がちゃS・ぷち

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No.445
作者:水
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2005-08-30 00:26:42
萌えた:2
笑った:21
感動だ:6

『きっと幸せあんかけ焼きそば』

作者:水『あつかましいさーこさまとアイデア料理【No:353】』の続きっぽい物?です。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


 今の時間は調理実習。 先生の説明の後、クラス一斉に調理に取り掛かった。

 由乃は祐巳さんと一緒に具と中華スープ作り。 今は大さじ小さじや台秤で、調味料の計量中。
 直ぐそこでは同じ班の真美さんと蔦子さんが、小麦粉の塊と格闘している。
 これは真剣勝負。
 由乃はあまり料理は得意ではないが、やるからには負けられない。 それになにより昼食も掛かっているのだし。

「祐巳さん、野菜は洗い終わった?――って、まだいじけてるの?」
 祐巳さんは先生の説明の直後からずっとこんな調子。
「だって…… 酷いよ、こんなの……」
 由乃にも気持ちは分からなくも無い、気がしないでもないが。
「そんなの普通間違える方がおかしいわよ。 ほら、祐巳さんいそいで」
「私、騙されたんだね……」
「騙された、って、そりゃまた大げさね」
「あらかじめ、違うものなんだってちゃんと説明してくれたっていいじゃない。 私、先週からずっと楽しみにしてたんだよ」
「…… そんな説明、普通『親父ギャグ』って笑われるだけだわよ」
「私、世界がこんなに厳しい物だって知らなかったよ……」
「あのね……」
「生きるって辛い事だったんだね……」
「…… 祐巳さん、もしかしてギャグで言ってるの?」
「そんなわけないじゃないっ! こんな裏切り、私許せないよ…… 酷いよ…… う、うぇ〜〜ん……」
「ああもう、こんな事で泣かないでよ…… しょうがないわね。 真美さん、蔦子さん! こっち私一人でやるから、手が空いたらヘルプお願いね!」
 それから三人慌ただしく働いて、戦力四分の一減の割には確たる戦果を挙げる事が出来た。 美味しかった。
 祐巳さんはずっとあの調子でベソかいていたんだけど、我ら三人の戦果はきちんとたいらげてた。


 その後お昼休み以降も祐巳さんは塞ぎこんだままで、みんな困っていたんだけど。
 不思議なお客様、岡持ち下げた祥子さまのお母さまが、放課後の薔薇の館に突然訪れて。
 甘党の祐巳さんの空想上の『あんかけ焼きそば』を人数分置いていかれたので、祐巳さん一人だけには笑顔が戻った。


(コメント)
柊雅史 >最初「?」でしたけど、気付いて笑った。「あん」違いですか!(No.1498 2005-08-30 01:35:39)
読み手 >他のメンバーは食せたのでしょうか?あん(こ)かけ焼きそば(No.1501 2005-08-30 01:54:51)
ケテル・ウィスパー >なるほど〜〜、山田君座布団やっとくれ。(No.1504 2005-08-30 02:04:47)
水 >解りにく過ぎたので、少々修正しました。(No.1524 2005-08-30 09:36:50)
さんたろう >私は子供の頃、本当にそう思っていました。流石に食べようとはしませんでしたが。(No.1563 2005-08-31 16:06:58)
水 >私、「あんかけ○○」って聞いたとき、まずこっちが一瞬脳裏に浮かびます…(No.1579 2005-08-31 20:31:28)

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