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あなたの1票が決める  No.3887  [メール]  [HomePage]
   作者:ヘススナバス  投稿日:2018-11-26 23:06:18  (萌:1  笑:4  感:1
【No:3886】の続き(多分)
マリみてと城下町のダンデライオンのクロス的な何か。



「ロサ・カニーナってご存知かしら?」

志摩子さんが挨拶もなしに薔薇の館へ来るなりそう言った。

ロサ・カニーナ…ロサカニ鍋。カニ鍋食べたい。

「祐巳さん絶対食べ物じゃないわよ。」

由乃さんは呆れながら私にそう言った。

「ねえ、ロサ・カニーナってだれ?」

令様が入ってくるなりそう言った。

「少なくとも祐巳の考えているような食べ物じゃないことが確定したわね。」

祥子さまも呆れながらそう言った。

私の頭の中でカニ鍋が人の形になってしまった。

「それでロサ・カニーナさんがどうかしたの?」

由乃さんがそう聞いた。お正月モードが抜け切っていないのか敬語じゃなくなっている。

「えーとたしか…そうだ!立候補するって。」

「へえ、受けて立とうじゃない。」

祥子さまはそう不敵な笑みを浮かべた。祥子さまなんだかんだで勝負事好きだよなぁ。

そう今リリアンは選挙が迫っているのである。それは次期薔薇様を決める大事な選挙なんだけど今年はちょっと大変なことになりそうだ。

基本的には蕾の人たちがそのまま薔薇になることが多いのだけれど…

「お姉様なら大丈夫ですよね!」

「勝負はやってみないとわからないわ。でも負けるつもりはないわよ。」

流石祥子さま!この自信満々な様子なら立ってるだけで票が入りそうだ。

しかしあたしはどうお手伝いすればよいのだろうか。この様子だと1人で何とかしちゃいそうで私は何の力にもなれない気がする。

「祥子さま、令さまより確率的に言えば私が落ちるでしょうね。」

志摩子さんがそう発言した。

「志摩子!」

祥子さまがたしなめるように呼んだ。

「その方が2年生ならむしろ自然なことではないでしょうか。」

「逃げるの?」

「いえ、私を妹に選んでくださったお姉様に申し訳ありませんもの。選挙には出ます。もちろん負けるつもりもありません。」

「ずいぶん消極的な強気ね。」

とりあえずここで議論しても仕方がないので情報を集めてまた集まることになった。


そして次の日私はロサ・カニーナについて調べるために図書館へ来ていた。

どういった薔薇なんだろう。

「むむ…」

検索したいが使い方がよくわからない。蔦子さんに付き合ってもらえばよかったなぁ。茜ちゃんは知らないだろうし。

「そんな難しい顔してどうしたの?福沢祐巳さん。」

「ロサ・カニーナという薔薇について調べたいんですけど使い方がわからなくて…。あ、使わないのに場所独占してすみません。」

後ろから話しかけられて場所を空けた。

「そうね。それにそろそろ遅刻になっちゃうから調べものなら昼休みか放課後にした方がいいわよ。」

「はい。そうします。」

「今日はお姫様やお嬢様と一緒じゃないのね。」

「はぁ。」

前者はきっと茜ちゃんのことで後者は祥子さまのことだろう。

「あら?祐巳こんなところで珍しいわね。」

別の方向からまた声をかけられた。

「あ、奏様。ごきげんよう。」

「はい。ごきげんよう。静もお疲れ様。」

「奏さんも朝から熱心ね。」

「奏様のお知り合いだったんですね。」

「ええ。ところでそろそろ出ましょうか。」

「はい!」

そう言って三人で図書館を出た。

「祐巳さん。ロサ・カニーナってどんな花だと思う?」

静さまが歩きながら尋ねてきた

「そうですね…黒薔薇でしょうか。」

「正解よ。」

静さまは微笑みながらそう言った。そうなのかぁ。そして私はごきげんようと言って教室に向かった。



「静どういうつもりなの?」

私は祐巳と別れた後静にそう聞いた。

「何が?」

「ロサ・カニーナについてよ。」

「祐巳さんが驚く顔が見たいじゃない。」

「はぁ…まったく。」

いい性格してるわ。ほんとに。




「というわけでロサ・カニーナについて調べてるんだよね。茜ちゃん何か知らない?」

「ふーん、私が知ってるわけないでしょ。」

「だよねぇ。」

「そう即座に納得されるとなんか複雑…。」

「ロサ・カニーナについてお調べで?」

茜ちゃんと話していると蔦子さんがやってきてそう言った。

「うん。蔦子さん何かご存じ?」

「名前は蟹名静。2年藤組、出席番号十番。合唱部所属」

「へ?」

「ロサ・カニーナの正体よ。」

「相変わらず凄いね蔦子さん…。」

茜ちゃんが驚きながら言った。

「今朝ひったくり犯を捕まえてた茜さんよりはすごくないわよ。」

「え、なんでそれを!」

「そりゃリリアン生の通学路ですもの。人の目はあるわよ。」

ちなみにこれがその写真ね。と言って蔦子さんが差し出してきた。
それは見事にひったくり犯にタックルをきめた茜ちゃんだった。

「写真まで…」

茜ちゃんはそう言って机に突っ伏した。

「それはそうと蟹名静さまについてはご存じ?」

「ううん。全然。茜ちゃん知ってる?」

茜ちゃんから返事がない。どうやらしっかり見られていたことが恥ずかしかったらしい。

「まあ祐巳さんは知らないわよね。後で由乃さんにでも聞いてみなさいな。」

「うん。そうする。」

蟹名静さまかぁ。どんな方なんだろ。



「それで蟹名静さまって知ってる?」

早速由乃さんに聞いてみた。

「超有名人じゃない!合唱部の歌姫って本当に祐巳さん知らないの?」

「いやー面目ない…。」

「まったく祐巳はどこか抜けてるわね。」

祥子さまがためいきをつきながらおっしゃった。

「冬休みの間にばっさり髪を切ったらしくイメージが変わっていらしたわね。」

志摩子さんが思い出すようにそう言った。

髪が短いのか…

「そういえば奏さんと一緒にいる所をよく見るわね。」

ん?奏さまの友人で静さまという名前、そして髪が短い。

「あー!!!!」

私は思い至ってつい立ち上がって叫んでしまった。

「祐巳!いきなり大声を上げるんじゃありません!」

「あ、はい。すみません。」

「それでどうしたの?」

祥子さまが聞いてきた。

「なんて申してよいのやら…多分その静さまにロサ・カニーナについて調べてると言ってしまいました。」

「それじゃあ宣戦布告みたいになってしまったわね。まあいいでしょう。」

祥子さまはそうおっしゃってくれたけどなんだか申し訳なくなった。

「そう言えば彼女白薔薇さまの妹候補って呼ばれていたよね。」

令さまが仕切りなおすようにそう言った。

私はつい志摩子さんを見た。パッと見特に何もないようだけど実際はどうなんだろうか。白薔薇はミステリアスでよくわからない。

静さまはどうして選挙に出たんだろうか。私には何もわからなかった。


その日の帰り忘れ物をしていたのを思い出したのでみんなには先に帰ってもらい一人校舎に戻った。

「あった、あった!」

忘れ物はしっかり回収できた。しかし祥子さまにもう少し落ち着きなさいとまた呆れられてしまった。なんとか挽回しなくちゃなぁ。と考えていると

「祐巳さん。今帰りなの?」

「あ!ロサ・カニーナ!」

「あら、もうばれちゃったのね。」

そう笑いながら言ったのは渦中の人である蟹名静さまであった。

「ひどいじゃないですか!言ってくれてもよかったのに。」

「わざわざあなたたちの敵のロサ・カニーナですっていうのも変じゃないかしら?」

確かにそれは変だな。

「カナちゃんも言ってくれたってよかったのに…」

「奏さんのことカナちゃんって呼んでるの?私も呼んでみようかしら。祐巳さんを見習ったって言って。」

「あ、やめてください!怒ると怖いんですから!」

この人結構なサドだ。そういうところは白薔薇さまに近いのかもしれない。

「もう遅いしせっかくだから一緒に帰りましょう。」

どうしようか考えたが特に断る理由もないのではいと返事をした。



「ふふ。」

突然静さまが笑った。

「どうしたんですか?」

「このシーンを新聞部にでも見られたら紅薔薇の蕾の妹裏切りか!?って記事が出そうだなと思ってね。」

「まさか!」

「ありえないことはないわよ。いっそ祐巳さん本当にこっちくる?」

「…からかってますよね?」

「正解。」

そういって静さんはまた笑った。

「じゃあ私はこっちだから。また図書館で逢いましょう。ロサ・カニーナの載ってる本も用意しておくから。」

「ありがとうございます。ごきげんよう。」

わたしにとっては敵だけどなんか憎めない方だなぁ。白薔薇さまの妹候補だったっていうのもわかる気がする。




その日帰ってテレビを見ていると臨時ニュースが流れた。

『速報です!新国王を決める選挙が来年の今頃に行われることがわかりました!』

『いやー発表されましたね。私は断然葵様派ですよ。』

『僕は茜様ですね。なんといっても今日もひったくりを撃退したあの正義感が素晴らしい。』

『私は栞様よ!あの愛くるしさたまらないわ!』

『スタジオ内でも白熱してますねー選挙までは毎週支持率を発表していきますので動向に要注目です。あなたの1票が王を決めます!』

「ええ!!!!!」

「いやー総一郎君は祐巳の生徒会選挙にかぶせてW選挙だって言ってたが本当にかぶせてくるとはな。」

「お父さん知ってたの?」

「祐巳もしかして知らなかったの?俺は修さんから聞いたけど?」

そう祐麒は言った。

「え?聞いてない!」

「あーそれじゃ祐巳と茜を驚かすために総一郎おじさん言わなかったんだな。どっちかに言うと必ずばれるから。」

そう言って祐麒は2階へあがって行った。

いやーなんか大変なことになったぞ。

「お母さんは葵ちゃんにしようかしら。」

「父さんは修にするぞ!」

両親は勝手に盛り上がってるが茜ちゃん大丈夫かな?選挙でる気全然なさそうだったけど。

突然ピンポーンと玄関のチャイムが鳴ったので私が出るとカナちゃんがいた。

「あ、祐巳。祐麒いる?」

「2階にいるけど。」

「ちょっとお邪魔するわね。」

そう言って2階に上がっていった。

後をついて行って聞き耳を立てると

『うわ!何急に入ってきてるんだよ!』

『つべこべ言わず私の選挙活動に協力しなさい。あのことばらすわよ!』

『そんな無茶苦茶な…祐巳に頼めばいいだろ』

『祐巳はどう考えても茜派でしょ。』

『祐巳の意志尊重するなら俺の意志も尊重してくれ!』

『そんなのは捨てなさい。』

『ひでえひでえよ。』

ドンマイ祐麒。カナちゃんには勝てないよ。

玄関に戻ると修くんもいた。

「奏は!?」

「祐麒のところ。」

「くそ!先を越されたか。なら祐巳でいいや。奏を王にしないように協力してくれ!妨害工作しまくるぞ。」

選挙の規模は違うけど祥子さまは対抗馬がいても堂々としていたのに修くんは…

「作戦は追って連絡する。じゃあな。」

そう言って帰って行った。選挙って怖いな。来年私の時に何もなければいいんだけど…

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勢い勝負  No.3886  [メール]  [HomePage]
   作者:ヘススナバス  投稿日:2018-10-26 20:23:28  (萌:3  笑:6  感:1
【No:3885】の続き
マリみてと城下町のダンデライオンのクロス的な何か。


