【2622】 安易な笑いを取るのはロシアンブルーの銀河鉄道  (ニュクス 2008-05-20 17:16:59)


【No:2619】→コレ
引き続きTS物です。
……うん。やっぱり違うか。


「くっ、なんて戦闘(男前)能力だ!瞳子、数値は?!」
「おまちになって!2千…3千…4千…、駄目!カウンターの数値が止まらない!」
「なんだって?!」
「1万8千…1万9千…2万…」
ボンッ!!
「きゃあ!」
「カウンターが!……馬鹿な。戦闘(男前)能力2万以上だと?奴(令さま)は化け物か?!」
「侮れませんわ!」
「…………瞳子ちゃん、乃梨子ちゃん…」
「「はい」」
「…怒るよ?」
「「ごめんなさい」」


最近できたと松平グループ直営のショッピングモール。ショッピング以外にもカラオケ、ボーリング、果てはスパまであるというココが、今日のお出かけ先になる。
着いてすぐ、皆が口を開く前に説明を始めた私。
由乃から皆への説明もあり、はたしてどうなるのだろうとおもっていたのだけど。
「いいんじゃないですか?ねえお姉さま」
「そうね祐巳。私は別にかまわないわ」
「瞳子はどう思う?」
「私もお姉さまが良ければ、それで良ければ。私も構いませんわ」
であったり
「どうしようか?志摩子さん」
「良いのではないかしら。令さまだし」
「そうですね。令さまですしね」
であったし
「可南子ちゃんはそれで良いの?」
今日は、日頃山百合会を手伝ってくれる可南子ちゃんも来ていた。のでそれとなく聞いてみたのだが…。
「構いません」
「でも、今の私男の子だよ?」
「大丈夫です。令さまに、私をどうこう出来る気概があるとは思えませんから」
「……さいですか」
という感じで、同行を許されたのだった。


「祐巳ちゃん」
「はい、令さま」
「多分、いや間違いなくだと思うけど」
「はい」
「迷った」
「はい」
あっれー?おっかしいなー。さっきまでみんなであるいていたはずなのに。みんなどこにいったんだろうね?あ、さてはみんなでかくれんぼでもやってるのかな?よーし、みつけちゃうぞー。
「令さま、現実逃避しないでください」
「はっ、ごめん祐巳ちゃん。みんなを探そうか」
「そうですね。あっ、祐麒」
祐巳ちゃんの指さす方向を見ると、確かに祐巳ちゃんによく似た男の子が歩いてくる。私も会ったことがある、祐巳ちゃんの弟の祐麒君だ。
「よう祐巳。お前もココに来てたのか。奇遇だな」
「祐麒こそ、どうしてこんなところにいるのよ」
「俺は小林達と遊びに来てたんだけど……。ちょっと待てよ、そいつ誰だよ」
「あ、祐麒君。私は……」
「あ、この人?私の彼氏よ」
「「何だって〜!?」」
「支倉さんっていうの。よろしくね」
「ゆ、祐巳ちゃん!なにをいってるの?!」
「お、お前!今までそんなこと一言も言ってなかったじゃないか!」
「うん。言ってなかったから」
「み、認めない!俺は認めないからな!ウワーン!」
走り去る祐麒君を見送り、してやったりといった顔の祐巳ちゃん。
「何であんなこと言ったの?」
「いいんですよ。日頃から生意気な弟ですから、たまにはこうして、やり返さないと」
「それにしたって、あんな嘘つかなくても」
「いいじゃないですか。どうせばれるでしょうし」
と、先を歩く祐巳ちゃんが振り返り
「もし、問題になったなら、令さまが責任とってくれれば良いだけですから」
とのたまって、硬直する私を置いたまま、歩いてゆくのだった。


続くのかは神のみぞ知る、ということで。


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