初SSで、ストパニとのクロス。
でも、実はストパニよく知りません。勝手に想像しました。ごめんなさい。
読んでもらえるなら続き書きたいと思います。
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「急なんだけど、今から聖ミアトル女学院の方が来ることになったわ。
私もよく知らないんだけど、聖ミアトル女学院はアストラエア3校と呼ばれているらしくて、他に聖スピカ女学院、聖ル・リム女学院があるらしいわ。
今日はその三校を代表するエトワールさまの花園静馬さまが来られるそうよ。
それで、私たちに案内をお願いしたいそうなの。簡単に見学させて下さいって。
学園長が言うには、私たち山百合会を是非にと指名してきたそうよ」
・・・・・・
「え?今、何て・・・?」
聞き間違えた?
否、聞き間違えであってほしかった。
「祐巳ちゃんが驚くのも無理ないわ。私たちもついさっき聞かされたことなのよ。
先方が、いつも通りのリリアンを見たいとおっしゃったらしくて、
それで学園長もぎりぎりまで教えてくれなかったのよ。本当は一ヶ月も前から決まっていたのに」
蓉子はそう言うと、ため息をついた。
(ど、どうしてあの人がリリアンに来るのよ!?)
頭の中で警報が鳴り響く。
一体、何の用事があるというのか。
祐巳の頭は良からぬ思いでいっぱいだった。
実は、祐巳は知り合いだった。
何を隠そう、昨日も静馬と遊んでいた。
否、遊ばれていた。
(だいたい、来るなら来るでどうして教えてくれなかったのよ!)
祐巳が一人悶々としていると、「祐巳。少し落ち着きなさい」と祥子が声をかけた。
どうやらまた百面相をしていたようだ。
「そうそう。別に怖い人が来るわけじゃないんだから。私たちと同じ、ただの高校生よ」
続いて蓉子も、落ち着きのない祐巳を慰めるかのように言った。
いや、あの人は普通じゃないです!
ついでに言うと、あなたたちも普通じゃないです!
などと祐巳が心の中で突っ込んでいると、
「そろそろ時間だわ。志摩子、門まで迎えに行ってくれないかしら」と、蓉子が時計を見ながら言った。
「そ、それなら私が言ってきます!(このチャンス、逃してたまるか!)」
そう言いながら祐巳は急いでドアノブに手を伸ばすものの、寸前のところで祥子にとめられた。
「お待ちなさい。祐巳、今のあなたには行かせられないわ。
落ち着きなさい。ほら、紅茶でもお飲みなさい」
祥子は紅茶の入ったカップをそっと祐巳に手渡した。
そうこうしてる間に志摩子が迎えに行ってしまった。
あぁ、まずい。実にまずい。
余計なことはしないようにと釘を打てるチャンスだったのに。
最後のチャンスも自身の落ち着きのなさによって朽ちてしまった。
落ち込む祐巳を余所に、聖さまが「かわいい子だったらいいな〜」なんて能天気に言っていた。
聖さまのバカ・・・
祐巳は心の中で罵った。聖は関係ないはずなのに。
(どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう)
“どうしよう”が頭の中でリピートする。
しばらく“どうしよう”を考えた挙句、結局どうすることも出来ないことを悟った。
(考えても仕方がない・・・なるようになるだけよ。
それにあの人だって、お姉さまたちの前でいつものような振る舞いはしない・・・ハズ)
そうよ!きっとそう!
そう思いながら祐巳が小さくガッツポーズをとっていると、「祐巳さん、何してるのよ」と由乃が気味悪そうに見つめていた。
「あ!きたみたい」
窓を覗いていた令が声を上げた。
「いいこと、祐巳。落ち着くのよ。失礼のないようになさい」
令の声を聞いて、祥子が祐巳に言い聞かせた。
(お、お姉さま・・・悪いのは私では・・・・・・)
祐巳は少し落ち込んだ。
しばらくすると、階段をあがってくる足音と話し声が聞こえた。
(良かった。ちゃんとしてるみたい)
聞こえてくる声色に、祐巳は要らぬ心配をしたとホッと一息をついた。
コンコン――――
「どうぞ」
蓉子が声をかけると、ゆっくりとドアが開いた。
「ごきげんよう。リリアンにようこそ。」
聖がにこやかに客人を迎え入れる。
「ごきげんよう。山百合会のみなさま。今日はよろしくお願いします。
私は聖ミアトル女学院5年生・・・こちらで言う2年生ですわ。
花園静馬と申します。ミアトル、スピカ、ル・リムの三校を代表してやって参りました」
客人は優雅に挨拶をした。