【No:2520】【No:2528】【No:2529】【No:2534】
シリーズ化なんでしょうか?一発ネタでスイマセンm(_ _)m
「つまるところ隙がなさすぎるのよ」
「誰が?」
「私の目の前にいる白薔薇のつぼみが」
「それがあの顛末ってのは納得いかないんだけど」
「正直、私もあそこまで影響があるとは思わなかったのよね」
「私はいいんだけどさ。やりすぎると志摩子さ…お姉さまが心配するかもしれないんだ」
ここ最近の状況は花壇に侵食する雑草にも似て、心の安寧の為にもそろそろ勘弁して欲しい。
私、二条乃梨子は元凶の一人である、一年椿組のセイタカアワダチソウこと細川可南子と直談判することにした。
「人を雑草呼ばわりなんてあんまりじゃない」
「志摩子さんとの平穏な日常を荒らす輩は雑草呼ばわりで充分だと思うんだけど」
同じいじるにしてもまだ初々しい新米スールの紅薔薇姉妹の方がいじり甲斐がありそうな気がする。
全くいい加減にして欲しいものだと思う。
「そういえばこないだのテスト、漫究のコがね。落書きであなたの事描いてたらしいわよ」
「へ?」
「限られた時間の中で白薔薇のつぼみの魅力を余すところ無く表現できたって」
「そ、そう」
「題してお姉さまにルパンダイブする白薔薇のつぼみ」
「ぶっ!!」
「今度、イベントに出展するとも言ってたわ」
「待てコラァーー!!」
今日の薔薇の館もどんより薄曇りから所によりにわか雨。
「どうしたの、乃梨子。元気ないわね?」
「何でもないよ、志摩子さん」
「本当?」
「テストの結果が芳しくなかったからだと思われますわ、白薔薇様」
「瞳子、あんたねえ」
「なんだか新しい先生が薔薇にちなんだ問題をよくお出しになるのですわ」
おーい祐巳様。ここんとこ自分の妹の手綱をゆるゆるにしすぎだよ。
「あー、それってこないだ言ってたunder the roseで薔薇ガッチガチってヤツ?」
っておい、あんたもか。
「…心配しないで、志摩子さん。私は大丈夫だからさ」
「そうかしら。でも薔薇の下でって言葉の意味が秘密だなんて、まるでスールの誓いみたいでロマンチックね」
「………」×3
なんだかこんな時の志摩子さんて普段ののほほんした感じと違って、まるでマリア様みたい。
やっぱり志摩子さんには敵わないや。
「乃梨子、なんだか顔が赤いわね」
「え!そ、そう?!」
それは心配そうな志摩子さんの顔が目の前にあるからかも…。
コツン☆
うわ、額で熱を測るの無しだよ、志摩子さん。
(…志摩子さん、顔が近過ぎるよう)
(…うわーこれがガチなんだ)
(…ガッチガチですわ)
本日の二条乃梨子は熱暴走で機能停止。
二条乃梨子のアンニュイでメランコリーな日常は続くかもしれない…