がちゃS・ぷち

[1]前  [2]
[3]最新リスト
[4]入口へ戻る
ページ下部へ

No.542
作者:朝生行幸
[MAIL][HOME]
2005-09-13 13:13:33
萌えた:1
笑った:19
感動だ:0

『夢にも思わない壊滅的打撃』

「お姉さま」
 小笠原祥子が、姉の水野蓉子に呼びかけた。
「祥子、どうしたの?」
「実は、大変珍しい食べ物を入手しましたの。よろしかったら、お召し上がりになりません?」
「なになに?いったいどんなの?」
 瞳と凸をキラキラと輝かせながら、蓉子よりも先に鳥居江利子が反応した。
「祥子が珍しいって言うんだから、相当のものだよね」
 興味津々と、佐藤聖までが口を挟む。
「そうね、祥子がよければ、明日の放課後、みんなでいただきましょうか」
「分かりました。それでは明日、薔薇の館に準備しておきますわ」
 祐巳、由乃、志摩子たちも、期待に胸を膨らませていた。

 取り皿やフォーク、飲み物など、全ての準備が整い、山百合会関係者全員が席に着いていた。
 あとは祥子が言うところの、『大変珍しい食べ物』の登場を待つばかり。
 ワクワクという効果音が、実際に聞こえてくるようだ。
 祥子が、満を持してカバンから取り出した大きな缶詰。ラベルには、魚の絵が描かれていた。
 それを横目で見ていた蓉子は、
「あっと!ごめんなさい、クラブ棟に行かなければならないのだったわ。祥子、先に進めておいて」
「召し上がってからでもよろしいのでは?」
 慌しく立ち上がる蓉子を、引きとめようとする祥子。
「いえ、約束の時間ギリギリなのよ。すぐ戻るから、みんなお先にどうぞ」
 まるで、逃げ出すかのように、部屋から飛び出る蓉子だった。
「…まぁ、お姉さまがそうおっしゃるなら。では、開けますわね」
 缶切りをあてがい、ぐっと押し込む。
 プシュー。
『ぎょべらわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!』

 薔薇の館は、一ヶ月間使用禁止になった。


(コメント)
みゆき >缶詰の正体は、『シュールストレミング(又はシュールストローミング)』でした。知る人ぞ知る、世界一臭い食べ物。(No.2002 2005-09-13 13:15:45)
Kei >これって冗談ではなくホントに1ヶ月ほど匂いが取れない(No.2012 2005-09-14 02:15:30)
Kei >道とか空き地とかに汁を撒くと野良猫・野良犬除けになると言うとって面白い食べ物でもある(No.2013 2005-09-14 02:20:31)
Kei >確かに美味しいんだけど匂いに弱い人は吐いちゃうと思う。クサヤ・腐乳・鮒寿司なんかがばくばく食べられるようでなくては無理でしょう。(No.2014 2005-09-14 02:29:48)
マリみて放浪者 >この缶詰を食べるときはポテトを添えましょう。(No.2037 2005-09-14 18:53:26)
ケテル・ウィスパー >酢飯に乗せるのは反則ですか?(No.2038 2005-09-14 19:15:49)
ユ >興味があるので明治屋で買おうと思って店員に聞いたら、興味で買う物ではないと思いっきり止められた。そんなに凄いのかなー(No.2041 2005-09-14 20:36:18)
みゆき >令ちゃんを書き忘れていました(汗)。彼女なら、蓉子同様知ってそうですよね。(No.2076 2005-09-15 22:05:48)
Kei >単に興味で試しみたい場合はキャンプとかの野外でした方が良い。汁とか余ったのは埋めちゃえば何とかなるから。(No.2090 2005-09-16 02:33:05)
Ceek >五感の2個くらいが欠けてる人ならばなんとか食べられるのでは・・・(No.16273 2008-03-04 21:10:09)

[5]コメント投稿
名前
本文
パス
文字色

簡易投票
   


記事編集
キー

コメント削除
No.
キー


[6]前  [7]
[8]最新リスト
[0]入口へ戻る
ページ上部へ