【1939】 書け!一刀両断  (joker 2006-10-17 01:16:10)


!注意!
ネタバレしまくり小ネタ十番勝負です。





・ド天然

「瞳子の目的は、負けることだったんです」
 そう告げた瞬間、声にはならなかったが祐巳様が「えー!?」という顔をしたのを乃梨子は見逃さなかった。
 ……瞳子、諦めた方がいいかもしれないよ……





・マーダキラーケース

「由乃の演説、聞いてて、『あれは落ちたな――やれやれ、あれは間違いなく落ちた。ん。いや、ぎりぎり当選したかな。でもまあ、さすがに祐巳ちゃん達には大差をつけられたな』なんて正直な感想言えるわけないじゃな――」
 次の瞬間、お祝いは殺戮劇へと変貌をとげた。
 どんな時でも言ってはいけない事がありますよ、令さま。





・届いてこの想い

「見ている人間が拳を上げたくなるくらいのパワーがあったもん。言われた志摩子さんが元気にならないわけないじゃないの」
「……そう、ですか」
 チラリと志摩子さんをみると、
「……もちろんよ」
 そう、若干の間と、柔らかい笑顔と共に返事が来た。
 私で、いいんだよね……?





・フォーエバー人類最強

「優さん、ペンションのオーナーに帰してもらえなかったんですって」
そこに、茶碗を載せたお盆をもった母が、会話に参加してきた。
「どうして帰してもらえなかったの?」
 捻挫した時の話なんだけどね、と母は前置きを言ったあと
「雪崩に巻き込まれた時、見知らぬ女性に助けてもらってね、その女性が『男の癖に弱すぎる! あたしが鍛え直してやる!』って言ってペンションに連れて行ったのよ」
「義叔母さま、まるで見ていたみたいだ」
 優さんは、組んだ指の上に顎を載せて、力なく笑った。





・ぶらっくふぇざぁ

 第一あの志摩子さんが怖い顔をして命じるところなんて、想像がつかない。なんて考えていたら、当の志摩子さんと目が合った。
「何?」
 いつもと違う妖艶な微笑。「なに」というより「なぁに」って感じの。
 この黒翼の天使は、令ちゃん達『古狸』より気をつけなければならないと思った。
 志摩子さんは「腹黒」なのだ。





・リターンオブザESP

「私もお姉さま同様、断る理由がないって結論がでてしまったんだよね」
 祐巳さんっ。黙れというのに。いや心の中で叫んだところで聞こえるわけが――
「…………」
「どうしていきなり黙るのよ。祐巳さん」
「だって由乃さんが黙れって言ったから」
 祐巳……、恐ろしい子!





・その時頭に煌めく

「より近い場所を書いた人とするか……。くじ引きでも、面白い回答を書いた人を選んでも、何でもいいと思います」
 その時、由乃の頭には「若乃花の染井吉野」と書かれた回答用紙を喜々としてポスト型ボックスに入れる菜々の姿が思い浮かんだ。





・その時頭に煌めく2

「より近い場所を書いた人とするか……。くじ引きでも、面白い回答を書いた人を選んでも、何でもいいと思います」
 その時、祐巳の頭には「ドリル」と書かれた回答用紙を、何故か自信満々にポスト型ボックスに入れる瞳子の姿が思い浮かんだ。





・ぶらっくふぇざぁ2

 由乃も、志摩子さんの顔を覗き込んで言ってみた。
「やりましょうよ?」
 さっきのお返しのつもりだった。
 しかし、志摩子さんはすぐには頷かなかった。顔をうつむき気味にして、ゆっくり私の方に片目を向けてくる。その目はどこぞの第一ドールを思わせる鋭い目付きで、静かに殺気を放っている。
「……やっぱりなんでもないです」
 この時、志摩子さんには逆らわない方がいいと、心の中で強く思った。





・一度でいいからやってみたい

「どんや形だっていいの。部に残って、演じてちょうだい。部員たちは、演じ手としてのあなたから、いろいろなことを学べるわ。

 リリアンの柱になってちょうだい

             」

……テニスの王○様?


一つ戻る   一つ進む