「私を、祐巳さまの妹にしていただけませんか」
夕方。
「私からもお渡ししたいものがございます」
そういって、瞳子ちゃんは鞄から大き目の包みをとりだした。
「受け取っていただけますか」
これって。
「ありがとう、もちろんだよ。
…開けてもいいかな」
「はい」
中から出てきたのは、案の定、高そうなチョコレートの箱。
「どうぞ」
「では、お言葉に甘えて」
そういって、一つ口に入れると。
「んぐっ」
に、にが…
「折りよく、いい豆を入手できたのですわ。思わずお小遣いをはたいてしまったのですけれど」
やっとのことで飲み込んで。
「そ、そうなの」
「ええ。せっかくですので、風味を損なわないよう余計な混ぜ物は控えたのですわ」
そ、そうなんだ。
「はい。どんどん、召し上がってくださいませ」
え、えーと。
「お・ね・え・さ・ま」
「う、うん…」