「あの、お姉様…私と祐巳は本当に姉妹と言えるのでしょうか?」

「なに言ってるの祥子?」

放課後、薔薇の館にあるビスケット色の扉の前に立つとそんな会話が聞こえてきた。

入るに入れず扉の前で止まってしまった。

「噂をご存じないですか?葵様と祐巳が本当は姉妹なのではないかという。」

「何馬鹿なこと言っているのよ。葵さんも祐巳ちゃんもそんなことする人じゃないでしょう。」

「その噂がでたらめなのはわかっています!でも葵様と祐巳が一緒にいる所を見て…私自身が思ってしまったんです。ああいうのが本当の姉妹なんじゃないかって。」

「祥子…」

「気づいていたけれど見ないふりをしていたのです。祐巳が本当に頼りにしているのは葵様か聖様でしょう。それなら私は何者なのでしょうか?必要ないでしょう。形だけの姉なんて…」

違う!私が心から妹になりたいのは祥子様ただ一人です!形だけなんかじゃない!と叫びたいのに足がすくんで動かなかった。

「あれ祐巳ちゃん?中に入らないの?」

後ろから白薔薇さまの声が聞こえて間髪を入れずドアノブに手を伸ばして開けた。

「祐巳…!」

お姉様があたしに気づいた後、横をすり抜けてどこかへ行ってしまった。

「祥子!!聖、祐巳ちゃんのこと頼んだわよ。」

そう言って紅薔薇さまも出て行ってしまった。

「まったく事情は分からないけど、祐巳ちゃんとりあえず立って涙ふきな?」

そう言われて私は自分が泣いていることに気づいた。

「どうしよう、私のせいだ…わたしのせいで」

どうすればいいの?謝る?そんなんじゃ祥子様の心には響かない。

本当に私は自分では何もできない…いつも周りに助けてもらってばかりで。

これは自分でどうにかしなきゃ。

「祐巳ちゃん?」

「白薔薇さま、今回は自分でどうにかしなきゃダメなんです!そうじゃなきゃ祥子様の心に届かない!」

「そっか。じゃあ私は何もしないよ。」

そう言って白薔薇さまは自分のお茶を入れに行った。

まず何が原因か?私が白薔薇さまや葵様を頼りすぎたのが原因で間違いないだろう。

ではお姉様を頼る?いやそんなの聞いていたのがばれているのだから逆効果だろう。

ええい!もう考えても無駄だ!ここは自分の恥も外聞もなく人助けをする親友を見習うべきだ!

「うおおお!迷わず突っ込む!」

そう叫んで私は薔薇の館を出て行った。

「うーんあのアグレッシブさ。伊達に茜ちゃんの親友じゃないね。ただうおおお!と叫ぶのは女の子としてどうなのよ。」


いろいろ探しているがまだ見つからない。

そんな中見知った顔を見つけた。

「祐巳さん?そんなに走ってはだめよ?」

「志摩子さん!お姉様か紅薔薇さま見なかった!?」

「いいえ、見てないけど。」

「ありがと!じゃあ!」

「あらあら元気ね。」

志摩子さんにお礼を言って離れた。


ちょっとしてまた見知った顔に出会った。

「祐巳何してんの!?」

「茜ちゃん!かなちゃん!」

「ちょっと!祐巳!学校では様つけなさいよ!」

「そんなことよりお姉様か紅薔薇様見なかった!?」

「そんなことって…私たちは見てないわよ。」

「それじゃあ!」

私はそう言ってまた駆け出した。

「あんな祐巳久しぶりに見た気がするなー。」

「まるで能力使った時の茜みたいね。」

そうこう走り回っているうちに古い温室にたどり着いた。

中を見るとお姉様と紅薔薇さまがいらっしゃった。

わたしはダッシュでその扉を開けた。

「お姉様!」

「祐巳ちゃん!」

「祐巳…私にロザリオを返しに来たのね。」

「そんなわけないじゃないですか!お姉様これからわたしのいうことを黙って聞いてください!」

「え、ええ…」

いつもと違う私に若干戸惑っている気がするけど気にしない!

「すきだああああああ!あたしは小笠原祥子様が大好きだあああああ!」

「ゆ、祐巳ちゃん…!?」

「マリア祭でピアノ弾いている所を見た時から祥子様の虜になってしまったんです!わがままで高飛車なところも大好きです!祥子様のことは全部知りたいです!」

「祥子様以外私は姉になってもらいたい人はいません!祥子様を愛しているんだああああ!」

「やめなさい祐巳!」

頭をスパーンとたたかれた。

「もうわかりましたから恥ずかしいことはおやめなさい。」

「あ、はい。」

なんか急に冷静になって恥ずかしくなってきた。

「私が恥も外聞も捨ててこういうことが出来るのは祥子様にだけです。白薔薇さまでも葵様でもないです。」

「わかったからもう2度とこういうのはやめなさいね。ほらタイが曲がっているわよ。」

そう言ってお姉様はタイを直してくれた。

「でもこう言われるのはわるい気はしないわ。あなたのことで悩んでいたのにあなたに解決して貰えるなんてね。」

「お姉様…」

「二人とも私がいること忘れてない?」

二人で声のした方を見ると呆れたような紅薔薇さまがいらっしゃった。

「い、いえそんなことはありません!」

「そうですわ。お姉様のことを忘れるわけないじゃないですか。」

「そう?それならいいけど。解決したんなら薔薇の館へ戻りましょう。白薔薇さまも待ちくたびれてるだろうし。」

そうして3人で薔薇の館へ戻った。

そして次の日…

「なにこれ…?」

蔦子さんが持ってきたリリアンかわら版号外を見て私は顔を伏せた。

そこには、紅薔薇の蕾の妹、愛を叫ぶと見出しがあった。

中身を見ると私が言ったことがそのまま全文記載されていた。

そこに書いてあることを見て茜ちゃんは淑女とは思えない爆笑をしている。

「情熱の赤いバラね祐巳さん?」

「蔦子さん…」

「新聞部はそこらじゅうにいるんだから学園内では気をつけなさいな。」

「ていうかこの走っている写真撮ったの蔦子さんだよね?」

「写真部もどこにでもいるから気をつけなさいな。」

はぁ…と私はため息をついた。

とりあえずクリスマスと終業式に向けて頑張らなくちゃ。


黄薔薇さまや白薔薇さまにからかわれ、櫻田家の人に茜ちゃんが持ち帰ったかわら版のせいで爆笑され、祐麒に呆れられながらもなんとかクリスマスパーティーまでやってきた。

「これ美味しい!」

私はケーキを一口食べて思わず声を上げてしまった。

「令ちゃんなんか張り切って作ってたからね。」

由乃さんもケーキを食べながらそう言った。黄薔薇の妹特製ケーキおそるべし。

「ところで祐巳さん、踊るんだから食べすぎないようにね。」

「あ、そうだった。」

美味しくてつい食べ過ぎてしまいそうだったが由乃さんのおかげで何とかセーブできた。

「じゃあ1年生諸君、よろしくね。」

白薔薇さまがそう言ったので。私たちは小道具を準備し志摩子さんのキーボードでの演奏が始まった。

私たちは余興としてはまあまあな出来だったはずだったんだけど…

「これに比べるとインパクト弱いわね。」

黄薔薇さまはそう言った。これと指差したのは例のリリアンかわら版である。

「あ、そうだこれの再現してよ!」

あ、これはお姉様が…

「何言ってるんですか!黄薔薇さまやるわけないでしょ!」

「えー紅薔薇さまだけ見たのずるいじゃない。祥子はケチね。」

「ケチ!?そういう問題ではありませんわ!」

お姉様と黄薔薇さまの言い争いで無茶苦茶になってしまったクリスマスパーティーであった。

しかし紅薔薇さまも呆れながらも笑顔だし、クリスマスと聞いてちょっと暗い顔をなさってた白薔薇さまも楽しそうにヤジを飛ばしている。

志摩子さんはそんな白薔薇さまを見て微笑み、由乃さんが踊るのを見て涙ぐんでた令様に呆れてる由乃さんとみんなそれぞれ楽しそうであった。

こんな風にみんなが笑顔でいられますようにと私はマリア様に願った。

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諦めるのはまだ早い  No.3885  [メール]  [HomePage]
   作者:ヘススナバス  投稿日:2018-10-20 00:10:35  (萌:0  笑:0  感:1
【No:3884】の続き
マリみてと城下町のダンデライオンのクロス的な何か。



季節はすっかり冬になり私も多少は薔薇の館に慣れたある日。

「クリスマスパーティーをするわよ!」

黄薔薇様がそう宣言をした。

どうやら山百合会ではクリスマスにパーティーをするのが慣習らしい。

「飾り付けは私たち、まあ今日は聖いないけど聖もこっちでいいでしょう。令は祥子と料理を頼むわ。1年生はそうねぇ…余興を用意して頂戴!」

黄薔薇様がなんかとんでもないことを言い出したぞ…私何にも余興なんてできないよ!

志摩子さんも困った顔をしている。由乃さんは…あ、なんか悪い顔をしてる。なんか嫌な予感が。

「はい、それじゃあ今日は解散!」

紅薔薇様がそう言ってみんなぞろぞろと帰り支度を始めた。

余興かぁ…祐麒や茜ちゃんたちに相談してみようかな。

「ふふふ、祐巳さんお困りですかな。」

「由乃さん何か企んでる?」

「まあね。志摩子さんも聞いてちょうだい。余興については秘策があるのよ。」

「秘策?」

「そう!これよ!」

由乃さんが取り出したのは1枚の紙だった。

「えーと米澤紗千子&桜庭ライトのユニット、サーチライトのデビューシングル発売?」

志摩子さんがそのCDに書かれている文字をそのまま読んだ。

あーそういえば光ちゃんがさっちゃんとユニット組めるって喜んでたなぁ。

「そうよ!これを志摩子さんの伴奏で私と祐巳さんが踊るの!これでいきましょう!」

なんか由乃さんは暴走モードらしく私と志摩子さんには断れる余地はなかった。

私が光ちゃんのパートで由乃さんがさっちゃんのパートらしい。



その帰り道、珍しい組み合わせの人たちにあった。

「あれ?祐巳ちゃん今帰り?」

そこには葵様、栞ちゃん、それに白薔薇様がいらっしゃった。

「ロ、白薔薇様!?なぜここに!?」

「いやーかわいい子が猫と話してると思ったら栞ちゃんでね。葵さんを待ってるって言ってたから一緒に待ってたんだよ。」

「そこに私が合流してここまで一緒に来たってわけよ。」

葵様がそう続けた。

栞ちゃんはソウルメイトという能力でありとあらゆるものと会話できるのだ。

「いやー栞ちゃんはかわいいね!選挙の時はお姉さん栞ちゃんに投票しちゃおうかな。」

まるで酔っぱらいのおじさんだ。

「大丈夫栞ちゃん?白薔薇様に変なことされなかった?」

白薔薇様から栞ちゃんをひったくって栞ちゃんを抱きしめて聞いた。

「ゆ、ゆみお姉さま苦しい…」

おっといけない。つい興奮してしまった。

「ゆーみーちゃーん!先輩に向かってなんてことを言うのかな?」

白薔薇様はそう言ってわたしのほっぺたを両手でつねった。

「い、いはいれす…」

「ほっぺたもなかなか気持ちいもんだね。」

うぅ…ひどい目にあった。

「聖さまは優しくしてくれたよ。あの子もそう言ってたし。」

「あの子?」

「中庭にいるあの猫の事よ。」

葵様がそう言っていつも中庭にいる猫のことを思い出した。

「あ、ランチのことですね!」

「1年生の間ではそういう名前なんだね。」

「聖さんはゴロンタって呼んでたわよね?」

「そうだね。2年だとなんだろう?」

「奏はペペロンチーノって呼んでたわよ。」

「何そのネーミング!」

そう言って白薔薇様は笑った。なんか山百合会以外の人と談笑している白薔薇様珍しい気がする。

「それじゃあここでお別れして帰ろうかな。みんなごっきげんよう。」

そう言って白薔薇様は帰って行った。

「じゃあ私たちも帰りましょうか。」

そうして私たちも帰ることにした。

「あ、そうだ!今日光ちゃんいるかな?」

「多分いると思うけど何か用事?」

「うん、実は…」

今日合ったことを葵様と栞ちゃんに話した。

「由乃ちゃんも面白い子ね。そういう事なら光に教えてもらうといいわね。」



「というわけなんだけど光ちゃん頼めるかな?」

「うん、いいよ。ふふふ、あたしのことを先生と呼びなさい!」

「ありがとう!光先生!」

「しかし祐巳も変なことによく巻き込まれるねー」

茜ちゃんがぐでーっとしながら言った。

「まああそこが変な人の集まりだから当然と言えば当然ね。」

かなちゃんがアイスを食べながらそう言った。

「変って…」

私は苦笑いするしかできなかった。

「確かに山百合会は一癖も二癖もありそうだな。みんな美人だけど。」

修くんが腕を組みながらそう言った。

私的には櫻田家も負けず劣らず個性的だと思うけどかなちゃんが怖いので言わないでおこう。

とりあえず一回踊ってみることにした。

社交ダンスも経験したし何とかなるはず!

