「なに今さら分かりきった事を」
「こら瞳子!題名に突っ込むな!
それに私と志摩子さんはそんな関係じゃないってば!
誤解されたらどうするの!?」
「五回や六回ではすみませんわ」
「ナニの話をしてる?」
「乃梨子さんが白薔薇さまの写真に、寝る前にお休みの挨拶をしてるのは公然の秘密ですし」
「そんなことしてないって」
「乃梨子さんが白薔薇さまの抱き枕を作って毎晩抱いて寝ているのもすでに公然の秘密ですし」
「してないって言ってるだろ!?」
「乃梨子さんが白薔薇さまのお宅に泊まった時、同じ布団に寝てるのもすでに公然の秘密ですし」
「だからしてないって言ってるだろ!!」
「乃梨子さんが白薔薇さま専用ガチなのは皆さんご存知ですから」
「違うって!なんだよ、その専用ガチって」
「乃梨子さんは志摩子さまのお姉さまの聖さまの名前が出てこないからです」
「声優ネタかよ!?」
「乃梨子さんがウサ耳をつけた白薔薇さまに悶えていましたし」
「ウサ耳をつけた志摩子さんはとても素敵じゃないか!」
「やっと本音が出ましたね、乃梨子さん。
ああ、愛されるって良いことですわ」
「『愛』の一言で誤魔化すな!
全部他人さまのネタじゃないか!?」
「他人さまのネタだってなんだっていいのです、皆さん同じ事を考えているんですから。
こんなキーを引いてしまった時点でこうなる事は確定していたのですから」
「そう言う瞳子はどうなんだよ?」
「すべて嘘ですわ」
「いきなり全否定かよ!?」
「瞳子はまだ祐巳さまの妹になっていません」
「そうだけどさ」
「瞳子は盾ロールではありません」
「たしかに本屋で見た四刷でも直ってなかったけどさ」
「瞳子の縦ロールはとりはずしできません」
「あの髪型、現実にはかなり難しいから、コスプレする人困ってるみたいだよ?」
「瞳子はレオタードを着た泥棒になったこともありません」
「その体形じゃあなぁ」
「瞳子はアッグではありません」
「それは一応自分のネタだけどさ」
「それに瞳子は大女優ですから」
「まだただの演劇部員だろ」
「祐巳さまひとりだけのものになるわけにはいきませんの」
「またいろいろと誤解を生みそうな発言だな・・・」
「瞳子はみんなのものです」
「それは女優じゃなくてアイドルだろ」
「みなさん、瞳子の応援よろしくね」
「今時そんな台詞誰も言わないよ」
「あ、乃梨子さんは志摩子さま専用ガチなので、対象から除外してもよろしいですわ」
「違うって言ってるだろ!!」
「ああ、私も愛されたいですわ」
「だから『愛』の一言で誤魔化すな!」
「乃梨子さん、あまり興奮なさると血圧が上がりますわよ?」
「誰が上げてんだ!?」
「乃梨子さんて、本当に良いツッコミ役ですね」
「・・・・・・それより、どうするのよ」
「なにをですか?」
「オチだよ、オチ」
「?」
「この話、どうやってオチをつけるんだよ。
引いたキーの勢いだけで書いて。時間制限もあるし」
「あら、乃梨子さん、すでにオチてますわ」
「え?どこで?」
「すでに乃梨子さん、志摩子さまの手に堕ちているじゃないですか」
「意味が違う!!!」
オワレ