【1701】 いきなり体は祐巳でできている  (計架 2006-07-18 20:02:25)


体は祐巳で出来ている
血肉は狸で心は私・・・

幾千の戦場を越えて不敗
ただの一度の安らぎも無く
ただの一度の安堵も無い

子狸はここに一人
薔薇の館で事務に励む・・・って


「なんだそりゃあぁ!!」


気がついたら子狸になっていた。
髪の毛は二つに分けて縛ってあり、制服はピシッ、…という訳でもないが。
まぁ、崩れているようには見えない。
その中で唯一、タイだけはピシッと整えられていて、おそらく祥子に直してもらったんだろうなぁ・・・とか思ってしまう。
他にはなぜか、私が持っていた財布と所持金。
中のカードなんかはなぜか皆無。
そのかわりにリリアンの学生証が入っていたり訳わからない。
いったいどういう事かと部屋を出たら出たで令様(おそらく)につかまって仕事の手伝いを頼まれ、断る事もできずにそのまま仕事に突入。
・・・流されっぱなしだ私!!
もう少し強い意志を持とうよ・・・

「そういえばさ」

「ハイ、何でしょうか令様」

令様の声ににっこりと。
そう、にっこりと笑みをたたえて答えてやる。

「いや、あの・・・確か1、2年は駅前のデパートに買い物に行ったんじゃなかったかな?」

・・・そうならそうと早く言えよヘタ令!
もう仕事初めて10分位たってるし・・・どうする?

「はい、あの・・・少し忘れ物しちゃって・・・」

そういいながら(なぜかあった私の)財布を見せる。

「あ、そうなんだ」

「はい。他の皆さんには先に行ってもらって、後で合流するといってありますから少しなら大丈夫ですよ」

行くべき場所もわかったしね。

「あはは・・・ごめんね、手伝わせちゃって。
 もうすぐ終わるから行ってくれていいよ」

「はい。それではごきげんよう令様」

「ごきげんよう祐巳ちゃん」

・・・さて、他の人に見つからないように、その駅前のデパートとやらに行くとしようか。
まずは確認しないといけない・・・私が福沢祐巳なのか如何かを!




駅前というのだから、電車に乗っていればそのうち見えるだろう。と、電車に乗ったまでは良かったのだけど。
それらしい建物が見つからない。
いや、見つからないというのは間違い。
多すぎだよ!
どうやって見つけろって言うのさ!!

こうなったら片っ端から・・・と思ってお店に入る。
・・・とりあえず。
このリリアンの制服は目立つので着替えを買おうか・・・




さて、之でデパート3つ制覇した訳だけど・・・
目撃情報皆無!
もう居ないのかな・・・
2時間ほどたっちゃったしね・・・
いいや、次ので終りにしよう。
と、始めのデパートで買った地図を手に歩く。
歩く歩く歩く。
・・・なんか周りが騒がしいけど歩く。
それにしても暑いなぁ・・・
東京人口多すぎなんじゃないの?
どっかに自動販売機でも・・・


でも・・・


・・・


居るじゃん祐巳ちゃん!!
ちょうど車道はさんだ反対側。
祐巳ちゃん居るから私は祐巳じゃ無いわけで。
じゃあ誰なんだろとか思いつつ。
暢気に手なんぞ振ってみた。



後書き
何で続くの?
そして今回も短い話です


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