↑なんか、タイトルがバグっちゃってますので
一応引いたタイトルは『実は○○○がついてる目が覚めたらそこは』です。
(7/15:タイトル修復していただきました。 ありがとうございます)
……しかし、何ちゅータイトルやねんw
※この物語はフィクションです。
登場するキャラクター・発言・年齢性別職業ツベルクリン反応郵便番号の如何を問わず全て架空の物です。
……ってゆーか、もうマリみてSSですらありません(w
☆
ぼんやりと世界が切り替わっていくのがわかる。
そう、夢の中から現実へ。
そして、俺を呼ぶ清楚なメイド服を着た女の子が……って、おい。
「あ、お目覚めですか? 旦那様♪」
「朝っぱらから、何メイド服なんて着ちゃってやがりますか、綾さん」
家賃35,000円のボロアパートにはっきり言って似つかわしくない格好の少女は、
俺の彼女と言うことになっている松ノ芽 綾(まつのめ あや)高校3年生。
妹の友人だった彼女に、半分脅迫に近い形で交際を迫られ、今に至る。
「え? 良ちゃん、こういうの好きかなと思って♪」
そう言って、メイド服のスカートを左右に広げてくるりと回ってみせる。
……確かに、メイド服はいい。
リリンの生み出した文化の極みだ。
「だから、確かにメイド服は嫌いじゃないけど、誰かに見られたら誤解されるだろうが!
ただでさえ、お前と俺は7つも歳が離れているんだからな」
そう、女子高生を連れ込んでメイドやらせてるなんて世間にしれたら非常にヤバイ。
まだ、とある事件の記憶も新しい今ならなおさらだ。
「ぶぅ、せっかく良ちゃんのために買ってきたのにな」
綾はぷぅっと頬を膨らませて拗ねている。
まあ、その……似合っていない訳じゃない。
世間体という物がなければ、思い切り喜んでしまうところだろう。
しかし、俺は分別のある社会人だ。
うん。
「分別のある社会人は、
部屋にE○Aの綾波フィギュアとか涼宮ハ○ヒのポスター貼ったりとかしてないと思うよ」
……だから、綾さん。 モノローグにツッコミはやめて。 エスパーじゃないんだから。
そう、俺はオタクだ。
しかも、隠れオタク。
家族にも職場の人間や友人達にも秘密。
大学卒業と共に就職→一人暮らし。
それからはもう給料の半分はオタ趣味に費やすぐらいの勢いでオタライフを満喫している。
コミケにもサークル参加し、秋葉原も常連だ。
それでも、誰にもバレずにうまくやっていたはずなのに……それなのに。
そう、出会ってしまったのだ。
コミケ、3日目の東館で。
それからは半ば彼女の下僕のように過ごしている。
「だーかーら、誰が下僕にしてるのよぉ。 かわいい彼女が出来たんだから喜んでよ」
……自分からかわいいって言う女にろくなのは……痛っ、痛いです……綾さん。
「かわいい彼女が出来てとっても嬉しいです(棒読み)」
「そうでしょう、そうでしょう。 うんうん、良ちゃんとアタシは超ラブラブだもんねー。」
……あんた、いつの時代の女子高生だ(w
「あー、もうこんな時間!? 良ちゃん早く朝ご飯食べないとヤバイよ」
そう言われて時計を見ると結構ピンチな時間だった。
あわてて布団から出ると、着替え………
「……あの、綾さん? 俺、着替えるんだけど」
「うん」
「出来れば、向こうに行っててもらえないかな?」
「えー、別にいいじゃん。 減るもんじゃないし」
……えっと、俺の神経がすり減ります。 それも、すごーく。
もっとも、ワンルームのアパートでキッチンまで待避してもらっても見えるって言えば見えるんだけど、
近場でじろじろ見られるよりはなんぼかマシだと思う。
ぶうぶう文句を言いながらも、ようやく彼女はキッチンへ。
……ああ、余計なことをしていたらまた時間が(涙)
ちなみに、お前が鍵を渡したのが悪いんだろと思われると思いますが、
鍵を勝手に渡しやがったのは俺の悪妹です。
一人暮らしになってようやく妹から解放されたと思ったら今度はこれですよ。
俺って、つくづく女運悪いよなぁ……。
「あ、ところで綾は学校行かないのか?」
ようやく、ネクタイを締め始めた俺はふと気になって聞いてみた。
「良ちゃん、今日は土曜日だよ、もしかしてまだ寝ぼけてる? アタシはお・休・み♪」
……ゆとり教育だか何だか知らないけど、学生が休みなのに働かされる俺って何?
