【1657】 ぱられる祐巳手のかかる妹コレクション  (YHKH 2006-07-03 21:25:30)


(注意)妄想度∞のバカ小説です。さらっとお見逃しを

リリアンには「伝説」とされる人物が幾人か居る。
その中の一人に『最強の紅薔薇さま』と言われた人物が居た。
彼女の名前は「福沢祐巳」
彼女は一姉一妹が原則のリリアンのスール制度において、何故か一姉多妹を赦された人物だった。


「ごきげんようお姉様」
いつもの様にマリア様の前でお祈りをする祐巳にそう声を掛けてきたのは1年椿組の細川可南子。
周囲からは『祐巳の妹1号』と称される少女だった。
「ごきげんよう可南子、今日も綺麗な髪だね♪」
くっついたり離れたり、挙げ句の果てには賭までやってやっとのこさ紆余曲折の末ようやく関係を結んだ妹を褒める事を
忘れないのは彼女の美徳の一つだ。
180近い長身なのにその腰付近まである長い黒髪はある意味可南子の宝物の一つだったのだ。
(ちなみに最高の宝は祐巳とのXXXなモノらしいが詳しくは不明)
「有り難う御座います、お姉様」
『天使の微笑み』と共に最愛の姉にそう褒められては悪い気がしないどころではない。正に天に昇る感じな可南子だった。
(ああ、お姉様に褒められた…今日も夜明け前から手入れをしておいて良かったわ…
 そうだ!あとで薔薇の館でいつもの様に後ろから抱きしめて貰って梳いて梳いて梳きまくって貰わなきゃ…)
祐巳の可南子だけに与えられる愛情行動(?)を脳内で反芻しややトリップし掛けてる所へ、その妄想を打ち破る声が響く。
「ごきげんよう、お姉様、可南子さん」
100m先からでもその姿を判別出来ると言われる、縦巻きロールを軽く揺らせながら来たのは1年椿組の松平瞳子。
周囲からは『祐巳の妹2号』と認識されている少女だった。
「ごきげんよう瞳子、今日も元気そうでお姉様は嬉しいよ」
一時期は『福沢祐巳親衛団』なる謎の組織から即時抹殺指令が下されていたとも揶揄されてた程劣悪な関係状態だった事もあったようだが、数々のドラマを経て何故かスールの座に納まった。

まぶしい程の微笑みを直に受けて瞳子の顔がいっぺんに沸騰する。散々つれない事をして来た反動か、いざその懐に包まれる様になると、瞳子は感情とそれに伴う表情を抑えられなくなる様だ。後に天下の大女優と揶揄される彼女も最愛の姉の前では…まぁ致し方無かろう。
ちなみにその姿を見て現黄薔薇の蕾であり祐巳の大親友の一人である島津由乃女史は「百面相の妹はやっぱり百面相ね」と零したとか零さなかったとか…
「あ、あ、あ、あり、ありがとうご、ござ、ございます…お、お姉様…」
リリアン演劇部TOP女優とは思えない狼狽っぷりに、クラスメートを含め影で『真の最強ツンデレ御嬢様』と呼ばれているらしい。
「瞳子さんは未だにお姉様の笑顔に慣れませんのね…困ったモノですね」
「し、仕方ないですわ!可南子さんと違って私はまだお姉様とスールになって日が浅いんですから!」
解りきってはいるものの彼女のためを思いわざと憎たらしい事を言う可南子。そしてその言葉でフリーズから解かれる瞳子。
実に良いコンビだった。
とてもではないが最初は天と地程に仲違いしていたとは思えない二人だった。


とりあえず3人一緒にお祈りを済ませ薔薇の館に向かう祐巳達。
「いやぁ両手に花って良いよね可南子、瞳子」
ややだらしがないかな?とも取られそうな幸せ溢れる崩れかかった笑みを浮かべる祐巳に対し、可南子と瞳子は困惑顔だった。
何せ最愛の姉と腕組み状態だった。
もちろん今はやや早い時刻とは言え登校時間、一般衆人―て言うか他の生徒の目がある前である。
嬉しいが、それ以上に恥ずかしいのである。『せめて他人の目のない所で…』は共通の悩みであった。
さて、同様の困惑顔を見せる可南子と瞳子だが、その表情には微妙な違いがあった。
まず可南子の方だが極々自然で平然と見える。
しかしながらその心中表現は羽化登仙状態だった。正しく祐巳顔の天使がハレルヤコーラス大合唱付きで緩やかに飛び回るとでも言えばいいだろうか?
そして瞳子の方はさっきから真っ赤な顔して俯いてばかり。何やらぶつぶつとつぶやいている。
聞き取れない程でもないが、その内容は微妙に危なっかしそうな感じなモノがこれまたてんこ盛り状態フィーバー大回転なので放っておきたい。


「姉」の『姉』と同じ系列の端麗な容姿で成績優秀運動抜群だが、その実非常にドリーマーでちょっぴりわがままでそこそこ欲張り。
確固たるポリシーを持った容姿外見とは裏腹に強気に見て実はとってもか弱い、あからさまな程のツンデレでそこそこの能力を満遍なく網羅する。

実の話その所属メンバーはリリアンの中で最も個性の強い人物が集まっている山百合会に於いても彼女は遜色なく存在している。

ドラマチックで決して一筋縄では行かなかったな祐巳の妹たちはいつも元気にお姉様の愛情を受けている。
そして祐巳の知らずのウチに楽しみを増やして続けている。

「うん、やっぱ可南子と瞳子が妹になってくれたおかげで私、スッゴイ幸せだよ!」

そうして妹たちの苦悩を知ってか知らずか、またもや熾天使級のパニッシャースマイルで臆面もなくそう微笑むのであった。




「ふぅ祐巳さんも人が悪いわよね…ま、私もこうして素晴らしい写真が撮れるのだからよしとしますか♪
 さて、焼き増しして置かないとね次期紅薔薇さまの御命とあらばってね」


あれ?裏で何か暗躍してる?


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