【1202】 狙われているチャレンジャーですねもしかして  (Y. 2006-02-28 14:39:10)


ふと思いついたGSとのクロスネタ








 今日はリリアン女学園の学園祭。
 山百合会主催の『とりかえばや物語』も無事に終わり、祐麒をはじめとする花寺生徒会メンバーは各教室の出店を回っていた。
 歩いていると、小林が長蛇の列を発見し、興味をそそられた彼らは近づいてその看板を覗いてみた。

「うわぁ〜、すごい行列・・・・・・何々? ・・・・・・お見合い愛好会、か。道理で花寺人口が多いはずだ」

 そこは出会いを求める男女で溢れかえり、入室する前からいくつかハプニングでカップル成立してたりする。

「なぁユキチ〜、この際だから入ってみようぜ。せっかくのリリアン生徒とお近づきになるチャンスなんだからさ」
「私はお姉さまを見つけたいな〜」
「む、この鍛え抜かれた筋肉をアピールするチャンスか」
「なっ、本気で言ってるのか? こんな時間食いそうなことやってられるか!」

 そんな風にぎゃあぎゃあ騒いでいる横で日光と月光はあるものを見つける。

「日光よ、ここにもお見合いがあるぞ」
「おぉ月光でかした。早速ユキチ達に教えねば」

 そして教える、というよりも捕獲する形で連れてこられたユキチ達は教室を目の前にして驚愕に包まれる。
 そこは女しかいないまさに花園。
 前の教室に比べて目立たないところにあるためか、地理に明るいリリアン生徒の姿しか見えなかった。

「に、日光先輩、月光先輩お手柄です! こんな、こんな天国があるなんて!」
「キャーーー、お姉さま方がいっぱあぁーーいw」

 小林とアリスが目を輝かせている横で祐麒はそこにいる女子達の会話に冷や汗を流していた。

「姫さまってステキ・・・・・・」
「あぁ・・・・・・あの御胸に抱かれたいわ」
「姉妹はいらっしゃるのかしら・・・・・・」

(ここって・・・・・・もしかしてガチの来るところだったんじゃないか?)

 どうやら入る気満々らしい他の生徒会メンバーに取り押さえられる。

「さあ、行くぞユキチ! いざヴァルハラヘ!」
「「「「「ヴァルハラヘ!」」」」
「ちょ、離せっ、おい!」

 ドアに近づくにつれて熱く粘りつくようなオーラが纏わりついてくる。

「いあ、や、やばいって! 何か嫌な予感が」

 そんな祐麒の抵抗もむなしく、アリスによってその扉が開かれる。









  ふしゅるるるるる・・・・・・











 そこには江戸時代の姫君が着るような豪華な着物に包まれた二メートル近い巨体!
 溢れる筋肉!

「おぉ、そなたが妾の今日の“だーりん”かえ?」
「え、いや、ちが・・・・・・」
「ほう、そうか。そちはユキチと申すのか、気に入った」

 祐麒が助けを求めて後ろを向くとそこにはいるはずの仲間がいない。


  ふしゅるるるるる・・・・・・


 後で覚えてろよ、と消えた輩に恨み言を呟きながら顔を戻すと、視線が熱い。
 部屋には他に誰もいなく、孤立無援、四面楚歌。
 後ずさるがすぐに壁へぶつかる。
 しかし、目の前のソレは彼へと確実に距離を詰めてくる。

「妾は女華姫じゃ。共に幸せな家庭を築こうぞ」











「ぎゃあああああああああーーーーーーーーーーーーーーっっっ!!!!!」














 その後日、花寺生徒会は幹部全員の行方不明により一週間ほど機能が停止したそうな。

 彼と彼女の関係についてはそれに関係する者全てが固く口を閉ざしているために明らかになってはいない。

 ただ、夜な夜な男の叫び声が町に響いていたらしい。


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