『大きな扉 小さな鍵』より
「乃梨子!乃梨子!乃梨子!乃梨子!」
名前を叫びながら手を握り締めてきた瞳子の目からは、ぼろぼろと大粒の涙が零れ落ちていた。
「い、いったい、どうしたっていうの?」
手を握り返しながらもそう応えた乃梨子は。
(よっしゃあああああああああああああ!!!!!)
心の中ではガッツポーズ付きで歓喜の雄叫びをあげていた。
祐巳さまには悪いが、これで瞳子のハートは私のものですよ。
血を吐くような想いをしてテレビをあきらめ、戻って来たかいがあったというものだ。
乃梨子は握られた手に確かな手ごたえを感じていた。
だが、乃梨子は知らない。
校門で祐巳が待ち構えていることを。
さあ、舞台は整った。(It's Show time)
戦いはこれからだ!(Let's Dance! Dance! Dance!)