【2771】 あり得ない未来  (通行人A 2008-10-13 19:40:29)


マリア様のなく頃に
〜償始め編〜


『ひぐらしのなく頃に』のクロスシリーズです。


第1部【No:2715】→【No:2720】→【No:2751】の続編です。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


〜時始め編〜連載中


第1部【No:2477】→【No:2479】→【No:2481】→【No:2482】→【No:2484】
  →【No:2487】→【No:2488】→【No:2490】→【No:2492】→【No:2499】
  →【No:2503】→【No:2505】→【No:2506】→【No:2507】


第2部【No:2527】→【No:2544】→【No:2578】→【No:2578】→【No:2587】
  →【No:2643】→【No:2648】


第3部【No:2656】→【No:2670】→【No:2735】


企画SS
 【No:2598】


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


〜狂始め編〜完結


第1部【No:2670】→【No:2698】→【No:2711】→【No:2713】→【No:2714】


エピローグ【No:2715】


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




第1部   戸惑い





第1章   廻る世界





第3話   協力者






私は今、祐巳さまに連れられて屋上に来ている。
というか、屋上って立ち入り禁止じゃなかったっけ?


祐巳「それで朝のこと、教えていただけるのかしら?」


乃梨子「は、はい・・・・」


私はぽつりぽつりと話をした。
祐巳さま・・・さんが藤堂ではなく福沢の姓だったこと。
私の記憶では今は2月で祐巳さんが2年で私が1年だったこと。
私は藤堂志摩子のスール上の妹だということ。
祐巳さんには古手梨花という妹がいたこと。
私は梨花の恋人である圭兄・・・前原圭一と従兄妹の関係にあること。
私は圭兄を●して自●したはずなのにここにいること。


乃梨子「前に梨花から聞いたのですが人は死ぬとすべての記憶を失って、
    いわゆるパラレルワールドいくそうです。
    それで梨花は別として、
    極稀にそれこそありえないぐらい低い確率で
    完全に思い出す人がいるらしいです。
    普通の人でも少しだけ思い出す事もあり
    それがいわゆるデジャヴらしいです。」


祐巳さんはしばらく考え込んで、


祐巳「ん〜、嘘のような話だけど、
   嘘をつく理由もないし嘘をついているようにも見えないわね
   どんな状況で聞くことになったのかは気になるけど
   それはまぁいいわ・・・それよりそんな説明が出来たのだから
   その梨花さんって子は例外で覚えているのよね?」


乃梨子「そのはずです。」


祐巳「それで、あなたはこれからどうするの?
   見知らぬこの世界で、ただ平和に生きるの?
   それとも何かをするの?」


乃梨子「私は・・・・・償いたい、梨花に圭兄に・・・
    許してもらえなくても、何年、何十年かかっても・・・償いたい」


祐巳「そう・・・がんばりなさい、私から言えるのはこれだけよ。
   もし、1人じゃどうしようもなくなったら言いなさい
   出来る限り協力してあげるわ」


乃梨子「ありがとうございます。」


私はそう言って頭を下げた


祐巳「お礼を言われるほどの事はしてないわ。
   それにその話、嘘をついているとは思えないけれど、
   いきなり言われて本当だとも思えないわ。
   そうね、その梨花さんって人に話を聞けるかしら?
   学年とクラスはわかる?」


乃梨子「は、はい・・・私が2年に転入するって知る前に
    確認で1年のクラス別けの掲示を見たときに確認しましたから
    なぜか由乃さまと福沢に姓が変わったお姉さまの名前がありましたが」


祐巳「ねぇ、向こうの志摩子はちゃんと笑えていたかしら?」


なんでそんな事を聞くのかはわからないが、私は正直に


乃梨子「はい、私の知る限りではいつも微笑んでいました。」


祐巳「そう・・・・ありがとう、志摩子を支えてくれて・・・」


無表情で祐巳さんはそう言ったが、
私にはまるで嬉し泣きをしているように見えた。




【No:2779】へ続く




一つ戻る   一つ進む