セリフと効果音のみの構成です。
「ごきげんよ……あら、私1人だけですか」
スタスタスタ
カチャカチャ…… ボッ
カチャカチャ バタンッ
「あら。この足音は……」
トントントントン……ギィッギィッギィッ
「…お姉さまですわね」
バタン!
「ごきげんよ……あれ、瞳子だけ?」
「瞳子だけじゃあご不満ですの?」
「もー、そういう意味じゃないってばー」
スタスタスタ
ガバッ!
「……もう少しでお茶はいりますので待ってて下さいね」
「あれー。もぅ、瞳子ってばもっと前みたいに『キャー!』とか『ゆゆゆゆ祐巳さま!』とか言ってよー」
カチャカチャ
「お姉さまが見境なしに抱きついてきたので耐性がついてしまいましたわ」
「えー……まぁいいか。人来るまでこうしてていいって事だよね?」
「………はい」
カチャカチャカチャ……
「ごきげんよう。ってあれ。白薔薇組は?」
「由乃さんごきげんよう。まだ私と瞳子しかいないよ」
「あ、瞳子さま。お茶の準備なら私が」
「え、でももうここまでやってしまったから……菜々さんは黄薔薇さまと一緒にゆっくりなさっててください」
ガタガタッ ズズゥ……
「いえ、でも私が下級生ですから」
「瞳子ちゃん。もうそうなったら菜々ってばテコでも動かないから譲ってあげなさい」
「そうですか……では、お願いしますね」
スタスタスタ…
「菜々ってば強情だからいけないわね」
「そういう由乃さんも強情だけどね」
「似たもの姉妹ですわね」
ギロリ
「そういう祐巳さんたちもそっくりじゃない」
「そうかな?瞳子はどう思う?」
「瞳子はお姉さまと一緒だったらなんでもいいですわ」
………
スタスタスタ
「お待たせしました」
「菜々〜。祐巳さん達が苛めるよ〜」
「おぉ!珍しく由乃さんがデレデレモードだ!レアだよ瞳子!」
ガチャ
「あら。もしかして、私達がビリだった?」
「……というか、なんなんですかこの状態は」
この状態 ← 祐巳と瞳子がイスに座りながら腕を組んでいる。
由乃が菜々にすがりつくように抱きついている(+半泣き状態)。
「今週は姉妹愛強化週間なんだよ、乃梨子ちゃん」
「くやしかったら乃梨子ちゃんもすればいいのに」
「いや、別にくやしくないですよ」
スタスタスタ…
ガタガタッ ズズゥ……
「さ。会議始めましょう、祐巳さん、由乃さん」
「……はーい。菜々、続きはまた後でね」
「はい。楽しみに待ってます」
「瞳子、続きはまた……」
「続きはまた後ですわ、お姉さま」
「え、あ……うん」
「じゃあ、今日はこの辺でお開き〜」
「お姉さま。ちょっと道場に寄っていってもいいですか?」
「もちろんよ。さ、行きましょ行きましょ。ごきげんよ〜」
スタスタ
ガチャ バタン
「じゃあ私たちも帰ろっか」
「そうですわね。乃梨子さんにも悪いですし」
「な、なにが!!」
「おほほほ。では、ごきげんよう」
「ごきげんよう」
スタスタ
ガチャ バタン 「瞳子も本当はさびしいくせに〜」「あ、ちょ…お姉さま」
「……し、志摩子さん」
「どうしたの、乃梨子?」
スッ
「……帰ろ」
「……そうね。ついでに今日は乃梨子の御家にお邪魔しようかしら」
「え、そんな。いいの?」
「もちろんじゃない。お父様にはなんとか言っておくわ」
ガタッ
スタスタスタ……
「……うらやましく思ってるのは乃梨子だけじゃないのよ?」
「え?あ、そう…なの。はは」
ガチャ バタンッ
「ミャァ〜」
『ただそこにあるだけの穏やかな放課後』別名『ゴロンタはみてる』 終わり