皆様ごきげんよう。8回目の福沢祐巳です。
…笑うなら笑ってください…
まだ逃げられません。
でも、今回は今までとは違うという決意があります!
4回目まで【No:1850】は皆さんにお話しましたが…その後も何とか逃げようと画策しました。
…8回目・とお話している時点で、すでに失敗しているのは火をみるより明らかですが…
5回目でお姉さまにタイを直された後、どこで道を間違えているのか真剣に考えてみました。
…見た目は16歳ですが中身は25歳越えてます。
始まりの場であるこの時点なら、まだ選択肢はたくさんあるはずだから。
そして考え抜いた結論は、
『普通である私が、薔薇の館の住人になることで何かが狂ったのではないか』と。
『私が紅薔薇の蕾の妹にならずに、普通の1生徒として暮らせばいいのではないか』と。
様は、山百合会と関わらなければ全く問題ないということ! そしてその転換点は、(多分今回も)蔦子さんが写した例の写真。
許可を貰いに薔薇の館に行くという時点で、山百合会との接点を自ら作ってたんだ…何故今まで気がつかなかったんだろう、私…
…いつのまにか『祥子さま』=『お姉さま』というのが、インプリンティングされてたのかなぁ…
とりあえず、蔦子さんが来る前に音楽室の掃除を手早く済ませて、今日は帰ろう!
そうすれば、『写真→薔薇の館→ビスケット扉→衝突』の流れは断ち切れる。
みんなよりも一足速く、音楽室へ…
「妹を連れて来れば良いのでしょう!!!」
…あれ? 今、祥子さまの声が聞こえたような…気のせい? 何度もくりかえしてるからなぁ…
音楽室のドアを開ける。
そしてそこから現れる1人の女生徒
正面衝突
………
……
…
祥子さまでした。
マリア様! シナリオを勝手に変えないで下さい!
なんで今回は『薔薇の館での会議で配役説明』から『音楽室を借り切って劇の稽古中に配役説明』に変わってるんですか!?
…ええ、その後はそのまま某有名な宇宙人よろしく、何故か音楽室から薔薇の館へと連行されました…
後は説明したくないです………マリア様のいぢわる………
え? 卒業式の日に起こる例の事ですか?
………情けないんで…話したくないんですが…ダメ?
前回は空からだったので、上を見ていたら…蓋の開いたマンホールへと…
…だから言いたくなかったんだよぉ。
丸くしか見えなかったけど、お空は青く澄み切ってましたよ、こんちくしょう。
6回目は…気付いた瞬間にマリア様の前から逃げました。
ダッシュで。
………そして、祥子さまにぶつかりました………
以下略。
………
全く変わりませんでしたから。
というか、マリア様、はしょりすぎです!
いつの間に『タイ直しからビスケット扉』までが省略される様になってしまったのでしょう?
(注:作者のネタがないせいではありません…多分)
とりあえず…やっぱりお空は青かった…恨めしいくらいに。
7回目
右良し・左良し・前良し・後良し・上良し・下良し
いや、上や下まで確認する必要なんてないんだけど…これなら大丈夫。
『マリア様、今回こそはお許しになってくれるのですね』
そうお祈りして、その場を去ろうとしたその瞬間、『右手の方から』アノ声が。
「お待ちなさい」
――おうだんほどうをわたるとき、みぎみてひだりみて、もういちどみぎをみるのはひつようことなんですね――
逃げられなかった…
「なにかご用でしょうか?」
「これをもっていて」
渡されたのはかばん。あうぅ…やっぱり『タイ直し』から始まるのかぁ
………
あれ? いつまで経っても祥子さまの手がタイに行かない?
………
ふと、首にいつもかけていたロザリオの感触が。
………
マリア様ぁぁぁ!!! 学園祭イベントまで省略されてしまうのですか!?
「貴女は紅薔薇としての輝きを持っているわ。私の妹になりなさい」
確かこの時点で、祥子さまは私の名前さえ知らなかったはず…そんな人物を妹に選ぶ時点で祥子さまも相当変わって………
………扉の前で衝突した時からそうだったっけ………
そのまま薔薇の館に連行されて(学生の本分は学業なのに)、入った瞬間は驚かれたけどあっという間に認められたのは嬉しくない…
徐々に、逃げ道がなくなってきている気がするんですが…嫌がらせですか?
お約束のようですが…晴天の『晴』にはちゃんと漢字の青が入っているんだなぁ…
………またやりなおすのかぁ………
闇の中でそんな思考が頭をよぎった…そんな時。
『あのお方』に出会ったんです。
はい。毎朝手を合わせてお祈りしているあのお方です。
その姿は神々しい…のですが、何故か文句が言いたくなってしまうのは、人として間違ってませんよね?
そこで言われた衝撃の真実。
なんとこのお方のお子様が、私の運命を決めている時にくしゃみをしてしまい、私の人生の一部が誤って記録されてしまったとのこと。
このお方のお子様という事は…アノお方ですよね? 私の所って確か仏教のはずなんですが…
それを聞いたら、オフレコということで説明してくださいました。私の親友が、未来では聖女と呼ばれるような立派な人物になるそうです。
…彼女ってそんな未来なんですね…
ちなみに、妹は仏教界で屈指の………これ以上はホントにオフレコ。
で、関係者(?)である私は、管轄がアノお方になるそうなのです。まるでお役所仕事と思ったのは秘密。
で、誤った記録では『薔薇さまになる』ではなく『薔薇さまにならない』となってしまっており…薔薇さまとしての卒業が世界には認められない行為なので、卒業日の当日に世界がやり直しをしているんだって。
しかも、徐々に『薔薇さまになる』という認められない世界が安定し始めているらしく、その性で選択肢がなくなり始めているとか。
13回目になると回避がほぼ不可能になるらしい…ということは、後5回以内に何とかしなければいけない!?
様は『薔薇さまになる』…それさえ避けられれば、どうとでもなるとのこと。
『蕾』や『蕾の妹』になったとしても『薔薇さま』にならなければ、それでも良いらしい。
…いや、それも至難の業だと思うんですが…蕾の妹にならないという選択肢よりも遙かに…
まぁ、以後は精神世界(あ、夢の中で・という意味)で、困った時には相談に乗っていただける事になりました。
あと、世界に干渉して安定し始めてる場所を出来るだけ元通りにしてもらえる…らしい。
コレだけでも収穫なのかな?
出来れば世界に干渉できるのであれば、別の道を用意して欲しかったんですが…そこまでは無理だったみたいです。
そして…8回目。
「お待ちなさい」
その声に振り返った私は…微笑みながら挨拶をした。
「おはようございます。紅薔薇の蕾」
さぁ、これからだ。
――――――――――
書かない・といった記憶が…(汗) 今度こそ書きません。
…いや、ネタとしてはない事はないんですが…これ以上やると本当に卒業できなくなるから。
(一番最後の挨拶がいつもと違うのも伏線ではありありますが…使わない!)