がちゃS・ぷち
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No.3775
作者:れいむ
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2013-09-28 18:40:49
萌えた:0
笑った:12
感動だ:0
『ありえませんダメだよ投げちゃ』
【短編祭り参加作品】
暗い闇の中で祐巳はひとり黙々と作業していた。
時間を忘れ、一心不乱に打ち込むさまはさながらマッドサイエンティストのようだ。
問題は分量だ。最初はほんのわずかでいい。気付かれてはいけないのだから。
大切なのは意識させないことなのだ。ほんのわずかでも続けていれば、やがてからだが慣れてくる。慣れるにしたがって、少しづつ量を増やしていけばいい。
意識とは関係なくからだが受け入れてしまったら、こっちのものだ。後はどうにでもなる。そこまで行けば、どれほどあがこうと後戻りはできないのだから。
こんなことをして、祥子さまは怒るだろうか。
なぜこんな体にしたと嘆くかもしれない。
いや、ひょっとしたら自分から欲しがるようになるかもしれない。もっと欲しいと哀願するようになるかも知れない。
どちらになってもかまわないと思う。いずれにせよ、祐巳は祥子さまに一生忘れられない爪痕を残したことになるから。そんな暗い思いにとらわれて祐巳は薄く笑う。
「なのにどうしてわかっちゃうんですか、お姉さま」
「わかるわよ、こんなにはっきりと見えているじゃない。悪いけれど、私いらないわ」
「あー、もう。ピューレではうまくいったから大丈夫だと思ったのになあ」
「どういうこと? ひょっとして今までにも入っていたの」
「先月から少しづつお料理に使ってたんです。一昨日のオムレツも人参入りだったのに、お姉さまちゃんと召し上がったじゃないですか」
「気が付かなかったわ。ああ、だから最近ずっとフードプロセッサーが出ていたのね」
「そうです。粗めのピューレでも大丈夫だったから、細かく切って入れてみたんです。これだけ細かくしたら気付かれないと思ったのに」
「これだけはっきり見えていたら気が付くに決まっているじゃない」
「どこに2ミリ角に切った人参に気付く人がいるんですか。しかも分かりにくいようにと餃子にいれたのに。ねえ、お姉さま、好き嫌い直しましょうよ」
一緒に暮らし始めて半年。祥子の偏食を治そうと奮闘する祐巳であった。
(コメント)
れいむ >ほとんど短編祭りだけの参加ですが、参加させていただきます。テーマを見て真っ先に浮かんだのは「進○の巨人」ネタだったのですが、告知とかぶっていたのでやめました。(No.20950 2013-09-28 18:44:46)
bqex >お祭り参加ありがとうございます。では、志摩子さんの「こんな汚い布しか無くて、ごめん」は来ないんですね。……ハア。(No.20953 2013-09-29 23:03:30)
愛読者v >そうそう(No.20957 2013-10-02 22:43:12)
くま一号 >何の成果もあげられませんでしたああ的な(No.20971 2013-10-11 10:54:42)
れいむ >bqexさま、愛読者vさま。いかがでしょう? 最初のネタとは全然違っちゃいましたが。→No.3785(No.20984 2013-10-14 16:57:47)
れいむ >くま一号さま>そうそう。でも祥子なら祐巳が作ったものは何でも食べそうな気がします。(No.20985 2013-10-14 16:59:41)
やなる哲 >当たり前のように同棲している紅薔薇姉妹、すばらしいですね。序盤の不穏な雰囲気もすきです(No.21020 2013-10-19 06:05:23)
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