その結果は…

「そんなに爆笑しなくても…」

「いやいや!これはあの紅薔薇さまだって大爆笑よ!」

茜ちゃんがお腹をかかえながら笑っている

「余興なんだしこのままでいいんじゃない?」

かなちゃんが顔を机に突っ伏したまま言った。目を見て言いなさいな!

「ゆみ姉これはなんかの儀式にしか見えないって!」

途中で帰ってきた岬ちゃんにもそんなことを言われた。

「輝君!輝君はどう思った!?」

私は一縷の望みをかけて輝君に聞いた。

「ジャッカル落ち着け!あれは悪魔じゃない!」

輝君の特殊能力はリミットオーバーというとてつもないカイリキになれるというものだ。

しかしまだコントロールが難しいらしく母である五月さんにむやみに使わないように言われているらしい。

ちなみにジャッカルというのは右手のことで祐麒が言うには中二病というやつらしい。

ていうか私は悪魔に近いものに見えてたんかい!

「ゆみちゃん…」

「光ちゃん…」

そう私には先生が!

「さすがにこれほどひどいとは思わなかったよーこれはきついかも。」

「え?」

非情な通告がなされたけど諦めるのはまだ早い!ってことで私はがんばります…ダメだったら由乃さんに任せよう。



そんなこんなでいつの間にかクリスマスのパーティーまであと3日になった。

私の余興の方は踊っている本人である光ちゃんのおかげで及第点になった。

今日の昼休みにこっそり由乃さんと合わせたがなぜか由乃さんのキレがものすごかった。

令様にあとで聞いたのだが二人で特訓したらしい。由乃さんに付き合わされる令様も大変だ。

そう思っていたのが顔に出たのか令様は「大変だけどこうやって二人で何かできるってのはすごくうれしいんだ。」っとおっしゃっていた。

手術したからこそできることだから令様の喜びもひとしおだろう。

私もお姉様と二人で何かしたいなぁ…さすがにさっちゃん役で踊ってもらうわけにはいかないけど。

そんな日の放課後、私にとって忘れられない忘れてはならない出来事が起こった。


bqex > 投票ボタンに当てはまる感情がなくて困る。『尊い』とか『癒される』とか欲しいなぁ。続き待ってます。 (No.77413 2018-10-22 22:17:57)

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なんだこれちょっと無理がある  No.3884  [メール]  [HomePage]
   作者:ヘススナバス  投稿日:2018-10-12 09:31:39  (萌:1  笑:0  感:4
【No:3880】の続き?
マリみてと城下町のダンデライオンのクロス的な何か。


