がちゃS・ぷち

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No.3878
作者:ヘススナバス
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2018-05-05 12:01:02
萌えた:1
笑った:4
感動だ:2

『支倉令の苦難』

【No:3877】の続き
マリみてと城下町のダンデライオンのクロス的な何か。
革命は起きなかった



「ふんふふーん♪」

今日の私はご機嫌である。祥子様と姉妹になることが出来たからだ。
今日は薔薇の館で反省会があるので早めに家を出た。

「あら、祐巳ちゃん。ごきげんよう。」

「ごきげんよう!葵お姉ちゃん早いね。」

ついお姉ちゃんと言ってしまった。学校では気を付けないと。

「私は委員会があるのよ。祐巳ちゃんは反省会だっけ?」

「よくご存じで。」

「志摩子ちゃんが言ってたからね。学校まで一緒に行きましょうか。」

そう言って二人で歩き出した。

「そういえば昨日は美味しい料理ありがとうございました。」

「いえいえ。めでたいことだし、うちの子たち姉妹つくらなさそうでそういう機会なさそうだしこっちとしても楽しかったわ。」

奏様と茜ちゃんは確かにつくらなさそうだ。

「岬ちゃんは姉つくるかもしれないよ?」

「本当?祐巳ちゃんが妹にするの?」

「全然そんなこと考えてないです!まだ妹になったばっかりだし…そうじゃなくて演劇部の縦ロール先輩です。」

「ああ、前に言っていた子ね。祐巳も会ったの?」

「ええ。文化祭の時に。なかなか癖の強そうな子でしたけどね。」

私じゃとても姉妹になれないだろうなぁ。

「そうなんだ。岬には王族へのインタビューとかいろいろ引き受けてもらっちゃってるから学校では自由に過ごしてほしいわね。」

「そういえば、光が最近何か始めたようなのよ。」

「光ちゃんが?」

櫻田光ちゃん。小学5年生で櫻田家の5女である。能力は対象物の成長具合を変化させる生命操作というものだ。

「うん。何を始めたのかわからないんだけど突き進んじゃう子だから祐巳も見守ってあげてね?」

「わかった。」

光ちゃんなにを始めたんだろう。

葵様とはマリア像のところで別れて私は薔薇の館へ向かった。


「ごきげんよう。」

私は入って挨拶をした。

「ごきげんよう、祐巳ちゃん。遅れずに来てえらいわね。」

紅薔薇様が挨拶してくださった。中には紅薔薇様とお姉様だけがいらっしゃった。

「ごきげんよう、祐巳。紅茶入れてくれるかしら。」

「は、はい!お姉様!」

私は荷物をお姉様の隣の席に置き、紅茶を入れに行った。

「あら、やっぱり姉妹になったのね。おめでとう。」

私のお姉様という言葉に反応して紅薔薇様がそう言ってくださった。

「やっぱりっていうのは?」

私はその部分が気になったのでそう言った。

「祥子がなぜかそわそわしていたから何か隠しているのは分かっていたのよ。
しかし祐巳ちゃんは姉妹になってもどっしりしているのに祥子はそわそわして祐巳ちゃんの方がお姉様みたいね。」

そういってクスクス笑った。
多分櫻田家と過ごしてきたから多少のハプニングには慣れているからだろう。
そうでなかったらお姉様とさえ呼べなかった未来もあったのかな。
今の状態でもお姉様にタイを直してもらった写真を見た時は慌てたけど。
櫻田家と付き合うのは大変だったけどそういうところは感謝したい。

その言葉にお姉様が反応したが紅薔薇様は軽くあしらっている。

そうしていると志摩子さん、黄薔薇の蕾の姉妹、黄薔薇様と次々に入ってきたので合わせて紅茶を準備した。
途中で志摩子さんと由乃さんも手伝ってくれた。
祥子様にいただいたロザリオについて由乃さんが興味津々だったので先に妹になったことを伝えたら二人ともいい笑顔でおめでとうと言ってくれてうれしくなった。

