乃梨子の手はとても暖かくて
その暖かさが、『ここにいるよ』と語りかけてくる
繋いだ手を、その想いを、握り返してくれる
溢れる涙をぬぐってくれるその手を
私がどんなに酷いことをしても、その度に差し伸べられるこの手を
私は、もう絶対に離すまい
これから先に何が待っていようとも
例えば私が酷く傷ついても
私の隣には乃梨子がいる
そう、たったそれだけの事
けれど、それがどんなに幸せな事であるかを、私はやっと気づいたから
乃梨子が気づかせてくれたから
だから、私は前に進むよ
決して平坦な道ではないけれど、頑張って前に進むよ
だから、もう少しだけ
私が勇気をだせるようになるまで
私の手を繋いでいてね
私が断ち切った、もう一つの想いを
確かに差し伸べられていた、もう一つの手を
今度はしっかりと掴むから
絶対、離しはしないから