由乃さんの手術も無事終わり、黄薔薇の蕾の姉妹も元に戻った。

祥子様はあんな面倒なこと二度とごめんだわ。とおっしゃっていた。

「それじゃあ黄薔薇宣言の騒動ももう終わりね。」

蔦子さんはそう言った。

「紅薔薇、黄薔薇と来たから次は白薔薇かな?」

茜ちゃんはジュースを飲みながら言った。

「志摩子さんがなにかやるのは想像できないなぁ。」

私は志摩子さんの顔を思い浮かべながらそうつぶやいた。

「でも白薔薇にはもう一人いらっしゃるでしょ?」

「白薔薇様かぁ。祐巳は白薔薇様と仲いいんでしょ?どんな人なの?」

「んーいろいろ面倒見てくれるけどどういう人なのかよくわからないや。あ、セクハラしてよく紅薔薇様に怒られてる。」

「それが不思議なんだよね。」

茜ちゃんがそう言った。

「何が不思議なの?」

「お姉ちゃんがリリアンに入った時に同級生にどんな人がいるのって聞いたことあって蓉子様、江利子様、聖様について話してもらったのよ。」

「それで?」

蔦子さんが話を促す。

「蓉子様と江利子様は今と一致する感じのことを言ってたんだけど聖様は誰か近づくのを拒絶してる感じだって言ってたんだよね。」

「えー…」

私としては後ろから急に抱き着かれたり、お姉様をからかったりしている白薔薇様のイメージしかない。

「だから不思議なのよ。」

「高等部に上がってから何かあったんじゃないの?」

蔦子さんはそう言った。

白薔薇様の過去か…なぜかその時気軽に踏み込んではいけない気がした。


その日の帰り道、お姉様と一緒に帰っていた。
気軽に踏み込んではいけない気がしたが気になったので白薔薇様について聞いてみることにした。

「あの、お姉様。」

「どうしたの?」

「白薔薇様についてなんですが…」

「また何かやられたのかしら?抗議してくるわね。」

そう言ってお姉様は今来た道を戻ろうとしたので私は祥子様の手を慌ててとって引き留めた。

「違います違います!それに白薔薇様だってもう帰っちゃってますよ!」

「そ、そうよね。それで白薔薇様がどうしたの?」

「白薔薇様って昔からああだったんですか?」

「ああってね、あなた…」

なんて言ったらわからないのでそう言ってしまった。

「そうね。ああいった方ではなかったわね。どちらかと言うと人との接触を避けていたわ。」

「やっぱりそうだったんですか。」

「やっぱりってどういうことかしら?」

「実はですね…」

茜ちゃんから聞いたことをそのまま伝えた。

「はぁ…興味本位で探りをいれるのはやめなさい。」

「す、すみませんでした。」

それっきりになってしまい結局白薔薇様の過去はよくわからなかった。


次の日になって薔薇の館で由乃さんと一緒になった。

「由乃さんもう体調はいいの?」

「一応はね。まだお医者さんの許可が必要なこともいろいろあるけど。」

「ところで祐巳さん、いばらの森って何か知ってる?」

「いばらの森?おとぎ話?」

「知らないようね。なんか最近流行っている小説らしいのよ。」

「知らないなぁ。茜ちゃんからも聞いたことないし。」

「茜さんもダメとなると志摩子さんが知っていることはなさそうだし、令ちゃんに聞いてみようかしら。」

そう話しているとドアが開いた。

「ごっきげんよう、お二人さん。」

「ごきげんよう、白薔薇様。今お茶を入れますね。」

「あ、自分で入れるからいいよいいよ。」

そう制され半分浮かせた腰をそのまま落とした。

「それで二人は何の話をしてたの?」

「白薔薇様はいばらの森っていう小説はご存知ですか?」

由乃さんが白薔薇様にそう聞いた。

「うーん、知らないなぁ。」

「そうですか…実は流行ってないのかしら。」

そこでいばらの森の話は終わった。


「あら、祐巳じゃない。」

由乃さんといばらの森について話した日の帰り道、奏様に会った。

「あ、奏様。」

「どう?山百合会には慣れた?」

「うーん、まだわかんないや。」

「まあ祥子さんのことで何かあったら私に言いなさい。ひとこと言ってあげるから。」

「ほんと奏様は怖いものなしだね…」

「ところで奏様、いばらの森って小説知ってる?」

「最近そんな小説読んだわ。」

「え!?どんな内容なの!?」

「気になるなら貸すわよ。」

「じゃあ貸して貰おうかな。」

「そう。じゃあうちに寄りなさい。」

「はーい。」


次の日になって朝蔦子さんがシャッターを切りながら話しかけてきた。

「ごきげんよう。祐巳さん。お姫様は?」

「寝坊してるらしいから置いてきちゃった。」

「また?結局毎朝能力使って登校しているわね。空を飛ぶ茜さんの写真は画になるからいいけど。」

「そう言えば祐巳さん。いばらの森ってご存知?」

「うん。実物も奏様から借りたからこの通り。」

そう言って小説を出した。

「もう読んだ?」

「ううん。まだ。」

「じゃあこれ言っていい物なのか…」

「何蔦子さん気になるなぁ。」

「まあいいわ。その小説ね白薔薇様の過去が書かれているらしいのよ。」



「どうしよう由乃さん…」

今日は生徒会の仕事がないので昇降口で由乃さんを待ち伏せて話しかけた。

「なによ、いつも笑顔満開の祐巳さんらしくない顔ね。」

「いばらの森…」

「あ、まだ令ちゃんに聞いてないわね。なにかわかったの?」

「白薔薇様の過去が書かれてるんじゃないかって…」

「…マジ?」

「マジ。」

「しかも白薔薇様が作者っていううわさも流れているみたい。」

「ど、ど、どうしよう!よりにもよって本人に聞いちゃったわよ!」

「反応を見る限り白薔薇様本人が書いたってことはないと思うけど…」

「祐巳さんどうする…?」

「どうするとは?」

「読んでみるかってことよ。」

「うーん・・・」

「どうしたの祐巳、柄にもなく難しい顔して。」

振り向くとそこにはお姉様と葵様がいらっしゃった。

「お、お姉様。あの、お二人はどうして一緒に?」

「たまたまそこでご一緒してちょっとお話をね。」

「薔薇の館での祐巳の様子を聞いていたのよ。」

そう言って二人は笑った。

なんか恥ずかしくなってくる三者面談の時のようだ。

「ところで祐巳たちは何をしていたの?」

由乃さんと顔を見合わせアイコンタクトした結果話してみることにした。

「実はですね…」

「聖さんは書いてないと思うわよ。」

話した後、葵様がそう言った。

「根拠はあるんですか?」

由乃さんが尋ねた。

「聖さんの様子を見た推論ね。正しくは書けないと言った方がいいかもしれないけど。」

「そうですかーだって由乃さん。」

「うーむ、葵様がそう言うんじゃ何となく納得するしかない威厳が。」

「気になるなら本人に聞いてみてもいいんじゃない?」

「葵様!?」

そう言う葵様に祥子様が慌てた。

「大丈夫よ祥子ちゃん。聖さんはもうそれほど弱くないわ。蓉子さんや志摩子ちゃん、あなたたちのおかげでね。」

「そうかもしれないですが…私は反対です。」

「そっか、祥子ちゃんがそう言うんじゃ無理強いはできないわね。」

そう言って葵様は話を切った。

私と由乃さんは何が何だかわからないまま目をぱちくりさせていた。


いばらの森をかばんにしまいっぱなしになって数日

「佐藤聖さん。佐藤聖さん。至急学院長室にいらしてください。」

そう放送がながれた。

「祐巳!祐巳!本当に白薔薇で何か起っちゃったの?」

茜ちゃんがそう聞いてきた。

「知らない知らない。とりあえず学院長室行ってみる!」

そう言って私は学院長室に向かった。


私が学院長室に着くとすでにもう人が結構いた。

しばらくしてそこに白薔薇様がやってきた。

「あ、祐巳ちゃんも呼び出し?ていうかなんでこんなに人がいるわけ?何か知ってる?」

そう言われて私はちょっと考え込む。

「その顔は何か知ってるね。まあそれはあとで聞くとして呼ばれてるから行くね。」

そう言って白薔薇様は学院長室に入っていった。

「いばらの森はやっぱり白薔薇様が書かれたのかしら?福沢祐巳さん?」

そう声をかけられ振り返ると新聞部の築山三奈子様がいらっしゃった。

「み、三奈子様!」

「ごきげんよう。それでどうなの祐巳さん?」

「どうと言われましても。」

「祐巳さんは知ってるんでしょ?いばらの森について。奏さんに本借りようとしてたの見たわよ。」

うかつだった。奏様も新聞部の取材対象だったんだ。

「それでどうなの?聖様が書かれたの?」

「…聖様が書かれたものではないと思います。」

「その根拠は?」

「葵様がそうおっしゃられていたので。」

「葵様が?根拠としては弱くないかしら?聖様と特別親しい仲というわけでもなさそうだし。」

「それでも私は葵様を信じています。」

「そう?私としてはもっと客観的な証拠が欲しいんだけど。」

私は背中に汗をかく。

葵様の推論はあっていると思うが、それは今まで葵様と過ごした経験があるから信じられるものであって三奈子様に通用するものではないだろう。

「客観的じゃないけど自供ならできるけどどう?」

黙っていると突然私の後ろの扉があいてにゅっと白薔薇様が出てきた。

「いばらの森を書いたのは私じゃないよ。学院長にもそう言ってきた。」

そう言ったので周りの生徒たちがざわついた。

「学院長室の前で騒ぐのはよろしくないし祐巳ちゃんは返してもらうね。」

私はそのまま白薔薇様に手をつかまれ連れて行かれた。


「あの、白薔薇様…」

「ん?」

「先ほどは助けていただいてありがとうございます!」

私は頭を下げた。

「私が助けるまでもなく祐巳ちゃんならなんとかできたと思うけどね。」

白薔薇様はそう言って笑った。

「いえ、そんなことは…」

「しかしちょっと妬けるね。」

「へ?」

「あの私は葵様を信じていますって言った時の声さ、すごく芯が通って迷いのない声だったよ。葵さんはそこまで祐巳ちゃんに信頼されてるんだなと。」

「私のもう一人のあこがれの人ですから。恥ずかしくて葵様には言ってませんけどね。」

「なるほどね。私は祐巳ちゃんにとってどんな人なの?」

「…笑いませんか?」

「うんうん。笑わない。」

「私にとって白薔薇様は困った時に手を差し伸べてくれるヒーローみたいな人です…」

「ヒーローね…」

「うん、まあそういうのも悪くないか。」

聖様はそうつぶやいた。


薔薇の館に着き白薔薇様がみんなに説明した後、私と由乃さんが残され白薔薇様の過去についてちょっと聞いた。

こうしていばらの森の騒動も一応の終わりを見せた。

ただこの後ヒーローはお姫様といちゃつくのも仕事だよと言って白薔薇様が抱き着いてくるようになった。

お姉様がそれに対して怒る。私はおろおろするだけだけど。

いつもの日常が帰ってきた気がしてちょっとうれしい。


「あなた騒動引き寄せる体質なのかしらね?」

奏様に本を返しにいくとそんなことを言われた。

「いやいや、私は平凡だよ?」

「王族と家族ぐるみの付き合い、超の付くお嬢様のスール、しかもそのお嬢様は紅薔薇の蕾。これのどこが平凡なのよ。」

奏様はため息をついた。

「また何かあるかもね。」

そんな不吉な言葉を残していった。

bqex > マリみて原作通り進むと「長き夜の」か「ロサ・カニーナ」ですがどうなるのかしら。楽しみに待ってます。 (No.77412 2018-10-13 22:00:23)

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この事態を回避するくじけない心がほしい  No.3883  [メール]  [HomePage]
   作者:杏鴉  投稿日:2018-09-09 00:13:48  (萌:4  笑:0  感:4
前話を投稿したのは5年程前なのですが……完結できたので久しぶりにやって来ました。


※百合的表現がございますので、苦手な方はご注意ください。

これは以前掲載したお話を別視点から描いたものです。
先にこちら↓をお読みいただかないと、理解しづらい迷惑な代物です。

『祐巳side』
【No:2557】【No:2605】【No:2616】【No:2818】【No:2947】【No:2966】【No:3130】【No:3138】【No:3149】【No:3172】(了)

『祥子side』別名:濃い口Ver.
【No:3475】【No:3483】【No:3486】【No:3540】【No:3604】【No:3657】【No:3660】【No:3722】【No:3727】【No:3751】【No:3811】→これ。





私が泣かせたあの日以来、サチコは祐巳への依存がいっそう酷くなった。
全力で祐巳だけを求めるその姿を私は複雑な思いで見ている。
これまで感じていた憎しみも、怒りも、苛立ちすら今はもうない。
眠る祐巳に口づけるサチコを目の当たりにしても私の心は静かなままだった。

サチコはあれから毎晩、祐巳にキスをしている。
けれど初めて唇を奪ったあの日のような楽しげな様子はもうない。

「私の大切な人にキスしておいて、それはないのではなくて?」

私のつぶやきにも反応せず、サチコは祐巳にしがみついて眠ってしまった。





サチコが怯えている。
祐巳がいないことに怯えている。
べつに祐巳がサチコに愛想をつかしてこの家から出て行ったわけではない。
ただ学校に行っているだけだ。
夕方になれば祐巳はまたここに帰ってきてくれる。
それなのにサチコはベッドの上で丸まり、あの子のいない時間を必死に耐えている。

様子を見に来た母に、祐巳を学校に行かせないよう訴えるなんて暴挙にまででたサチコだったけれど、当然だがきっぱり断られた。
母は一見頼りないけれど、道理をわきまえない娘のワガママを聞き入れるような愚かな親ではなかった。
そしてサチコは絶望の中、ひとりきりで自室に篭っている。
誰も居ない部屋で祐巳の名前だけをくり返している姿は哀れだった。





お風呂上り、祐巳がサチコの髪を乾かしてやっている。
鏡越しに見るサチコは気持ち良さそうに目を閉じていた。
昼間怯えていたのは、よく似た別人ではないかと思える程幸せそうな様子だけれど。
こんなふうに安心した表情をみせるのは、もう祐巳が傍にいる時だけだった。

「もしも祐巳を失ったら、あなたはどうなってしまうのかしらね?」

そんな疑問など無意味だと言わんばかりに2人は仲むつまじく過ごしている。
寄り添うようにベッドに横になり、祐巳が紡ぐ白雪姫の物語にサチコは耳を傾けている。

「たぶん、耐えられないでしょうね……」

他人事のように私はつぶやいた。
透明な壁にもたれてぼんやりと2人を見つめる今の私には、ここに閉じ込められた当初の切迫感や絶望感はない。
既にここから出たいという気持ちすら薄れていた。

どうすればいいのか――
何が正解なのか――
もう、私には分からない。

まるで部外者のように、私はここから2人を見ていた。





――今夜の2人はいつもと少し様子が違っていた。
もう眠る時間だというのに、茶色くした部屋で2人は白雪姫について語り合っている。
やがて王子様と白雪姫の口づけの話になり、

「わたくしのおうじさまは、ゆみなの」

サチコがさらりと告白した。
サチコのくせに生意気な。
そんな気持ちとは裏腹に、私の心臓は速度を上げた。
祐巳はどういう反応をするのだろう。
そんな必要も無いのに私は息を潜め、じっと外の様子を窺った。

やがて――、

祐巳が、

サチコに、

――キスをした。





……もう、認めてしまおう。

私は祐巳に恋をしている。
ずっと前から。
どうしようもないくらいに好きで。
誰にも取られたくなくて。
自分だけを見てほしくて。
その笑顔も、唇から紡がれる声も、すべてをひとりじめにしたかった。
私は祐巳に、そんな幼い恋をしていた。

そしてもうひとつ。

サチコの正体についても、私は認めなければならない。

少し前から薄々気付いていたけれど、わざと考えないようにしていた。
それももう終わりにしよう。
逃げるのは嫌いだから。

サチコ……

あれは、

――私だ。

本心という名の、小笠原祥子そのものだ。
それに気付いてみれば、サチコが私をあれほど嫌うのも納得できる。
自らを否定し、存在すら認めず、無視し続けてきた人間を好きになれるわけがない。
かといって、私という存在が完全に消えてしまうのもサチコにとって不味いのだろう。
だからこそ私の様子を見に、ここまでやってきた。

なんてやっかいな相手だろう。
マイナスの感情しか持っていないのに、けして離れられないなんて。
目の上の瘤とはよく言ったものだ。

ひょっとすると今私が居るここは、元々はサチコが居た場所なのかもしれない。
なんとなく、そう思った。

ここからでも分かる程の甘やかな空気の中で、2人は眠りについている。
それはとても幸せな光景で……
私はどうしたらいいか、いっそう分からなくなった――。





サチコの秘め事は祐巳の知るところとなり、今では2人の秘密となった。
夜ごと交わされる口づけを私はここから盗み見ている。
瞳を閉じ、恥じらいながら唇を寄せる姿をまじまじと見られていると知ったら、祐巳は怒るだろうか。

……それでもいい。
私に……サチコではなく私に感情を向けてほしかった。





「お姉さま。少しお話をしたいのですが、いいでしょうか」

茶色くなった部屋で、祐巳がひどく真面目な顔をしている。
どうしたのだろう?
普段とは違う雰囲気を纏う祐巳の言葉に、サチコも大人しく耳を傾けている。

「私は、お姉さまがずっとこのままだったらいいと思っていました」
「……不安だったんです。
 祥子さまが卒業してしまったら、どうなってしまうんだろうって……」
「こんなふうに、すぐ傍でお姉さまを見つめる事も……」

祐巳の手が、そっとサチコの頬を撫でる。

「こうして触れる事も、二度とできなくなるんじゃないかって……」
「……不安だったんです」

これまで抑えてきたのだろう感情と共に、祐巳の目から雫が零れ落ちた。

「このままずっと二人でいられたらいいと……そう思っていたんです」

ごめんなさい、と言った祐巳の顔がくしゃりと歪む。

「私には王子さまの資格なんてないんです……っ!」

祐巳は両手で顔を覆い、泣き出してしまった。
泣きじゃくりながら、ずっと「ごめんなさい」とくり返している。
その姿に私は胸に杭を打たれた気分になった。

祐巳は、――誠実だ。

自らの過ちに気付き、認め、心からの謝罪をする祐巳は人間として美しい。
祐巳の誠実さに比べて自分はどうだ……

「ねぇ、ゆみ。それっていけないことなの?」
「だいすきなひとと、いっしょにいたいっておもっちゃいけないの?」
「すきだから、ゆみのそばにいたいのに。ダメなの?」

サチコというもうひとりの自分に願望を口にさせている卑怯者だ。

「――このままでいいじゃない」

サチコが甘やかな言葉を祐巳に囁く。
たぶん私だけが気付いている。
サチコの焦りに。

「――それはダメなんです」

サチコの悲しみが流れ込んでくる。
いや……私の、だろうか?

