【2065】 お姉さまの貫禄が側面から迂回ハートが帰らない  (joker 2006-12-20 19:50:57)


「由乃さま由乃さま」
「どーしたのよ、菜々」
「なんで私達がこんなところにいるのでしょうか?」
「あー、それはね。祐巳さん達の怪盗紅薔薇は、くまどーたらこーたらに盗り返されちゃったし、乃梨子ちゃんは、とらちゃんと絶賛レイニー中(【No:2063】)だから、私達がやることになったのよ。」
「ずいぶんとメタですね」
「そうそうメタホリックシンドロームってやつよ」
「由乃さま、それ違いますよ。メタボリックシンドロームです」
「それそれ。にしても、怪盗やれって言われても何を盗むのよ」
「さあ? それに私達の名前は何になるんですかね?」
「元ネタが、猫の目だし、名乗るとしたら、『黄薔薇ズキャッツアイ』?」
「ニャー、というやつですね。いいですね」
「じゃあこれに決定! 黄薔薇ズーキャッツ!」
「「ニャー!」」
「キャッツ!」
「「ニャー!」」
「キャッツ!」
「「ニャーーー、新刊間近だーー!!」」

「というわけで、新刊まで後2日よ!」
「盗みじゃあないですよ?」
「いいのよ。盗みは次回にするわ」
「(つまらない……)」
「? 菜々、何か言った?」
「いえ、何も」
「まあいいわ。それより、今回のタイトル、クリスクロスって何の事かしら?」
「ああ、それはですね、言葉で言うより実際に試した方が分かりやすいですよ。まずは、私がゆっくり殴りかかりますから、クロスカウンターして下さい」
「いいわよ。(くくく、少しだけ強めにしてもいいわよね? いずれ妹になるかもしれない菜々に、姉というものを教えてあげるわ!)」
「では、いきます。とう」
「確か、かぶせる様に打つのよねっ?(うふふふ、菜々! 思い知りなさい!)」
「せいっ!」
「!!? (かぶせた腕を肘で払った!?)」
「とうっ!」
「ぐふぅぅぅ!」
「今のように、クロスカウンターを肘で払い、反対側からカウンターを返す技を、クリスクロスと言います。分かりましたか?」
「うううっ……」
「どうかしましたか?」
「どうかしましたかじゃないわよーー! 菜々! あなた今、本気で殴ったでしょう!」
「私は由乃さまから、クリスクロスを実演して欲しいと言われたからしたまでです。それにカウンターですから、こちらが少ししか力を入れなくても、相手の勢いも利用していますから、問題があるとしたら、由乃さまのほうですね」
「ぐっ……! ま、まあいいわ! それよりも、今回の新刊の内容は、カウンター絡みの事なのね?」
「そうみたいですね。どうなるか、とても、楽しみです」

「(……まったく、この娘は。いつか、先手を取ってやるわ!)」
「(くすくす。由乃さま、いつまでも遊んであげますよ)」


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