ケロロのクロスです。
【No:2525】の続編です
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2.祐巳と乃梨子
それは、ケロロが福沢邸に訪れた日より2ヶ月ほどさかのぼる。
私が乃梨子と出会ったのは、乃梨子がリリアンの入試が終わり、
帰りに小寓寺に行こうとして、道に迷っているところに声をかけたのが出会いだった。
私たちは、道中いろいろと談笑した。
仏像の話題はよく分からなかったが、それ以外は意気投合し、帰りにメールアドレスを交換して別れた。
その後、私たちは頻繁にメールをした。
学校でのこと、友達のことなどいろいろと、第1志望の高校に大雪のせいで受験できず
リリアンに入ることが決まった事を教えてもらったときは、ある意味運命を感じた。
3月の中旬、乃梨子が中学を卒業してこっちに引っ越してきた。
私は乃梨子と待ち合わせをして喫茶店でお茶をしたりショッピングをしたりした。
その帰りに私は乃梨子にロザリオを渡した。
スールやロザリオのことに関しては以前メールで話題になったので、
最初は驚いていたが、受け取ってくれた。
薔薇様を送る会のとき、私は乃梨子を会に呼んだ。
乃梨子を紹介したとき、その場の全員が固まった。
あの江利子さますらも。
その後、乃梨子も送る会に参加し、いっしょに安木節をした。
卒業式も終わり、お姉さまは無事卒業した。
卒業式が終わった後、私とお姉さまと乃梨子の3人で打ち上げをした。
お姉さまは、乃梨子に私のことを頼んでいた。
3学期の終業式が終わり、乃梨子もリリアンの制服が新調できたので、
終業式の次の日から山百合会を手伝ってもらうことになった。
そして、今に至っている。
『ピンポーン』
と、インターホンの音がしたので窓から見ると、乃梨子が立っていた。
おそらく、今日休んだのでお見舞いに来てくれたのだろう。
ケロロのことをどうするか考えたが、乃梨子には長い間隠せないだろうから、
私は、ケロロのことを話そうと考えた。
祐巳「はーい、いらっしゃい乃梨子」
乃梨子「ごきげんよう、祐巳
起きてて大丈夫なの?」
乃梨子はリリアンでは、『お姉さま』と呼ぶが、プライベートでは『祐巳』と呼ぶ。
祐巳「うん、まあ、具合委悪かったわけじゃないしね。」
乃梨子「???」
祐巳「まあ上がって」
乃梨子「おじゃましまーす
お家の人は?」
祐巳「祐麒は学校、一昨日から両親は大きい仕事で2〜3年ほど海外出張」
乃梨子「じゃあ、家に誰もいないの?」
祐巳「ううん
ケロロ居る?」
私が大きな声でケロロを呼ぶと
ケロロ「何でありますか?
祐巳殿」
そういって地下室から出てきた。
乃梨子はケロロを見て納得した。
まだ出会って2ヶ月しか経っていないが私の性格をよく知っている。
面白いことに目がない、逆に言えば面白ければ何でもOKな性格。
乃梨子「祐巳、これ何?」
ケロロ「これとは失礼な、
我輩はガマ星雲(以下略)ケロロ軍曹であります。」
乃梨子「あんたには聞いてないでしょうボケガエル。」
祐巳「まあまあ乃梨子落ち着いて。
今本人が自己紹介したように地球侵略に来たケロロ軍曹
今日から家に住むことになったの」
乃梨子「地球侵略ねぇ、無理でしょ。」
ケロロ「やっても見ないのに無理とは失礼な」
乃梨子「そんなことより、両親が居ないって大丈夫なの?
弟さんとこれの3人だけだなんて。」
祐巳「だ、大丈夫だよ(超小声)多分」
ケロロ「ゲ〜ロ〜、祐巳殿〜我輩無視されたであります。」
そう言ってケロロは私の足にしがみついた。
が、
乃梨子「私の祐巳に気安く触るな、ボケガエル」
と言って、すぐに乃梨子に蹴飛ばされて離れた。
乃梨子「うん、やっぱり心配だから私もここに住む。」
祐巳「へ?」
乃梨子「空き部屋はまだあるんでしょ?」
祐巳「う、うん
あるけど菫子さんはいいの?」
乃梨子「うん、私が説得してくるから。」
そう言って乃梨子は帰っていった。
それから4時間後、『許可が取れた2時間後にそっちに着く』というメールが来たので、
物置として使っていた、私の部屋と同じくらいの広さの部屋を、
ケロロと、ちょうど帰ってきた祐麒に簡単に説明して、いっしょに大慌てで片付けた。
乃梨子の引越し作業が終わる頃には、もう夜中の10時近くになっていて、
それから、私の作った遅い晩御飯を皆で食べた。
料理が出来るのが、私だけなので料理を私が、
それ以外の家事を、3人?が分担してローテーションでやることになった。
こうして、福沢家の騒がしく、賑やかな1日が終わった。
【No:2583】へ続く