社会人にもゆとりをくれよぉ……。
大体、コミケの原稿がまだ……(泣)
「さあ、召し上がれ♪」
食卓の上には、ちょっと焦げ気味な焼き魚とみそ汁と炊きたてのご飯と海苔。
何だかんだ言っても、一人暮らしの俺がまともな朝飯にありつけるんだから、
やっぱりそこは感謝すべき所なんだろう。
たまにこうして魚を焦がしたりもするが、それはご愛敬。
「うん、うまいよ」
結構焦げてるように見える魚もまあまあうまかった。
みそ汁なんてお袋よりうまいかもしれない。
お袋は結構永○園の世話になってたからなぁ。
「えへへ」
メイド服を着た女の子と純和風な朝飯を食べる俺。
何となく、ミスマッチな感覚ではあるんだけども。
嬉しくないわけはないじゃないか、男として。
「そういえば、夏コミの原稿終わったの?」
「ぐへっ」
……みそ汁が気管に。
「……その様子じゃ、終わってないんだ。 一応、今回もちゃんとリリアン女学園の制服着て売り子してあげるけどさ大丈夫?」
「……終わってない。 でも、一体さんに頼んだ表紙も、タイヨーカ先生やがちゃS管理人の柊雅史先生のゲスト原稿はとっくにもらっちゃってる(爆)」
「うわ、落としたら責任重大じゃん」
「そう、でも予定してる、『記喪天が異!瞳子ちゃんと一緒♪』が全然進まなくて、コピー本の『キエタキズナとアラタナキズナ』の方ばっかり進むんだ」
「じゃあ、オフセットの方に『キエタキズナとアラタナキズナ』入れれば?」
「『記喪天が異!瞳子ちゃんと一緒♪』の方で一体さんにめっちゃ綺麗な表紙描いてもらちゃってるから……変更不可」
「……バカ。 自分の原稿終わらないうちに表紙やゲスト原稿依頼しちゃってどうするのよ……しかも、みんなちゃんと早めに仕上げてくれてるし」
そう、締め切り破りは100%俺の責任。 俺最高。
しかも、この本が売れたら売れたで一体さんの表紙のおかげで売れたんだよなぁとか、
ゲスト原稿のタイヨーカ先生や柊雅史先生の原稿があるから売れたんだってへこむんだぜ、俺。
どうだ、最高だろ? ……俺って、やっぱりマゾなのかなぁ。 綾に虐められると時々嬉しいし……。
「……ふっふっふ、じゃーん。 これ何だ」
某猫型ロボットが秘密道具を取り出したかのように取り出したそれは、今やコンビニでも売ってるUSBメモリー。
「USBメモリー? まさか、休日出勤なのをいいことに会社で原稿やるつもり!? この、給料泥棒」
「バ、バカ。 く○一号さんじゃないんだから、仕事中にやったりしない……っていうか、そんな勇気無い」
「このヘタレ」
「う、うっさい。 もう、崖っぷちなんだよ。 ギリギリなんだよ。 印刷屋の締め切りは本当は昨日なんだよ」
「うわっ、割増料金コース?」
「しかも、月曜までに入稿しないともう知りませんよとか言われてるんだよ」
「……なんでそこまでになるまでやらないかなぁ。 良ちゃんて、夏休みの宿題とか8月31日の夜になってあわてるタイプでしょ」
「ふっ、お前にはわからないのさ。 同人屋のロマンってやつが」
開場時間ギリギリまでコピー本の製本をしているドキドキ感こそ同人の醍醐味。
印刷所の早期割引で印刷済ませるようないい子ちゃんにはわかるまい。
このギリギリの崖っぷち感を乗り越えた時の感動こそ至福の刻。
たとえるなら、フルマラソンを完走した時のような感動だ。
「……すごくわかりたくないんだけど」
ふっ、しょせん小娘にはわからないのさ。
……げ、時間やばっ!!
「じゃあ、俺仕事行ってくるからな。 くれぐれも、その格好で外に出たりするなよ。 誰かに見られたら大変なんだからな」
「……あ、ごめん。 さっき、ゴミ出しに行ってお隣の奥さんに挨拶しちゃった」
がーん。 ……もう、引っ越したい(涙)
☆
駅への道をひたすら走る。
そんな時、ふと今朝見た夢を何となく思い出した。
『清水 良 リリアン女学園一年菊組15番です』
しかし、何であんな夢見たんだろうな。
やっぱり、マリみて原稿の書きすぎかな。
松野 芽衣さまがお姉さまって、やっぱり綾の影響か。
思いっきり尻に敷かれてるから夢の中ではお姉さまなんだろうか。
まあ、それはともかく誤解の無いようにいっておくが、俺は女装趣味とか無いからな。
さて、今日も一日頑張って仕事するか……。
今夜は徹夜だ。
おしまい
※最後にもう一度繰り返しますが、この物語は誰がなんと言おうとフィクションです。
登場するキャラクター・発言・年齢性別職業ツベルクリン反応郵便番号の如何を問わず全て架空の物です。
後書き
【No:1648】『約束の時が近づく身を焦がす未練さよならだけが人生』に始まる悪のりシリーズ。
ROM人が書くのは多分、今書きかけの【No:1648】直系の外伝話で終わりにすると思います。
まあ、さすがに悪のりしすぎて収集つかなくなっちゃいそうですし、
そろそろ良さんに体育館裏に呼び出されてボコられそうだしw
根性焼きは嫌ですぅ。