題名と内容は無関係です。
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…山百合会は普通じゃない…
いや、ただの1生徒として見ていた頃から想像はしていたのだけれど。
まさかその想像を遙かに越える面々だったとは、お釈迦さ…いや、マリア様でも思わない。
水野蓉子さま 紅薔薇
万人が認める才色兼備を兼ね備えている時点で『普通』の枠からはずれている。
完璧すぎて…何もかも…
…アンドロイド?
鳥居江利子さま 黄薔薇
彼女も才色兼備…なのだが、いつもアンニュイな雰囲気をかもし出している。
しかしひとたび目標のものが見つかると、限度を越えないギリギリのラインを保って攻撃し続ける。
…関わりたくない…
佐藤聖さま 白薔薇
彼女だけは才色兼備の才が今一当てはまりにくいけど、それは上二人のせい。
充分成績優秀で、それ以上に本当に美しい。そんな彼女を表すとすれば…
…セクハラオヤジ。それ以上でもそれ以下でもなし。
小笠原祥子さま 紅薔薇の蕾
大財閥のご令嬢。立居振舞はリリアンNo.1
紅薔薇さまと同じく才色兼備…なのだが、導火線が短く、切れるとすごい。
紅薔薇さまと似て非なる存在。お近づきになりたくないです。
支倉令さま 黄薔薇の蕾
ミスターリリアンとして、生徒達に人気があるボーイッシュな女性。
けれど中身は正反対。お菓子作りに編み物に少女小説が大好き。
「人は見かけによらない」を地で行く御方。
藤堂志摩子さん 白薔薇の蕾
仏蘭西人形のような美しさを持つクラスメート。もちろん成績優秀。
ぽややんとしている所を除けば、姉である白薔薇さまにそっくり。
…お願いだから、セクハラにだけは走らないでね!!!
島津由乃さん 黄薔薇の蕾の妹
可憐で儚い、幸薄そうな美少女…に見えたのは、最初だけ。
実は、猪突猛進・イケイケで、姉である黄薔薇の妹を尻に敷いている。見てしまったから事実。
…何故か黄薔薇さまにイメージがかぶってるんですが…
山百合会を内側から見て、表層だけを見て想い描いていた固定観念は、もろくも崩れ去った。
いや、山百合会メンバーがハンマーを持って崩すのを手伝ってくれたというほうが正解だろうか?
…幻想は「幻」を「想」うから、幻想なんだよね…
そう自分に言い聞かせるので精一杯だった。
今後は余り関わらないでおこう…
来年入学してくる「K」さんから隠密行動を教授してもらった「K」さんは、深々とため息をついた。
心の中では『朱に交わらなくてよかった』と考えながら…
あ、山百合会にはもう1人いる。
福沢祐巳さん 紅薔薇の蕾の妹
彼女こそ『普通』『平凡』を絵に書いたような人。
山百合会という普通ではない空間で、生徒達にとって唯一のオアシス的存在。
…でも、いつの間にか私がいることさえ忘れてしまったみたい…