「じゃあ、またね。 おやすみなさい、祐麒君」
『おやすみ。 由乃さん』
手の中にある、電話の子機の通話ボタンをOFFにする。 楽しい時間は、過ぎて行くのが早い。 楽しかっただけに、一人で部屋にいるんだと認識させられて、物悲しく感じてしまう。 令ちゃんは、受験勉強中らしい。 まだ灯りが点いているけれど、まさかこんな時間に呼び出すわけにも行かない、まして、こっちから行っても、勉強の邪魔だろう。 余裕なんて言ってたって、ちゃんと受かってもらいたいもん。
「……寝ちゃおうかな………」
パジャマに着替えて、灯りを消し。 ベッドに上がって膝を抱えて座る。 窓越しにビロードに宝石を散りばめたような夜空を眺める。
志摩子さんの家の辺りほどではないけれど、住宅街と言うこともあって星と細い三日月が見える。
星と星を、指で結んで……あの人の横顔……。
星の海を渡っていく三日月の船……。
時のロープを解いて、二人で漕ぎ出していく……。
あ〜、私らしくないかしらね。 まぁ、いいじゃない、たまに乙女チックしたって。
同じ夢が見られるように、名も知らない星に祈ってみる。 自分でやってて恥ずかしくなってしまったので、カーテンを閉めて、布団にもぐりこむ。
夢の中でそよぐ風を子守唄に、眠りにつく
夜明けまでの夢。
SHINING STAR〜〜わたしだけの翔星〜〜。