【No:2570】のつづき
乃梨子ちゃんは何事もないかのように麻衣子ちゃんと過ごしている。始めは変な目で眺めていた私だが、今では早く菜々とあんな関係になりた……いやいや、そうじゃない!何か多少の違和感はあるが、最近はあまり気にならなくなってきていた。
そんなある日。
仕事も終り、久しぶりにみんな揃って帰ることになった。私、祐巳さん、志摩子さん、乃梨子ちゃん、瞳子ちゃん、そして麻衣子ちゃんの6人で。つい2〜3ヶ月前までは7人だったから、1人減ったわけか。やっぱり早く妹にしないとな、とか考えていたら…。
キキィーーッ!!
車線を越え猛スピードで迫ってくる一台の車がそこに。
「アーメン」
呟いたのは志摩子さんだろうか…。こんなときに自然と出るなんて、彼女の信仰心は本物だ……。
「令ちゃんに会いたかったな」
私の口からつい溢れ出ると同時に今までの思い出が過ぎ去ってゆく。これが走馬灯か……。時間の過ぎるのが遅いと言うか長いと言うか、なんて思いながら目を開けると……ん?目が開く?
私たちは生きていた。
目を開くと、両足を開き身体を支え、両手をもって車を止める麻衣子ちゃんの姿がそこにはあった。
「フ……ガモガ……ァアグルー……フ……グゥヴル……」
正直何を言ってるのかさっぱり分からなかったが、そう言い終えると麻衣子ちゃんの姿は消えていた。