「大切に思ってくれている人たちを悲しませることは、間違っています」

サチコの手を取り、祐巳が頬を寄せる。
やわらかな感触が私の手にも伝わったような気がした。
サチコが抱きしめられると、私も温もりに包まれているようだった。

それはとても懐かしい感覚で……
ここから出ようと思った。

「ゆみはわたくしがおおきくなっても、そばにいてくれる?」

サチコも感じているのだろうか。
この不条理で、利己的で、愛おしい日々の終わりを。

「もちろんです」

涙の残る目を細め、祐巳が微笑む。
薄暗い部屋でもキラキラと輝いて見えて、綺麗だなと思った。

「ごめんなさい祐巳。もう、けして泣かせたりしないわ」

「臆病な私も、卑怯な私も、全てここに置いていくわ」

捨てはしない。
捨ててしまったら、いずれ忘れてしまうから。
忘れてしまったら、いつかまた同じ事をくり返すから。
だから私は置いていく。

祐巳の顔が近付いてくる。
サチコが最後の口づけをねだったからだ。
そう。こうして祐巳のキスを盗み見るのもこれで最後……。
はしたないとは思いながらも、ジッと見つめてしまう。

祐巳が近付いてくる。
初めてしてくれた時と同じ、緊張した顔で。
毎晩していたのに、あなたはちっとも慣れないのね。

本当に可愛い子。

不意に、祐巳が驚いた顔で目を開けた。
それは初めて出会ったあの日と同じ表情で。

「そろそろ祐巳のタイを直したくなってきたわ」

私の独り言が聞こえたかのように祐巳がふわりと笑った。
そして私は透明な壁越しに、祐巳と初めての口づけを交わした。



   ☆   ★   ☆   ★   ☆



気が付けば外に出ていた。
“サチコの外”どころではなく、屋外だった。
もう少々の事では動じなくなっている私は冷静に周囲を見回した。

ここは公園だろうか?
見た事があるような、ないような、そんなあやふやな印象を受ける。
きっと、どこでもない場所なのだろう。

ずっと聞こえていた涼しげな音に目を向けると、大きな噴水が水飛沫を上げていた。
きちんと整備されており、憩いの場として需要がありそうだけれど人気は無い。

噴水沿いに歩いてみると、そこに祐巳がいた。
噴水から少し離れたベンチに座り、静かに目を閉じている。
正面に立ってみたけれど祐巳は私に気付かない。

眠っているわけではないだろう。
毎晩ずっと寝顔を見ていたのだからそれくらい分かる。

祐巳は自分の意思で目を閉じていて、すぐ傍に立つ私にも気付かない。
まるで祐巳が世界を拒絶しているように思えて……
寂しくなった私は知らないうちに祐巳の名を呼んでいた。

祐巳が、すっとまぶたを開ける。
サチコの中に居た時とは違い、私の声は無事に届いたようだ。
けれどそれに喜ぶ暇はなかった。
私の姿を認めた祐巳は眩しそうに目を細めると、――涙を流した。

「……お姉さま」

不思議と、うろたえはしなかった。

「どうして泣いているの?」
「分かりません。でも、どうしてか涙が止まらないんです」
「そう」

今のこの気持ちを何と呼べば良いのだろう?
分からない。
気付けば私の両手が祐巳の頬を包んでいた。

やわらかな頬。
温かな雫。
僅かに震える呼吸。

私は今、祐巳の心に触れている。
このまま融けてひとつになればいいのに、と思った。
けれどそれでは祐巳を祐巳と認識できなくなるから、やっぱり今のままがいいなと思い直した。
そんな益体も無い事を考えているうちに、祐巳の涙は止まっていた。
それでも、ずっと留守番させられていた猫のように祐巳は私の手に頬をすり寄せている。

「今日はずいぶん甘えてくれるのね」
「すいません。なんだかとても久しぶりにお会いするような気がして……」

祐巳からすればそうだろう。
けれど私はずっとあなたを見ていた。
誰よりも近くで、ずっと。

「あら。私はいつだって祐巳の傍にいたわよ? それなのにあなたったら、まるで気が付かないのだもの」

再び祐巳に見つめられた喜びとは裏腹な言葉が口をついて出る。
生来の天邪鬼がそうさせたのか、ただ照れくさかっただけなのかは自分でもよく分からない。

「ごめんなさい……ごめんなさい……」

どこか必死さを感じさせる声に驚いて見る。
ギュッと握られた手の先で、祐巳がまた泣き出しそうになっていた。

「ばかね。べつに怒っていないわよ」

ばかは私だ。
もう泣かせないと誓ったのに。

落ち着かせるように頭を撫でる。
ほっとした後、恥ずかしそうに目を伏せる祐巳が可愛くて、ずっとこうしていたいと思った。
そんな2人だけの時間に割り込んでくるように、それは耳に届いた。

――誰かの泣いている声が聞こえる。

かすかに、けれど確かに。
声の方を向いても姿は見えないが、"そこ"にいるのは間違いない。

……仕方がないわね。

「そろそろ行くわ」
「……え?」

名残惜しいけれど、祐巳に背を向けて泣き声の方へと歩き出す。
祐巳と一緒では恐らくあの子は姿を見せないだろうから。
まったく面倒くさい子だ。

後を追ってくる祐巳を安心させるように振り返り、笑ってみせる。

どうか泣かないで。
大丈夫。すぐにまた会えるから。

「絵本、読んでくれてありがとう。嬉しかったわ」

これは別れの言葉。
幼い私の姉になってくれた祐巳への、別れの言葉だ。
次に会う時は私が姉であなたが妹。そんな日常が戻っているから。

だから、さようなら。
私のお姉さま。

そして、

「――魔法、解いてくれてありがとう」

私の王子さま。





小さな背中が震えている。
私の気配には気付いているだろうが振り返ろうとはしない。
座り込み、顔を隠すようにして泣きじゃくっている。

「――サチコ」

呼びかけてみても返事はない。
ただ、当て付けるように泣き声が大きくなった。

ちゃんと聞こえているんじゃないの。
私は聞こえよがしに大きなため息を吐いた。

泣き声がピタリと止む。
勢いよく振り返ったサチコが憎悪を剥き出しにした目で睨みつけてくる。
そんな涙でぐしゃぐしゃになった顔で睨まれてもちっとも怖くないのだけれど。
黙って見つめ返していると、サチコの食いしばった歯の隙間から低い声が漏れてきた。

「……何しに来たのよ」
「泣き喚いているんじゃないかと思って、心配で見にきてあげたのよ」

いつかの意趣返しをしてやる。
サチコは自分の発言を忘れているらしく、私に怒鳴り声を返してきた。
軽く耳を塞ぎながら、サチコが息切れするのを辛抱強く待つ。
やがてサチコは口をつぐみ、私を睨みつけるだけになった。

「気が済んだかしら?」
「……っ!」

表情が一層きつくなったが、サチコは無言のままだった。

「こんな所で泣いていても祐巳は迎えに来てくれないわよ?」
「……うっ……うぅ……」

サチコは声を押し殺して泣き出した。
もう私に怒りをぶつける事もできなくなっているようだ。
本当に面倒くさい子だ。

「泣くのはお止めなさい」
「……ぁああぁ……っく……」
「あなたも小笠原祥子なのでしょう? だったら、しゃんとなさい!」

ビクッと顔を上げたサチコをまっすぐに見つめる。

「涙を拭いて、お立ちなさい。一緒にここから出るわよ」
「……え?」

ぽかんとしているサチコにハンカチを渡す。
反射的に受け取ったものの、今ひとつ事態が呑み込めていないらしいサチコはまごまごしている。

サチコの手を取り「ほら、急いで」と、立たせた。
振り解かれないのをいい事に、そのまま手を引いて歩きだす。

「……どうして?」
「もういいかげん閉じ込められているのは飽きたわ。さっさと外の世界に戻りたいのよ」
「そうじゃなくて、どうして私も一緒なの?」
「あら、残りたいの?」
「…………」

私の意地悪な言葉にサチコは黙り込んだ。

「祐巳と一緒に居たいのでしょう? だったらここから出なければ駄目よ」
「でも、祐巳は……」
「これまでのような勝手をしなければ、祐巳は私たちの傍に居てくれるわ」
「ほんとう?」
「えぇ。本当よ。だから涙をお拭きなさい」

ハンカチで顔を綺麗にしたサチコは背筋をしゃんと伸ばし、まっすぐ前を向いて歩き出した。
それでこそ小笠原祥子だ。

周囲の景色が白み始める。
この鳥籠のような世界が終ろうとしているのだろう。
やがてどこもかしこも白に染まり、今はもう何も見えない。
それでも私たちは立ち止まらず前へと進んでいく。

「……迎えに来てくれて……ありがとう」

サチコがぽつりと呟いた。
返事をする代わりに、繋いだままの手にギュッと力を込める。

眩い光が私たちを包み、思考があやふやなものになっていく。
意識を手放す寸前、楽しそうな笑い声が聞こえた気がして、私も少しだけ口角を上げた。



   ☆   ★   ☆   ★   ☆



「ごきげんよう紅薔薇さま」
「ごきげんよう」

銀杏並木を歩きながら私は挨拶を返す。
もう二度と取り戻せないのではないかと思っていた日常に、今私はいる。

あの日――、

目覚めた私の傍にサチコは居なかった。
けれど消えてしまったわけではないだろう。
私たちはあるべき姿に戻ったのだ。小笠原祥子という、ひとりの人間に。

不自然に別れていたものが突然元に戻ったことによる弊害か、
たった一晩で10年以上の成長をしてしまったことへの身体的な負担からか、
私はしばらくの間、一連の出来事に関する記憶が曖昧になっていた。

けれどそれも程なくして納まり、今は全てを思い出している。
サチコという、もうひとりの私のこと。
祐巳と過ごした愛しくほろ苦い日々のこと。
あの鳥籠の中で知り、学んだことを。

「ごきげんようお姉さま」

大きく跳ねた鼓動を悟られないよう澄ました顔で振り返る。

「――祐巳。ごきげんよう」

つい頬に触れそうになった手の軌道を修正してリボンの位置を直す。
嬉しそうにはにかむ祐巳は小笠原の家で一緒に過ごしていた頃よりも幼く見える。
私が元の姿に戻った事で、祐巳も妹に戻ったのだろう。

……いつかまた私に見せてくれるだろうか?

祐巳の慈愛に満ちた表情を思い出して、そんな事を考えてしまった。
我ながら欲の深い人間だな、と苦笑する。

「祐巳にはずいぶん迷惑をかけてしまったわね」
「いいえ。そんなことはありません」

あなたが居てくれたから、今の私がある。
春のように私を温めてくれたあなた。
分厚い外套を取り払い、私を変えてくれたあなた。

「ありがとう」

ジッと私を見上げてくる祐巳に、また鼓動が速くなる。
幸い、息が切れる前にマリア様に手を合わせる事ができた。

サチコに閉じ込められている時には、これはマリア様の罰だと考えた事もあったけれど……
私がこれからしようとしている事を知ったら、やはりマリア様は罰をお与えになるかしら?

目を閉じて祈る祐巳の横顔を見つめる。
たとえ罪だとしても、罰を受けるのだとしても、私は――

お祈りを終えた祐巳がそっと目を開ける。
こちらを見た祐巳は、私と目が合うと少し驚いた顔をした。

「ねぇ、祐巳」
「は、はい……っ!」

目を見開いて落ち着きのない返事をする祐巳に、思わず笑みが零れる。
私の言葉を聞いたら、あなたはどんな表情を見せてくれるかしら?

