がちゃS・ぷち

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No.417
作者:琴吹 邑
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2005-08-24 23:13:24
萌えた:16
笑った:1
感動だ:2

『ファーストコンタクトリクエスト』

「乃梨子ちゃん。何か悩みがあるなら、話聞くよ?」
 文化祭が終わって何もないこの時期、薔薇の館にいるのは、私と紅薔薇のつぼみの祐巳さまだけだった。
 黄薔薇姉妹は部活。紅薔薇さまは家の用事で帰られていた。志摩子さんは委員会で、まだ来ていなかった。
 私はぼんやりと窓の外を見ていたのだけど、そんな私から何か感じ取ったのか、祐巳さまがそんなことを言ってきた。
 祐巳さまにしては、察しが良いのかも知れない。そんな失礼なことを考えながら、考えていたことを多少なりとも形にする。
「うん。悩み……かな。でもまだ、自分でも、よくわからないんです。いや、漠然とはわかってるんだけど」
「私で良かったら、相談に乗るけど……志摩子さんの方が適任かな?」
 小首をかしげてそう言う祐巳さまを見て、私は決心をした。
 元々、うじうじ悩むのは趣味じゃないのだ。
「実は、祐巳さまにお願いがあるのですが……」
「うん、私でお役に立てるなら、いくらでも話を聞くけど」
 私は薔薇の館に私と祐巳さましかいないことを確認して、そして、祐巳さまに近づいた。
 そして、祐巳さまの耳元で、小さな事でそっと祐巳さまにあることを告げる。
「え! 祐麒に?」
 びっくりした声で、叫ぶ祐巳さまの口を慌てて塞ぐ。
「えっと、本気? なの?」
 びっくりした顔で、私を見つめる祐巳さまを見て、私はこくりと頷いた。

私がお願いしたこと。それは今度に日曜日に祐巳さまの弟さん――祐麒さんに逢いたいと伝えて欲しいというものだった。



【No:418】に続く


(コメント)
くにぃ >こんなところで止めないで早く続きをーーーっ!!(No.1384 2005-08-24 23:18:47)
くにぃ >この先の支援の意味も込めて一票。と思ったけど、どこに入れたものやら……(No.1385 2005-08-24 23:21:09)
くにぃ >悩んだ挙げ句、「萌」に一票。(No.1386 2005-08-24 23:24:36)
琴吹 邑 >連載ものというのにチャレンジしてみようと思って書いてみました。完結できるように頑張ります。(No.1387 2005-08-25 00:21:29)
くにぃ >急かしたみたいですみません。(No.1390 2005-08-25 00:39:21)
マリみて放浪者 >これは楽しみですね。(No.1394 2005-08-25 01:36:35)
ケテル・ウィスパー >乃梨子×祐麒、私が知っている限り4つ目かな?(No.1396 2005-08-25 01:50:49)
さんたろう >お姉ちゃんと呼ばせてあげて下さい(No.1403 2005-08-26 12:24:35)

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