がちゃS・ぷち
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No.1716
作者:春日かける@主宰
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2006-07-23 06:59:01
萌えた:1
笑った:8
感動だ:0
『電波黒令(18禁)』
──それは、放課後のとある一室での出来事。
「私の神様がそう告げるのよ」
令の指先が、白色の表面を撫ぜる。
志摩子はその指の動きを目で追いながら、小さく口を開いた。
「聞こえないよ。もう一度」
今度は乱暴に、指先に力を込める。
「──あっ、令さま」
「なに?」
「そんな……乱暴に……」
志摩子の表情を見て、令は微笑んだ。
「志摩子は可愛いね」
「えっ」
「可愛いって言ったのよ」
「そんな──嘘です」
志摩子は身体を強張らせた。令が再び乱暴にしたのだ。
「──見て、志摩子。私が、映ってる」
「ここからでは……見えません」
「じゃあ、もっと近づけばいい」
令が強く引っ張ったので、志摩子は慌てて身体を前に出した。
「おっと」
ふわり。
令の手の中に白薔薇が。
「いい香り」
「令さま」
「なに」
「あの……床が」
「ん? ああ、床がびしょびしょだ」
足元は濡れていた。思った以上に流れ出たんだな、と令は思った。
砕け散ってしまった器は、もう元には戻らない。
「じゃあ、綺麗にしようか」
令は優しく、指先を動かす。
白。白。時折、黒。
指が動くたび、とても心地よい音が奏でられていく。
その時、部屋の入り口に立っていたのは、
「……令さまの神様」
「そう。私の神様」
志摩子は慌てて立ち上がり、令は笑顔を浮かべたままだ。
「──令、ちゃん?」
「由乃もおいで。一緒に、さぁ」
「駄目、由乃さん、こないで」
「令ちゃん、また……」
「うん、やっちゃった」
悪びれもせず、令は微笑んで言った。
指をそっと伸ばす。白い、まるで大理石のようなそれを撫ぜていた指を。
「志摩子さん」
「……はい」
「ごめんね」
「いえ、いいのよ。令さまの曲、私も好きだし」
「でもたまにおかしくなっちゃうのよね」
由乃は歩み寄る。
「あっ、そんなに」
「いいのよ。花瓶、割れちゃったね」
床に散らばる花瓶のかけら。中に入っていた水は全て床に広がり、それは令の足元にも届いていた。
中に入っていた白薔薇は、令が左手に持っていた。その右手はせわしなく鍵盤を叩いている。
「ちょっと令ちゃん、手伝ってよ」
「え?」
「え、じゃないわよ、全く。ねぇ志摩子さん、なんで花瓶割れちゃったの?」
「令さまが、急にピアノを動かしたの」
「なんでそんなことするのよ、令ちゃん」
「だって由乃、手入れが凄い丁寧で、私の顔が映るんだよ、ほら」
「手入れが丁寧でも、令ちゃんが乱暴にしたら意味ないでしょうが!」
由乃は一番低いオクターヴを強く押した。志摩子は身体を強張らせる。
「あ、ごめん……志摩子さん」
「折角、上手く弾けていたのに」
「いいから、令ちゃんも手伝う!」
「はーい」
──これは、放課後の音楽室での、出来事。
*****
三度目の馬鹿なお話にお付き合い下さい。別に18禁ではないですよ?
前回【No.1714】のお返事です。
>jokerさん>怖さを感じてもらえたら、俺は満足です。
>YHKHさん>俺の話は「二度美味しい」ってやつです(違
>ROM人さん>瞳子、どこいっちゃったんですか?(汗
(コメント)
ROM人 >令さまだとピアノを引きずり回す方の引くだったりとか。 そういえば、瞳子ちゃんもピアノを持ち上げたりするのが趣味だったり?(アニメのハガレンネタ)(No.11740 2006-07-23 21:28:09)
ひろっぴ >……何でこんなにセリフ回しがエロいの……っていうか文章やセリフ回しで、本来の意味とまったく別のことを想像させるトリックが上手いよね、春日氏って……(No.11741 2006-07-23 21:37:29)
YHKH >他者より妄想力の高い私に対し何という作品を…!理性がやばかったです(苦笑)(No.11743 2006-07-23 21:47:24)
ガチャSファン >18歳以上は禁止、という事でしょうか?(笑(No.11774 2006-07-25 00:44:00)
良 >あ、それならギリで大丈夫だw(No.11808 2006-07-26 18:34:57)
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