「もしも祐巳が私と同じ目に遭ったら、今度は私があなたの魔法を解いてあげるわ」

これ以上ない程の驚いた顔で固まっている祐巳に背を向け歩き出す。
本当はもっと見ていたかったけれど、噴き出してしまいそうだったので仕方がない。

背後から慌てたような足音が追いかけてくる。
本当に、可愛い子。

「お、お姉さまっ。もしかして憶えていらっしゃるんですか……?」
「さぁ? どうかしら?」

意地悪く顔をそむける私と視線を合わそうとして、祐巳がくるくると周りを駆けている。

「教えてくださいよー」

――ぷいっ。

「もう。お姉さまぁ」
「ふふっ」
「わ、笑わないでくださいよぅ」
「だって、おかしいんだもの」
「むぅ……」

拗ねてしまった。
可愛らしく尖った唇を見てあの頃の日課を思い出す。
さり気なく周囲を確認してみる。
薔薇の館へとつづくこの道には他の生徒の姿はない。

「祐巳」
「……なんでしょうか?」
「持って」

拗ねながら返事をした祐巳だったけれど、鞄を差し出すと「はい」と受け取ってくれた。
条件反射なのかもしれないが、祐巳のこういった素直さには尊敬の念を抱いてしまう。
私にとってはとても難しい事だから。
けれど、今は自分の気持ちに素直になろうと思う。

「祐巳ったら、バタバタするからタイが曲がってしまっているじゃない」

私の言葉に、拗ねていた祐巳の顔が嬉しそうなものに変わる。
近づくと恥ずかしそうに目を伏せてしまった。

手を伸ばす。
タイではなく、祐巳のやわらかな頬に。
不思議そうに顔を上げた祐巳の唇に、私はそっと自分の唇を重ねた。

数秒してから顔を離すと、祐巳と目が合った。
驚きすぎて目を閉じられなかったらしい。
その様子が可愛らしくて、思わず笑みが零れる。

祐巳の顔が見る見るうちに朱に染まっていく。
口からは「あぅあぅ」とよく分からない声を漏らしている。
少し悪戯心を刺激された私は意地の悪い笑みを浮かべて言う。

「何をそんなに驚いているの? この間まで毎晩していたのに」
「あ、あれはだって、魔法を解くためで……」

動転している祐巳は、先ほどの質問に私が半ば答えている事にも気付いていないようだ。

「そうね。私の魔法はもう解けているものね」

頬に触れたままだった手を下し、身体を離す。

「ごめんなさい。もうしないわ」

祐巳は残念そうな顔をした。
……ように見えたけれど、私の願望がそう見せただけかもしれない。



『相変わらず意気地がないわね』



そんな声が聞こえた気がして、心の中で苦笑する。

祐巳に持たせていた鞄を取って、代わりに手を繋いだ。
祐巳はびっくりしたように私を見上げたけれど、すぐに手を握り返してくれたからそのまま歩きだす。

「ねぇ、祐巳」
「はい」

祐巳はなんだか真面目な顔をしている。
何を考えているのかしら?
いつもより大人びて見えるその表情に私はしばし見惚れた。

「お姉さま?」

きょとんとしている祐巳はいつもより幼く見えて、つい笑ってしまう。

「ごめんなさい。なんでもないのよ」

笑いながらそう言うと、祐巳はまた唇を尖らせた。
わけも分からず笑われて不満です、とその顔が言っている。

「ふふっ」
「もう。何がおかしいんです、お姉さま」

答えない私に抗議のまなざしを向けてくるものの、祐巳は手を振り解きはしなかった。

「ねぇ、祐巳」
「なんですか」

精いっぱい怒った顔をつくっている祐巳は可愛い。
少しだけ握った手に力が入る。

「あのね」

サチコだった頃のように言ってみた。
すると祐巳は何かに気付いたように立ち止まり、ジッと私を見上げてきた。
手が震えてしまわないよう、強く握る。

「もしも私が――」

更に強く握ってしまった後で、痛い思いをさせているかもしれないと気付いた。
慌てて力を弛めたけれど……
私の手は今も祐巳と繋がれたままだった。

祐巳の温かな手が、私を掴んで離さない。
その痛いくらいの強さとまっすぐなまなざしが、私の気持ちを後押しした。





「あなたを愛していると正直に告白したら、またキスしてもいい?」





−了−


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普通イチゴ大好き山百合会随一の猛者  No.3882  [メール]  [HomePage]
   作者:  投稿日:2018-06-24 10:56:22  (萌:2  笑:1  感:0
これは、ドキドキプリキュアの百合小説です
この話は、相田マナの視点から書かれています

〜ドキドキプリキュア!二人を繋ぐ赤い糸〜
☆第一話☆

小学三年生のあたしは、お婆ちゃんが大好きだった。
大好きなお婆ちゃんから小さな箱を渡された。
小さな箱を開けると箱の中には、小さな赤色の宝石が付いている指輪が入っていた。

「わ〜〜〜、綺麗な指輪だね。
お婆ちゃん、この指輪どうしたの?」

あたしは、箱に入っていた指輪を右手で持ってうっとりと指輪を見つめた。

「それはね、お爺ちゃんから結婚する時に貰った指輪じゃよ」

お婆ちゃんは、亡くなったお爺ちゃんの事を思い出して優しそうに微笑んだ。

「えっ、そんな大事な指輪だったの!?」

あたしは、大切な指輪を傷つけたら駄目だと思い慌てて指輪を箱に直した。

「そうじゃよ、お爺ちゃんとの思い出の指輪をマナが貰って欲しんじゃよ」

お婆ちゃんは、あたしが指輪の入った箱を持っている右手の上から両手を重ねて優しく微笑んだ。

「あたしは、こんな大事な物なんか貰えないよ!!」

あたしは、慌ててお婆ちゃんを見つめると箱の入った指輪をお婆ちゃんに渡して返そうとした。

「良いから指輪を受け取ってくれぬか?
これはね……」

お婆ちゃんがあたしの右手の小指を触ると愛おしそうにあたしを見つめた。

「マナの小指にある赤い糸が繋がった運命の相手にお渡して欲しいんじゃよ」

お婆ちゃんは、あたしの小指を絡めるように触った。

「そんなの誰が相手なのか解らないよ……」

あたしは、お婆ちゃんが言っている意味があんまり理解出来ずに俯いた。

「今は、解らなくてもかまわぬよ。
その時になったらきっと解るはずじゃよ」

お婆ちゃんは、しゃがんで目線をあたしと合わせて優しく微笑んだ。

「本当に解るの……?」

あたしは、お婆ちゃんの言葉を確認するかのようにお婆ちゃんを見つめ返した。

「ああ、本当じゃよ。
だからそれまで大切に指輪を持っておるのじゃよ」

お婆ちゃんは、あたしを見つめ返すとニッコリと微笑んだ。

「うん、ならこの指輪を貰うね。
ありがとう、お婆ちゃん。
相手が見つかったら必ずお婆ちゃんに紹介するからね」

あたしは、指輪の入った箱を握りしめてお婆ちゃんにニッコリと笑い返した。

「ああ、楽しみにしているおるよ」

お婆ちゃんは、しわしわの顔をしわくちゃにして微笑んだ。
それからあたしの頭を優しく撫でてくれた。
でもお婆ちゃんは、あたしが小学6生生の時に亡くなったのでお婆ちゃんに運命の赤い糸の相手を紹介する事は出来なかった……
あたしは、中学生になると生徒会長とプリキュアになりジコチューとの戦いと生徒会の仕事で大忙しだった。
そんなある日、生徒会の仕事が終わる頃に六花が質問をしてきた。

「ねえ、マナ、いつも大事そうに鞄に入れてるそれは、なんなの?」

六花は、書類を揃えながらあたしの方を向いた。

「えっ、これの事なの?」

あたしは、鞄から指輪の入った箱を六花に見せた。

「うん、それよ。
いつも大切そうに持っているから気になってね」

六花は、書類を書類入れに直すとあたしに近づいた。

「これはね、お婆ちゃんの形見の指輪なんだよ。
運命の赤い糸の相手が見つかったら渡しなさいって言われているんだよね」

あたしは、箱から指輪を出して指輪を六花に見せると指輪を箱に直した。

「そうなんだ、でも意外ね」

六花は、口元を右手で押えて可笑しそうにくすくすと笑った。

「えっ、何がなの?」

あたしは、六花が何故笑っているのか解らずにきょとんと首を傾げた。

「だってマナの口から運命の相手なんて言葉がでるんだもの。
マナは、そう言う言葉に縁が無さそうだったからね。
でも意外とマナって乙女チックなのね」

六花は、楽しそうに口元を右手で押さえてしばらく笑うと笑うのがおさまる頃に手を下ろして意外そうにあたしを見つめた。

「そうなのかな?
運命の相手どころか今までに好きになった人もいないんだよね。
だから当分、運命の相手なんか見つからないと思うよ」

六花が可笑しそうに笑ったのを見てきょとんと首を傾げて困ったように苦笑いを浮かべた。

「もしこの先も運命の相手が見つからなかったら私がマナの運命の相手になってあげようか?」

六花は、あたしの心を覗き込むように上目遣いであたしを見つめた。

「う〜〜ん……遠慮しておくよ。
運命の相手は自分で見つけたいからね」

あたしは、口元を押さえて少しだけ考え込むと軽く首を横に振り六花の誘いを断った。

「残念、マナにふられちゃったか〜〜」

立花は、あたしから距離を取り後ろを向いて自分の腕を後ろで組んで残念そうに窓の外を見つめた。

「ごめんね、六花……」

あたしは、残念そうにする六花に悪い事をしたと思い軽く頭を下げて六花に謝った。

「悪いと思うんだったら今度アイスを奢って貰うからね」

六花は、あたしの方を向いてあたしの顔を覗き込んだ。

「アイスくらいならお安い御用だよ、六花」

六花にアイスを奢るくらいで機嫌が直るならば安い要件だと思い小さく頷いた。

「約束よ、マナ」

六花は、機嫌が治ったようにニッコリと笑った。
あたしと六花は、鞄を持つと生徒会室を後にした。
あたしは、お嬢様の1番を決める大会に参加するありすの付き添いで会場に来ている。
ありすの出番には少し時間があったから中庭の花園を散歩する事にした。
しばらく散歩していると金髪で長い髪の黒い洋服を着た女の子が花を嗅いでいた。
あたしは、少し女の子が気になって話しかけた。

「ねえ、あなたも花が好きなの?」

あたしは、女の子に近づいて女の子の後ろから話かけた。

「好きってなんなの?」

女の子は、不思議そうにきょとんと首を傾げた。

「えっと、好きってのはね……
その近くにいると嬉しかったり心が和んだり自分の事のように大切に思う事だよ」

あたしは、好きの言葉をどう説明したら良いのか解らずにとりあえず自分の感じた好きの意味を伝えた。

「そうなんだ、でもマナって面白いよね」

女の子は、楽しそうにくすくす笑いながらあたしの顔を覗き込んできた。
あたしは、女の子に見つめられて心臓の音が早くなりドキドキした。

「えっ、何であたしの名前を知ってるの?」

あたしは、女の子と初対面だと思うと不思議そうに首を傾げた。

「う〜〜〜ん……今は、まだ内緒だよ」

女の子は、考え込むように自分の唇を軽く触った。
女の子は、すぐに両手を後ろに組んで楽しそうにクスクスと笑った。

「あたしの名前は、レジーナよ。
多分、また直ぐに会えると思うな。
またね、マナ。」

レジーナは、右手を振ると右手の小指に赤い糸が見えてあたしの小指に繋がっている気がした。
だからレジーナの小指をよく見ようとした。
でも突然、風が吹いて花弁が舞い上がりあたしは、目を閉じた。
次に目を開けた時には、レジーナの姿は何処にも見当たらなかった。
あたしは、不思議とレジーナにまた会える気がしていた。

〜つづく〜




 > プリキュアが大好きだから書いてしまいました…… (No.77411 2018-06-24 10:57:17)

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前衛的すぎてこの胸に一杯の愛をと寝る用の  No.3881  [メール]  [HomePage]
   作者:卒業文集をりよう  投稿日:2018-06-22 14:19:18  (萌:0  笑:0  感:0
黒いぬのがむねハム軍違います
弁護士になりわざとらしく日本にきてハム軍の奴隷たま金切り落とす

