『絶・対・リリ・アン!』
時は平成。マリア様の庭に集う乙女達の鬨の声が響き渡る。
突如、オーロラビジョンに仏像の煙草をくわえ、白マント、白帽子を身に纏う二条乃梨子の姿が写し出される。
『蕾様だ!』『白薔薇の蕾のお出ましだ!』
『絶・対・リリ・アン!』
乃梨子の登場により、鬨の声が更に大きくなる。
「聞け、栄光なる我がリリアンの戦友たちよ!
長らく続いたガチャSとの戦いも遂にここまで我々はやってきた。
昨晩は創作をタップリ楽しんだか?」
『妄想なんてもう飽き飽きです。本物の話を読ませてください。』
神妙に頷く乃梨子。
「知っての通り、今日は最新刊の発売日である。(地方により差有り)
諸君の中には既に新刊を手にいれた者…一刻も早くネタばらししたい者もいるだろう…
隠忍自重の精神こそが――己のSSを、リリアンの高峰まで、高めてくれるのだ。
諸君、ここまで共に戦ってくれたことを感謝する。この一読が終わればリリアンに平和がもたらされるだろう。
諸君、夢忘るるなかれ。散華したSSが見守っていること。
そして――諸君!!
諸君らは単なる生徒ではない!諸君ひとりひとりが―――
“絶対リリアン”の薔薇様なのだ!!」
『絶対リリアン!絶対リリアン!』
乙女達の意気が極限まで高められる。そして、乃梨子は薔薇ミルフィーユに手をかける。
「突撃ぃ!!」
今、戦い(読者)が始まる。