かえで)』

第一作目では姉のあやめ、二作目以降は妹のかえでが華撃団の副司令を務めている。
ちなみに、この姉妹は髪型と普段着以外は顔も声優さんも同じ。
姉妹共に陸軍に所属しており、武芸にも秀でている。

歌劇団の方ではどういった役割を果たしているのか定かではないが、米田支配人のサポートであるのは間違いないだろう。
大神を巡る恋愛要素に参加しても問題ないと思えるが、一歩引いた位置で良き上官、良き姉としてみんなを見守っている。

このSSにおいては水野蓉子が彼女の役割を果たしている。


『帝国華撃団総司令・米田一基』

軍に関わる者でその名を知らぬ者はいない、という英雄。
花組の隊員を実の娘のように可愛がっている。
勝つために味方の犠牲をいとわないような、ただの軍人に花組のみんなを任せるわけにはいかないと、飲んだくれを装って大神を試した。

歌劇団では支配人として大神たちを温かく見守っている。
マリアのシャワーを覗く大神を見つけた時には、上官命令で場所を譲らせベストポジションで覗きを行ったりする楽しいオヤジさん。

このSSにおいては佐藤聖が彼の役割を果たしている。






(コメント)
杏鴉 >久しぶりにサクラをやろうとしたら、セーブデータがぶっ飛びました。クリア後のおまけも含めてコンプリートしてたのに(泣)。悲しみのあまり、ついこんなもの↑を書いてしまいました。(No.19802 2011-02-17 19:30:14)
bqex >(´・ω・)ノ先生、神崎すみれさんがいません! (´・ω・)ノ先生、李紅蘭=由乃でエリカ=栞で続編はまだですか? (´・ω・)ノ先生、支倉令の君と歩もう、純情一路は結構です!(←食いつきすぎだって)(No.19803 2011-02-17 22:33:13)
杏鴉 >コメントありがとうございます。そして勝手にお名前を出してすいません。^^;初めは神崎さんもいたんですが、長すぎるのでカットしてしまいましたゴメンなさい!李=由乃の予定でしたが、まったく書いておりません!そしてエリカですが……って、もうちょっと帝都にいさせてください!小笠原さんが荒れてしまいます!それから最後の支倉さんのくだりが分かりませんっ先生!(No.19805 2011-02-18 00:15:17)
bqex >戦闘中なのに異世界のような何かになる合体攻撃ってこれじゃなかったでしたっけ?(No.19806 2011-02-18 01:01:19)
杏鴉 >なるほど。あの二人だけの世界を創造して敵にスピリチュアルダメージを与える合体攻撃中のセリフでしたか。すっかり忘れてますね私^^;(No.19808 2011-02-18 20:19:44)

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