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嫉妬の炎、祥子  No.3880  [メール]  [HomePage]
   作者:ヘススナバス  投稿日:2018-05-11 18:48:35  (萌:1  笑:11  感:1
【No:3878】の続き
マリみてと城下町のダンデライオンのクロス的な何か。
祥子様がお馬鹿になっちゃった。



「そういえば新聞部が令と由乃ちゃんのインタビューしたいらしいけど」

反省会も終わった所で紅薔薇様がそう切り出した。

「今は無理ね。」

黄薔薇様はそうおっしゃった。

「そもそもなんで令と由乃ちゃんなの?」

「どうやらベストスールに選ばれたらしいわ。」

いまだに落ち込んでいる令様と怒りながら励ましている由乃さんを見ながら白薔薇様がそう聞き、紅薔薇様が答えた。

「まあ由乃ちゃんの宣言前よりはいい関係ね。」

黄薔薇様はそう言ってほほ笑んだ。

「それで代わりはどうするの?他にもなにかミス何とかやらあるんだっけ?」

そう言って白薔薇様は紅薔薇様が持っていた紙をとった。

「なになに、おー志摩子はミス・小町だって。」

「ミス小町ですか…」

ミス小町ってなんだ。志摩子さん美人だけど趣味が和風ってところからかな。
志摩子さんはどことなく複雑そうだ。

「それは聖とスールになった時の影響ね。インタビューで日舞の名取って言ったから。」

「まあそうだろうね。あ、祐巳ちゃんも選ばれてるじゃん。ミス・メイドだって。祐巳ちゃんご感想は?」

白薔薇様笑いながらそう言った。

「なんかミス・メイドってドジしそうですね。」

私は思ったことをそのまま口に出してしまった。

「確かに二重の意味でミス・メイドになりそうね。しっかりしているところと抜けているところを持っているし。」

紅薔薇様がちょっと笑いながらそうおっしゃった。

「祐巳。あなた・・・」

お姉様はそう言って頭を抱えた。

「うんうん。祐巳ちゃんのメイドいいじゃない。ただ…」

白薔薇様は立ち上がった。

そして

「胸はもっとあった方がいいかな。」

そう言って私の胸をもんだ。

「ぎゃ、ぎゃああ!!!」

私は叫び声をあげた。

「ちょ、ロ、白薔薇様!なにしてるんですか!?」

「いや、なんとなく。」

なんとなくでこんなことされたらたまったものではない。

「しかしいい反応をありがとう。」

「どういたしましてってなるわけないでしょう!」

私はツッコんだ。

「確かに恐竜みたいな叫び声は意外ね。」

「聖、あなたねぇ…って祥子あなた静かだけどどうし!?」

黄薔薇様がのんきにそう言って紅薔薇様はお姉様を見たが変な反応だったので
私もつられてお姉様を見た。
そこには赤鬼がいた。

「白薔薇様はなにしくさってるのかしら?私だって揉んだことないのに。」

「ちょっと祥子何言ってるの!?」

珍しく紅薔薇様が動揺している。

「ふむ。祥子もとうとうこの道にたどり着いたか。」

白薔薇様はわけのわからないことを言っている。

「そんなに揉みたいならご自分の妹のを揉んだらいかがですか?祐巳より大きいのですから。」

「志摩子の?」

そうお姉様が言うのでつい志摩子さんの胸を凝視してしまった。

「祐巳さん。そんなに見られると恥ずかしいわ。」

「あ、ごめん。」

志摩子さんは顔を赤らめてそう言った。

「祥子には悪いけど私は揉みたい時に揉みたい胸を揉む主義なんだ。」

「そんな主義に私の妹を巻き込まないでくださるかしら?祐巳の胸は私の物ですわ。」

聖様とお姉様が言い合ってる。なんかお姉様もボケボケになってきている気がするなぁ…
私のせいだろうか?

「あそこのお馬鹿さん達は置いておくとしてどうせだから志摩子と祐巳ちゃんでインタビュー受けない?
 同じクラスだし。本当は祥子と祐巳ちゃんで提案しようと思ったんだけど祥子はお馬鹿になっちゃったし。」

紅薔薇様がため息をつきながらそう言った。

「私はいいですけど、祐巳さんは?」

「志摩子さんとなら喜んで!」

そうして私と志摩子さんのインタビューが決まった。


「ところでなんで私がメイドなんだろ?」

いろいろ大変だった反省会が終わり薔薇の館を出て教室に戻っている途中で志摩子さんに聞いた。

「茜さんに世話を焼いていることが多いからじゃないかしら?それと祥子様と一緒にいることも多かったでしょ?」

「なるほど。」

確かにお嬢様とメイドはセットであることが多い気がする。

「そういえばお姉様が祐巳さんに迷惑かけてごめんなさいね?」

「いや、全然。むしろ白薔薇姉妹には劇の時に助けてもらってばっかりで。」

「祐巳さんに絡んでいるお姉様は楽しそうだし祐巳さんさえよかったらこれからもお姉様のことよろしく頼むわね。私じゃできないことだから。」

「ただ揉まれるのは勘弁かな。」

私は苦笑いで答えた。


由乃さんの衝撃的宣言から数日経ち、やっと平和な日常になった。

当日に私から由乃さんの宣言を聞き同じさっちゃんファンである茜ちゃんと由乃さんが意気投合していた。

ステレオでさっちゃんについての魅力を語られて大変だったよ。

新聞部はどこからかこの宣言の情報を聞きつけ黄薔薇宣言と銘打って報道した。

その影響で妹が姉に何か決意を宣言するのが流行っているらしいと蔦子さんが言っていた。

そうして休日になったので宣言の翌日から入院している由乃さんのお見舞いに行くことにした。

茜ちゃんも一緒に行くと言ってたので一緒に向かうことにした。

「ごきげんよう、由乃さん。」

私たちはそう言って病室に入った。

「あら、祐巳さんに茜さん。来てくれたの?」

「結構元気そうだね。」

「まあ前も元気な時は普通に生活できていたわけだしね。
元気なのはいいんだけど暇で暇で。」

「そんな由乃さんのためにいいものを持ってきたよ。」

そう言って茜ちゃんはカバンから何か取り出した。

「ジャーン!ポータブルDVDプレイヤーとさっちゃんのライブDVDだよ!」

「え!?ありがとう!うちに持って行けるDVDプレイヤー無いから断念したんだよね!」

DVDは持っているのか。

ふたりは一緒にライブDVDを見てはしゃいでいる。どことなく疎外感があるが二人とも楽しそうだからいいか。
その後看護士さんに思いっきり怒られた。

「そう言えば令ちゃんどうしてる?」

「さっちゃんとつぶやきながら歩いてたのは改善したみたい。今は大会近いから「部活に専念してるよ。」

私はそう答えた。

「あの時はついでの理由って言ったけど本当は前から考えてはいたの。
 令ちゃんは私のためにっていろいろしてくれるけど私がいなくなったらなんにもないみたいな人になっちゃうのは嫌なのよ。
 令ちゃんは一人で立って歩けるはずなのに私がついていちゃそれができない
。私はね、令ちゃんの横に立って並んで歩きたいの。お互いに縋り付く関係じゃなくてね。」

「由乃さん…」

暴走していたように見えてしっかりとした考えがあったんだ。

茜ちゃんもちょっと涙ぐんでいる。

「でもそれなら令様にそう言った方がよかったんじゃない?」

「あなたのために手術を受けますって面と向かって言うのなんか恥ずかしいじゃない。」

そういって由乃さんは笑った。


病院からの帰り道二人で話していた。

「由乃さんしっかりした人だね。」

「うん。私も同じ蕾の妹として頑張らなきゃ。」

「私も王族としてしっかり!?」

そう言いかけた所通行人に挨拶されて私に隠れながら小さな声であいさつを返している茜ちゃんである。

「茜ちゃんはもう少し時間がかかりそうだね。」

私は苦笑いしながら言った。

そうして家の前まで話しながら歩いていると茜ちゃんの家の前にタクシーが止まっていた。

「あれ?お客さんかな?」

近づいてみると大人の男の人と見覚えのある女の子と男の子がいた。

「光に遥!?何してるんだろ?しかも光は自分を成長させた姿で。」

「あ、茜ちゃんに祐巳ちゃん!」

「光、これはいったい何?」

「えーと、めんどくさいからハルくん説明して。」

「はぁ…光が今後の選挙に向けてアイドルになって支持率アップを目指してたから手伝ったんだ。
 オーディションは体を中学生にしたけど身分証が小学生のままだったからNGくらって途方に暮れてたら光が勝手にスカウトされてた。」

「ああ、この前葵お姉ちゃんが言ってたのってこのことなんだね。」

「光がこそこそ何かやってるのは知ってたけどアイドルとはねぇ。」

しかし由乃さんといい光ちゃんといい最近アイドルブームでも来ているのかな?

そこで男の人が前に出てきて頭を下げた。

「光様とは気づかずにスカウトしてすみません!私はプロデューサーの松岡です。
しかし光様にはアイドルの素質があり陛下にお許しをいただきたく参った所存でございます。」

「あ、え、はぁ。」

茜ちゃんがパンクした。

「あ、松岡さん入って入って。」

光ちゃんはマイペースに松岡さんを招き入れている。

「まったく光のやつ…祐巳さんも茜姉さん連れて入ってくれる?」

「あ、うん。」

私は茜ちゃんを引っ張って櫻田家に入った。


「どうか!光様のアイドル活動にご賛同願いませんか!?」

松岡さんがいわゆる土下座スタイルで現王様の総一郎さんに懇願している。

「うん、いいよ!」

その軽い一言で光ちゃんのアイドル活動が始まることとなった。

光ちゃんの話だと小学生のままだと客層がとか言われたらしく桜庭ライトという名前かつ中学生の姿でデビューするらしい。

「ところで光ちゃん?」

「なに祐巳ちゃん?」

「支持率アップのために始めたんなら正体隠してたら意味ないんじゃない?」

「あ。」

光ちゃんの支持率アップはまだ遠いようだ。

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欲しいと思った  No.3879  [メール]  [HomePage]
   作者:bqex  投稿日:2018-05-05 17:55:22  (萌:0  笑:10  感:1
1998年5月10日はマリア様がみてる(無印)が発売された日。
そう、今年は無印発売20周年なのです!
というわけでささやかなお知らせSSでございます。


 薔薇の館。

「ごきげんよう」

 乃梨子は静かにサロンに入ったせいか祐己さまたちはすっかり気が抜けていた。
 だから自然に出したはずの台詞はあまりにも予想外すぎたのかもしれない。

「まんが王の『マリア様がみてる特集ページ』で見たんですけどね――」

 この一言に一同は大きく反応した。

「の、乃梨子ちゃん、待って、待って!」

 お化け屋敷に突如入れられたかのような反応をする祐己さま。

「え!? な、何、もう二度とこういうの来るわけないと思ってたのに!」

 動揺のあまり、立ち上がる由乃さま。

「おおおおおおお姉さま、落ち着いてください!」

 震えてまともにしゃべれない菜々ちゃん。

「こ、こういうときは深呼吸して! ああ、それでは過呼吸になってしまってよ!」

 すっかり動揺が伝線した志摩子さん。

「そ、それで今なんだっていうのよ!?」

 問い詰める瞳子。
 誰も落ち着いてはいない。
 予想外の反応に乃梨子は驚愕したが、この場をなんとかできるのは自分だけだということを心得ていたので、できるだけ冷静に言った。

「あの、別に新刊が出るとか、新エピソードが出るとか、そういう話ではないので、とりあえず皆さま落ち着いて――」

 するとピタリ、と一同は静止し、ちょっとだけ時間をおいてから乃梨子に詰め寄った。

「何今の? すごく紛らわしすぎるんだけど!」

「言っていい冗談と悪い冗談があるでしょう!」

「いま私死にかけましたよ!」

「エイプリルフールは先月よ! カレンダー見直してきたら?」

 深呼吸のつもりが過呼吸になってしまった志摩子さん。
 慌てて一同が処置を施すも可哀想に保健室へ退場となった。
 志摩子さんは心配ではあったが、少し休めば大丈夫とのことだったので、付き添いの乃梨子は四人の待ち構える薔薇の館に戻った。

