【2643】 真剣な雰囲気を纏って  (通行人A 2008-06-08 23:27:45)


マリア様のなく頃に
〜時始編〜

ひぐらしのなく頃にのクロスシリーズです。
第1部【No:2477】→【No:2479】→【No:2481】→【No:2482】→【No:2484】
  →【No:2487】→【No:2488】→【No:2490】→【No:2492】→【No:2499】
  →【No:2503】→【No:2505】→【No:2506】→【No:2507】


第2部【No:2527】→【No:2544】→【No:2578】→【No:2578】→【No:2587】
の続編です。


企画SS
 【No:2598】
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第2部 夏


第5章 対談





第8話  作戦会議





私、祐巳さま、志摩子さん、令さま、由乃さまは
喫茶店に集まっていた。
きっかけは、祐巳さまの弟さんに
花寺の生徒会との顔合わせを頼まれたらしい。
それで、令さまと志摩子さんに
どうすればいいか相談の電話をしたら、
このメンバーとなったようだ。

令「本題に入ろうか、
  つまり、祐巳ちゃんは弟君のもってきたその話を受けたい、
  というわけね。祥子のために」

祐巳「いえ、受けたいというほどではなくてですね、
   受けたらどうかな、くらいの気持ちなんですが」

令「うーん。確かにね。
  私もそろそろ対策たてないと、
  って、気はしていたんだ。」

乃梨子「あの、初心者なので、
    どういうことかよくわからないのですが。」

私がそう質問すると、

由乃「ズバリ、祥子さまは男嫌いなの。」

なるほど

乃梨子「そうなんですか」

令「あまり驚かないね。」

乃梨子「いえ。驚いてますよ。
    やっぱり女子校の中には
    男の人がだめだって人もいるんだなぁ、って
    だから、男子校の花寺学院の文化祭にお手伝いに行くのに
    支障があるわけですね」

祐巳「乃梨子ちゃん、頭の回転が早くていいね。」

乃梨子「そうですか、
    あれ?そういえば、梨花はどうしたんですか?」

祐巳「家に掛けてみたのだけど、連絡が取れなかったの。」

乃梨子「そうですか」

何か不安というか嫌な予感というかそんな感じのものを感じる。

令「話を戻すけど、
  去年も一昨年も、逃げ回って、結局行かなかった祥子も
  今年は行かないわけにはいかない。
  そこで祐巳ちゃんは考えたわけだ。」

令さまがどうぞって、祐巳さまに振ると、
祐巳さまは立ち上がって左手を腰に、右手を天井を指差し、
シャキーンってポーズをとって、

祐巳「名付けて
   『いきなり男子校の中に投げ込むとショックが大きいから、
   徐々に慣らしていって男嫌いを克服してもらおう大作戦』!」

乃梨子「作戦名が、若干長すぎやしませんか?」

圭一「それにネーミングセンス魅音並みだな。」

梨花「というか、お姉さまには羞恥心というものはないのかしら?
   店の中でそんな大声でそんなポーズまでとって。」

自分も言ったとはいえ、
散々言われてる祐巳さまが可哀想になってきた。

あれ?

私たちは声の方を向いて、

乃梨子・祐巳・由乃・志摩子・令「い、何時からそこに?」

梨花「あら?最初から居たわよ。」

圭一「ああ、後から皆が入ってきたんだ。」

由乃「じゃあ、何で話しかけてこなかったの?」

圭一・梨花「ん〜、・・・・ノリ?」

乃梨子「ふ、2人は何でココに?」

梨花「決まってるじゃない、デートよ」

その答えに、心が痛む。

梨花「と、言いたいところだけれど、学校に行っていたのよ。」

令「今日、何かあったっけ?」

羽入「ボクの転入の手続きをしてもらっていたのです。」

突然、何も無いところに羽入さまが現れて、そう言った。

志摩子「戸籍とかはどうしたんですか?」

羽入「園崎の力で何とかしてもらったのです。
   新学期からは、梨花や乃梨子と同じクラスなのです。」

梨花「話しがだいぶそれてるわよ。
   祥子さまを文化祭に行かせるだけなら、
   どうとでも出来るけれど、
   その前の集まりは難しいわね。」

令「祐巳ちゃんは何かアテはあるの?」

祐巳「そこ、なんですよね
   いい場所を、なかなか思いつかなくて」

由乃「それ以前に、
   祥子さまをその集いに参加させることを考えなくっちゃ」

祐巳「絶対に出てもらうにはどうしたらいいんだろう。」

由乃「つまり、蓉子さまならどうするか、ってことでしょう?」

祐巳「命令する。」

令「・・・だよね」

乃梨子「でも、この中で紅薔薇様に命令できる方、
    いらっしゃいますか?」

圭一「俺は出来るけど、部外者だからな」

そういえば、圭兄と紅薔薇様は幼馴染だっけ

令「私も、命令できなくは無いけれど。
  私がしたところで、
  祥子は自分が嫌なことは絶対に聞かないからね。
  どう思う?白薔薇様」

志摩子「もちろん、私だって無理です。」

令「となると・・・・だまし討ち?」

由乃「偶然を装って、鉢合わせ。
   で、逃げられない状況をつくる。」

令「でも、どこで?」

祐巳「こういう喫茶店とかは?」

由乃「わざわざ祥子さま呼び出すの変じゃない?
   それで、たまたま花寺の生徒がいるわけ?
   祥子さまじゃなくても、納得できないよ。」

令「いっそ、祥子の家に押し掛けちゃう?」

祐巳「花寺の方はどうするんです?」

令「柏木さんを使う」

乃梨子「あの、その柏木さんというのは」

令「祥子の従兄弟で婚約者。
  花寺の前生徒会長」

圭一「付け加えると、あいつも祥子と同じで俺の幼馴染だな。」

令「話を戻すけど、柏木さんが広い場所を提供するって事で
  小笠原家に連れて来てもらうってのはどうだろう。」

圭一「ボツだな」

令「どうしてですか?」

圭一「優の家に行ったこと無ければ分からないだろうけれど、
   かなりでかい、小笠原家とほぼくらいの敷地面積だったはず」

梨花「圭一、何か無いの?」

圭一「いっそ、正攻法で真っ直ぐいってみたらどうだ?」

令「と、いいますと?」

圭一「顔合わせ、やるので出て下さいって。」

令「それが出来ないからこうやって集まってるんじゃないですか。」

圭一「いやいや、もっと頭を使えって、
   もし断られたら、梨花ちゃんが
   『この集まりはお姉さまと祐麒さんがまとめた物ですよ?
   もしココで逃げたりしたら
   お姉さまの顔に泥を塗ることになるんですよ?
   6月の時といい、どこまでお姉さまを追い詰めるんですか
   お姉さま、紅薔薇様にロザリオを返して
   山百合会と縁を切って
   私たち2人で学生生活を楽しみましょう。』
   なんて言えば、プライドが高くて、
   6月の事がトラウマになっていて
   祐巳さんに依存しまくっている祥子は確実に集まりに出るだろ?」

令「なるほど、その手があった。」

梨花「さすが、口先の魔術師」


後日、その手を使うと、即答で参加すると宣言した。



【No:2648】へ続く


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