「白薔薇様遅いわね。」

「まあどうせ忘れてるんでしょ。」

紅薔薇様と黄薔薇様がそんな会話をしていた。

「ちょっと祐巳さん聞いてる!?」

そんな中私と志摩子さんは由乃さんに絡まれている。
今日の由乃さんはアグレッシブである。

「ほらほら、由乃。祐巳ちゃんも志摩子も面喰ってるよ。二人ともごめんね?由乃は元来こういう性格なんだ。由乃もあんまり張り切るとまた熱出るよ?」

「ふふふ、令ちゃん。そんな由乃とはもうおさらばよ!皆様、わたくし島津由乃は心臓の手術を受けることをここに宣言します!」

それは本当に爆弾発言だった。

「よ、由乃!突然なんで!」

令様が慌ててる。

「令ちゃんがいつまでも独り立ちしないからよ。っていうのがついでの理由で」

「わ、私がついでの理由…」

令様が部屋の隅で体育座りで落ち込んでしまった。

「祥子、ちょっと令を慰めてあげて。」

「なぜ私が…はぁわかりました。」

紅薔薇様がお姉様にそう頼みお姉様はしぶしぶ従った。

そして暴走機関車はまだ止まっていなかった。

「もう一つの理由は!さっちゃんのライブに行くためです!」

「さっちゃん…」

そう黄薔薇様がつぶやいてみんなでお姉様を見た。

「違います。さっちゃんは祥子様じゃないです。」

由乃さんは首を横に振った。

「さっちゃんはアイドルです。米澤紗千子という名前の。偶然祥子様と同じお名前ですが祥子様の芸名ではないです。」

さっちゃん…あー茜ちゃんが好きだと言ってたのを聞いた覚えがある。

「祥子もリリアンのアイドルよね?同じようにさっちゃんっていう名前で売り出しましょうよ!」

黄薔薇様が楽しそうに言った。

「黄薔薇様!話の腰を折らないでください!」

由乃さんが黄薔薇様に噛みついた。

「というわけで手術を受けることにしました!」

そう言って着席したが室内には令様の祥子に負けた…と泣いている声と祥子様のさっちゃんは私ではありません!聞いているの令!?という言葉しかなかった。

「ごめん!遅れた!って何この状況?」

そう白薔薇様が入ってくるまでこういう状態だった。


「…ということです。」

紅薔薇様が白薔薇様に説明してあげてと言ったので私が説明した。

「いやーただものじゃないと思ってたけど由乃ちゃんのこの突然さは黄薔薇の血だね。」

そう言って白薔薇様は笑った。

「手術を受けるのはいいことだと思うけど言葉をしっかり選ぶべきよ。」

祥子様は令様の慰めを由乃さんと代わりちょっと疲れながらプリプリしている。

「そう言えば祥子もいうことがあるのではなくて?」

紅薔薇様がそう言った。

「この状況で言うのもアレですが…祐巳、いらっしゃい。」

そう言われ祥子様の隣に立った。

「このたび私と祐巳は姉妹になったことをご報告させていただきます。」

「おめでとさん。」

白薔薇様がそう言って手をたたいた。

「由乃ちゃんの方を後にすべきだったわね。インパクトが足りないわ。」

黄薔薇様はつまらなさそうにつぶやいた。

「インパクトですって!?そんなもの求められても困りますわ!」

「じゃあサービスしなさいよ。ロザリオ渡すまでの顛末を詳しく。」

「なんでサービスする必要があるのですか!」

「ね、ね。祐巳ちゃん!どうだったドキドキした?」

黄薔薇様の標的がこっちに来た。

「えっと、ドキドキしましたけどうれしさの方が強かったです。やっと私一人を見てくれたんだって。」

「祐巳ちゃんは健気だね。さっちゃんこんないい子滅多にいないんだから大切にしなきゃだめよ?」

白薔薇様が私に手をまわしてそう言った。

「もちろんですわ。それとさっちゃん呼びはやめてください。」

さっちゃんという言葉に令様が反応した。
令様の方を見ると由乃さんがさっちゃんは祥子様じゃないと洗脳していた。

「それじゃあ報告も終わったことだし反省会始めましょう。」

紅薔薇様のその言葉で反省会が始まった。
黄薔薇の蕾の姉妹は無視するらしい。


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