「皆さまが『まんが王』というワードにそれほどセンシティブになっているとは思いませんでした。私としては『事件です』と言うほどではなかったので、さらりとお伝えするつもりだったのですが……」

 乃梨子は釈明した。

「で、何をお知らせしたかったわけ?」

 由乃さまが怒りをだだもれにした声で尋ねた。

「『マリア様がみてる』20周年を記念して、『マリア様がみてる』シリーズの単行本(20周年の帯のあるもの)の購入特典として20周年記念ブロマイドがつくというお知らせです。お手持ちでない方はこの機会にぜひどうですか、という話です。まあ、私はシリーズ全巻持ってますから今更買う予定はないのですが。ちなみにサンプルイラストは祥子さま、祐己さまのツーショットでしたね」

 淡々とお知らせする乃梨子。
 由乃さまと瞳子はなあんだ、という表情に変わり、菜々ちゃんも乃梨子に非がないことを理解してくれたようだ。しかし。

「……ほ」

「ん?」

「欲しーいっ!」

 祐己さまは全力で叫んでいた。

「祐己さん、落ち着こうか」

 由乃さまが先ほどとは打って変わって冷ややかに突っ込みを入れた。
 今更ツーショットなんて蔦子さまを捕まえればいつだってゲットできるでしょう、と。
 瞳子なんて呆れた顔して、祥子さまを呼びましょうか、とまで聞いている。

「それとこれとは別問題だよ! ひびき先生って今何やってるの? だって、二度と書いてくれないかもしれないじゃないの!!」

 気迫あふれる祐己さまの表情にその場にいたものは全員引いていた。
 その前にひびき先生に失礼だろう、とも口には出さなかったが、全員が思った。

「ねえ、それってまんが王だけ?」

 乃梨子の腕にすがりつくように祐己さまは情報を絞り出そうとする。

「いえ、まんが王の他でもやってるみたいで公式のtwitterでは3月ごろには告知されてたみたいですね。Amazonのkindleでは20%オフセールもやってます」

 追記で申し訳ないが、キャンペーン対象店舗じゃないところもあるので、確認してほしい。

「わかった、ありがとう!」

 ダッシュで薔薇の館を飛び出していく祐己さま。
 静かに見送る一同。

「祐己さん、家に何冊『マリア様がみてる』無印あるのかしらね?」

「この前お邪魔したときは初版と映画化したときのとプレミアムボックスのは確認しましたけど、まだあるかもしれませんね」

 瞳子が生暖かい目で回想する。

「とりあえず、今日は薔薇さま二人がいなくなっちゃったから、解散しようか」

「そうですね」

 静かに帰り支度をし、祐己さまの行く末を案じる一同だった。

「ところで、志摩子さんは?」

「それは私が――」

 志摩子さんの荷物と自分の荷物を持ち、乃梨子は保健室に寄って一緒に帰ろうと思っていた。


 そのころ、マリア像前。

「きゃ!」

「ごめん! 志摩子さん!」

 過呼吸が落ち着き、薔薇の館に戻ろうとしていた志摩子さんは、ダッシュで本屋に直行しようとしていた祐己さまに跳ね飛ばされそのまま保健室に逆戻りとなったのであった。

bqex > 今更ですけどtwitter始めました。 (No.77409 2018-05-05 17:56:02)
bqex > @bqex_gokigenyouです。 (No.77410 2018-05-05 17:56:47)

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支倉令の苦難  No.3878  [メール]  [HomePage]
   作者:ヘススナバス  投稿日:2018-05-05 12:01:02  (萌:1  笑:4  感:2
【No:3877】の続き
マリみてと城下町のダンデライオンのクロス的な何か。
革命は起きなかった



「ふんふふーん♪」

今日の私はご機嫌である。祥子様と姉妹になることが出来たからだ。
今日は薔薇の館で反省会があるので早めに家を出た。

「あら、祐巳ちゃん。ごきげんよう。」

「ごきげんよう!葵お姉ちゃん早いね。」

ついお姉ちゃんと言ってしまった。学校では気を付けないと。

「私は委員会があるのよ。祐巳ちゃんは反省会だっけ?」

「よくご存じで。」

「志摩子ちゃんが言ってたからね。学校まで一緒に行きましょうか。」

そう言って二人で歩き出した。

「そういえば昨日は美味しい料理ありがとうございました。」

「いえいえ。めでたいことだし、うちの子たち姉妹つくらなさそうでそういう機会なさそうだしこっちとしても楽しかったわ。」

奏様と茜ちゃんは確かにつくらなさそうだ。

「岬ちゃんは姉つくるかもしれないよ?」

「本当?祐巳ちゃんが妹にするの?」

「全然そんなこと考えてないです!まだ妹になったばっかりだし…そうじゃなくて演劇部の縦ロール先輩です。」

「ああ、前に言っていた子ね。祐巳も会ったの?」

「ええ。文化祭の時に。なかなか癖の強そうな子でしたけどね。」

私じゃとても姉妹になれないだろうなぁ。

「そうなんだ。岬には王族へのインタビューとかいろいろ引き受けてもらっちゃってるから学校では自由に過ごしてほしいわね。」

「そういえば、光が最近何か始めたようなのよ。」

「光ちゃんが?」

櫻田光ちゃん。小学5年生で櫻田家の5女である。能力は対象物の成長具合を変化させる生命操作というものだ。

「うん。何を始めたのかわからないんだけど突き進んじゃう子だから祐巳も見守ってあげてね?」

「わかった。」

光ちゃんなにを始めたんだろう。

葵様とはマリア像のところで別れて私は薔薇の館へ向かった。


「ごきげんよう。」

私は入って挨拶をした。

「ごきげんよう、祐巳ちゃん。遅れずに来てえらいわね。」

紅薔薇様が挨拶してくださった。中には紅薔薇様とお姉様だけがいらっしゃった。

「ごきげんよう、祐巳。紅茶入れてくれるかしら。」

「は、はい!お姉様!」

私は荷物をお姉様の隣の席に置き、紅茶を入れに行った。

「あら、やっぱり姉妹になったのね。おめでとう。」

私のお姉様という言葉に反応して紅薔薇様がそう言ってくださった。

「やっぱりっていうのは?」

私はその部分が気になったのでそう言った。

「祥子がなぜかそわそわしていたから何か隠しているのは分かっていたのよ。
しかし祐巳ちゃんは姉妹になってもどっしりしているのに祥子はそわそわして祐巳ちゃんの方がお姉様みたいね。」

そういってクスクス笑った。
多分櫻田家と過ごしてきたから多少のハプニングには慣れているからだろう。
そうでなかったらお姉様とさえ呼べなかった未来もあったのかな。
今の状態でもお姉様にタイを直してもらった写真を見た時は慌てたけど。
櫻田家と付き合うのは大変だったけどそういうところは感謝したい。

その言葉にお姉様が反応したが紅薔薇様は軽くあしらっている。

そうしていると志摩子さん、黄薔薇の蕾の姉妹、黄薔薇様と次々に入ってきたので合わせて紅茶を準備した。
途中で志摩子さんと由乃さんも手伝ってくれた。
祥子様にいただいたロザリオについて由乃さんが興味津々だったので先に妹になったことを伝えたら二人ともいい笑顔でおめでとうと言ってくれてうれしくなった。

「白薔薇様遅いわね。」

「まあどうせ忘れてるんでしょ。」

紅薔薇様と黄薔薇様がそんな会話をしていた。

「ちょっと祐巳さん聞いてる!?」

そんな中私と志摩子さんは由乃さんに絡まれている。
今日の由乃さんはアグレッシブである。

「ほらほら、由乃。祐巳ちゃんも志摩子も面喰ってるよ。二人ともごめんね?由乃は元来こういう性格なんだ。由乃もあんまり張り切るとまた熱出るよ?」

「ふふふ、令ちゃん。そんな由乃とはもうおさらばよ!皆様、わたくし島津由乃は心臓の手術を受けることをここに宣言します!」

それは本当に爆弾発言だった。

「よ、由乃!突然なんで!」

令様が慌ててる。

「令ちゃんがいつまでも独り立ちしないからよ。っていうのがついでの理由で」

「わ、私がついでの理由…」

令様が部屋の隅で体育座りで落ち込んでしまった。

「祥子、ちょっと令を慰めてあげて。」

「なぜ私が…はぁわかりました。」

紅薔薇様がお姉様にそう頼みお姉様はしぶしぶ従った。

そして暴走機関車はまだ止まっていなかった。

「もう一つの理由は!さっちゃんのライブに行くためです!」

「さっちゃん…」

そう黄薔薇様がつぶやいてみんなでお姉様を見た。

「違います。さっちゃんは祥子様じゃないです。」

由乃さんは首を横に振った。

「さっちゃんはアイドルです。米澤紗千子という名前の。偶然祥子様と同じお名前ですが祥子様の芸名ではないです。」

さっちゃん…あー茜ちゃんが好きだと言ってたのを聞いた覚えがある。

「祥子もリリアンのアイドルよね?同じようにさっちゃんっていう名前で売り出しましょうよ!」

黄薔薇様が楽しそうに言った。

「黄薔薇様!話の腰を折らないでください!」

由乃さんが黄薔薇様に噛みついた。

「というわけで手術を受けることにしました!」

そう言って着席したが室内には令様の祥子に負けた…と泣いている声と祥子様のさっちゃんは私ではありません!聞いているの令!?という言葉しかなかった。

「ごめん!遅れた!って何この状況?」

そう白薔薇様が入ってくるまでこういう状態だった。


「…ということです。」

紅薔薇様が白薔薇様に説明してあげてと言ったので私が説明した。

「いやーただものじゃないと思ってたけど由乃ちゃんのこの突然さは黄薔薇の血だね。」

そう言って白薔薇様は笑った。

「手術を受けるのはいいことだと思うけど言葉をしっかり選ぶべきよ。」

祥子様は令様の慰めを由乃さんと代わりちょっと疲れながらプリプリしている。

「そう言えば祥子もいうことがあるのではなくて?」

紅薔薇様がそう言った。

「この状況で言うのもアレですが…祐巳、いらっしゃい。」

そう言われ祥子様の隣に立った。

「このたび私と祐巳は姉妹になったことをご報告させていただきます。」

「おめでとさん。」

白薔薇様がそう言って手をたたいた。

「由乃ちゃんの方を後にすべきだったわね。インパクトが足りないわ。」

黄薔薇様はつまらなさそうにつぶやいた。

「インパクトですって!?そんなもの求められても困りますわ!」

「じゃあサービスしなさいよ。ロザリオ渡すまでの顛末を詳しく。」

「なんでサービスする必要があるのですか!」

「ね、ね。祐巳ちゃん!どうだったドキドキした?」

黄薔薇様の標的がこっちに来た。

「えっと、ドキドキしましたけどうれしさの方が強かったです。やっと私一人を見てくれたんだって。」

「祐巳ちゃんは健気だね。さっちゃんこんないい子滅多にいないんだから大切にしなきゃだめよ?」

白薔薇様が私に手をまわしてそう言った。

「もちろんですわ。それとさっちゃん呼びはやめてください。」

さっちゃんという言葉に令様が反応した。
令様の方を見ると由乃さんがさっちゃんは祥子様じゃないと洗脳していた。

「それじゃあ報告も終わったことだし反省会始めましょう。」

紅薔薇様のその言葉で反省会が始まった。
黄薔薇の蕾の姉妹は無視するらしい。

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