「いらっしゃいませ、黄薔薇さま。今回はどのようなご相談ですか」
「また、由乃を怒らせてしまったの」
「そうですか」
「応援合戦ではりきったら、恥ずかしいことするなって。喜ぶと思ったのに」
「…あれは、さきに意見を聞いておくべきだったように思います」
「あ、先に見せてあげなかったから拗ねてるのかな」
「………。とにかく、お任せいただきます」「よろしくね」
「鳥居江利子さま。かくかくしかじかでご相談があるのですけど」
「あらあら、仲のいいことね」
「はい。それでこれは由乃さんに妹がいないことが一因ではないかと思うのですが」
「ああ、妹まだだったのよね」「はい」
「そう、うふふ。それは困ったわねえ」「困りましたね」
「分かったわ、うふふふ」
「よろしくお願いします」
これで、黄薔薇さまのことはしっかり忘れ去られるわね。
「ごきげんよう、真美さま」
「ごきげんよう、内藤笙子さん、よね」
「はい。…実は最近不安なんです」「うん」
「誰かに見られてるような気がときおりして、写真を撮られるときのような緊張感を感じるんです」「そう」
「どうしたらいいでしょう。学園の中だけだと思うんですけど」
「………気にしないほうがいいわ。ストーカーなら校外にでるはずでしょ」「ええ」
「カメラを警戒して敏感になってるのよ。だから、気分を変えるのがいいと思うわ」「はい」
「そこで、茶話会に出てみない?きっといいことがあるはずだから。案外、この問題も解決するかもしれないわよ」
「そうですね。考えてみます。ありがとうございました」
蔦子さん、貸し1よ。やれやれ…。